The Best 10 Albums of 2012 |
No.1
BLESSED BY A BROKEN HEART / FEEL THE POWER |
個人的にHR/HMに一番必要なものだと考えている「わかりやすいカッコよさ」が体現されたアルバム。人によっては「ダサカッコイイ」の範疇かもしれないが、個人的にはツボだった。華のあるVoの脱退が残念。 |
No.2
GALNERYUS / ANGEL OF SALVATION |
メロディックで、パワフルで、テクニカルなメタルが好きな人にとって、もはやこのバンド以上の満足を与えてくれるバンドは世界を見渡してもほとんどいないのではないか。
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No.3
LIV MOON / THE END OF THE BEGINNING |
この年2枚のアルバムを発表。どちらも優れた仕上がりだったが、よりこのプロジェクトに求められる叙情系シンフォニック・メタルが追求されたコンセプト・アルバムの本作は非常に魅力的。 |
No.4
H.E.A.T / ADDRESS THE NATION |
スター・シンガーを得て、完全にワールド・クラスのスケール感を身に付けた。楽曲のクオリティも高く、次世代メロディアス・ハードの看板を背負うに足る器に育った一枚。
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No.5
KREATOR / PHANTOM ANTICHRIST |
叙情性を巧みに織り込みつつ、あくまで鋭利なまでの攻撃性を見せつける貫禄のスラッシュ・サウンド。 |
No.6
ACCEPT / STALINGRAD |
勇壮なるACCEPTサウンドは健在どころかさらに深化している。来日公演も素晴らしすぎた。 |
No.7
DRAGONFORCE / THE POWER WITHIN |
ニュー・シンガーを迎えて放った本作では、やや個性が希薄化した感もあるが、やはりメロディック・スピード・メタルとしての爽快感においては他バンドの追随を許さない水準にある。 |
No.8
PRIMAL FEAR / UNBREAKABLE |
アレックス・バイロット(G)を正式メンバーに迎えた最強布陣で臨んだ本作は、まさにへヴィ・メタル・マイスターと呼ぶべき職人芸を感じさせる隙のないアルバム。 |
No.9
CIRCUS MAXIMUS / NINE |
インパクトは強くないが、聴き易くも味わい深い独自のプログレッシヴ・メタル・サウンドは新たな境地へ。LOUD PARKでの好演も印象的だった。 |
No.10
UNISONIC / UNISONIC |
必ずしも求める路線ではなく、カテゴライズも難しい音なのだが、紛れもなくHR/HMであり、かつ独特のフックがあっていつの間にか全曲覚えてしまった。今後の展開にも期待。 |
The Best 10 Tunes of 2012 |
No.1 | 黄金の涙 / LIV MOON |
キコ・ルーレイロ(ANGRA)の作によるスケール感に満ちたエモーショナルな名曲。続く「Voyage」も印象的な楽曲だった。 |
No.2 | Shut Up And Rock! / BLESSED BY A BROKEN HEART |
「黙ってロックしろ!」これぞロック・アンセム。アルバムの他の収録曲も捨てがたいものが多かったが、代表としてこの曲を。ライヴでHeyHeyしたかったなあ…。 |
No.3 | Winning The Honor / GALNERYUS |
このクオリティの楽曲がEPにしれっと収まっているのだから、現在のGALNERYUSのクリエイティビティがいかに高い水準にあるかは推して知るべし。 |
No.4 | Victory Will Come / KREATOR |
ゾクゾクするような高揚感が闘争本能を鼓舞する、欧州産ならではの勇壮なるスラッシュ・サウンド。メロデスのファンにもオススメ。 |
No.5 | Living On The Run / H.E.A.T |
非常に完成度の高い哀愁系メロディアス・ハードの名曲。こういう曲をもっと! |
No.6 | Land Of Broken Dreams / DYNAZTY |
外部ライターによる明らかに賞狙いの楽曲だが、80年代ハード・ポップ・ファン必聴の完成度。 |
No.7 | Echoes Within / AGE OF ARTHEMIS |
なんというANGRAっぷり(笑)。アルバム通して緊張感を維持できるようになれば、ポストANGRAの最右翼に躍り出ることでしょう。 |
No.8 | Solitaire / KAMELOT |
久々に彼らの楽曲に「即効性」を感じました。もう少し盛り上げてくれれば完璧だったのだが。 |
No.9 | Storytime / NIGHTWISH |
2011年の発表ですが、日本盤の発売はこの年だったのでここで選出。アルバムはややハイブロウでしたが、やはり作曲のレベルは高い。 |
No.10 | Seasons / DRAGONFORCE |
「Cry Thunder」と共に、彼らの新境地を代表する曲。STRATOVARIUSのキャッチーな曲を思わせるメロディが気に入ってる。 |
2012年を振り返って
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ジョン・ロード(DEEP PURPLE)やマーク・リアリ(RIOT)の訃報や、QUEENSRYCHEの分裂騒動をはじめとするゴシップ的な話題を除くと、あまり大きなシーンの動きを感じることの少ない一年だった。
VAN HALENやAEROSMITH、KISSといったアメリカン・ハード・ロックの大御所が揃ってアルバムを出し、それぞれ全米チャートの上位にランクされる成功を収めたものの、特にそれによって何かシーンが動いたというよりは、単純に大御所バンドそれぞれに動きがあった、というだけ。 2000年代をリードしたメタルコア勢の新作はいずれも前作のチャート・アクションを超えられず、ジャンルとしてターニング・ポイントに差し掛かっている感が否めない。 一方、欧米のメタル・メディアで評価を高めているバンドは、とても一般的なリスナーの支持を獲得できるとは思えないコアなバンドばかりで、(一部の大御所化したベテランを除くと)シーン全体としてよりアンダーグラウンドな方向に向かっているように思われる(そのことをどう捉えるかはその人の価値観次第だろうが)。 ただ、いずれも目立った動きではなく、BURRN!誌の読者に代表される、日本の保守的かつ一般的なHR/HMファンにとってはBURRN!誌がリニューアル(というかリストラ?)されたこと自体がこの年における一番印象的な「事件」だったのではないか(笑)。 ここ数年のトレンドとなっていたガールズ・バンドや、女性シンガーをフィーチュアしたバンドについても、今ひとつ決め手に欠け、バンドの頭数とシーンの層に厚みは増しているものの、仕掛ける側が期待するほどの盛り上がりと広がりは得られていない。 当サイトで扱うメイン・ジャンルである(?)メロディック・メタル界隈ではイタリアン・メタルの復興が話題だった。この前年に分裂したRHAPSODY OF FIREの片割れ、LUCA TURILLI'S RHAPSODYや、VISION DIVINEのような比較的メジャーな所から、ミケーレ・ルッピが加入したSECRET SPHERE、その他久方ぶりの復活を遂げたHOLY KNIGHTSなど、マニアの間で話題になるようなメンツまで、久々にリリースが活性化したことがその原因である。 とはいえ、たしかにリリース点数は多めだったものの、その質が瞠目に値するようなものであったかというと必ずしもそうでもなく、個人的にはむしろACCEPTをはじめ、PRIMAL FEAR、RAGE、GRAVE DIGGERなど、80年代から活動しているドイツのミュージシャンたちの安定感にこそ、細分化され拡散したシーンの中でメタルの王道を貫く凄味を感じた年だった。 一方、当サイトでは基本的にレビュー対象外としているスラッシュ系のフィールドでは、上記の10選に選出したKREATOR以外にもTESTAMENTやOVERKILL、PARADOXなどが出来のいい作品を発表しており、このシーンもベテランを中心に非常に安定したクオリティの作品が供給されるジャンルとして定着しつつある(スラッシュ・メタルというジャンルが登場した頃、誰がこのようなベテランがシーンをリードする状態を予想しただろうか?)。 個人的なレベルの話では、上記のような拡散し、シーンの流れが読みにくい状況にあって、個別のアーティスト/アルバムとしては、強いインパクトにこそ欠けるものの、手堅い仕上がりの作品が多かった一年という印象。上記のアルバム10選に入らなかった作品でも、AS I LAY DYING、KAMELOT、LUCA TURILLI'S RHAPSODY、SHOW-YAの新作など、入れたかった作品は多い。 ただまあ、トータル的に見るとやや小粒な印象の年だったこともまた事実で、LOUD PARKの充実と、ACCEPTの素晴らしいライヴが年末になかったら、小粒どころか物足りない印象を残す年になっていたかもしれない。 そういう意味で、「悪くはないが良くもない」、そんな「踊り場」的な年だったと言うのが妥当なところか。そろそろ10年代をブレイクスルーする新たな動きを期待したい。 |
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