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ホームコラム>年間ベスト2008


The Best 10 Albums of 2008

No.1



DRAGONFORCE / ULTRA BEATDOWN

アグレッシヴでドラマティックでテクニカル、ヘヴィ・メタルに求められる全ての要素を極端なまでに突き詰めることでついに完成した21世紀型ヘヴィ・メタル・サウンドの極北。

 


No.2



BLACK TIDE / LIGHT FROM ABOVE

アメリカでも時代が一回りしたことを示す若手のホープ。アメリカンなノリの裏に潜む欧州メタル風味が美味しい。

 

No.3



AVANTASIA / SCARECROW

方向性の拡散したEDGUYの新作は正直微妙だったが、トビアスが依然卓越したメロディック・パワー・メタルのクリエイターであることを本作の完成度が証明している。

 

No.4



STURM UND DRANG / ROCK 'N ROLL CHILDREN

お子様ランチと言われようと、このオヤジ殺しな80'Sメタル風楽曲の充実ぶりにはついつい手が伸びてしまう。

 

No.5



STORMWARRIOR / HEADING NORTHE.

今年のピュア・メタル保守本流で一番頑張ってた印象。全編に漲るヒロイズムと勇壮な勢いに胸が躍るのを抑えられない。

 

No.6



FIREWIND / PREMONITION

これぞ正統派、これが正統派。ようやくバンドのポテンシャルと楽曲のクオリティが釣り合ってきた感のある力作。

 

No.7



SERPENT / xGODx

少なくともアルバムの仕上がりとしては世界レベルの、タイトル通り神盤といってもいい傑作を生み出したのに中心人物が離脱とは…。惜しい。

 

No.8



EDEN'S CURSE / THE SECOND COMING

こういう産業ロックではないメロディアス・ハードでいいアルバムが増えてきたような印象があるのも、今年の収穫ですね。やっぱ口ずさめるハード・ロックが好きです。

 

No.9



NICKELBACK / DARK HORSE

ジョン”マット”ラングをプロデューサーに迎え、往年のDEF LEPPARDを彷彿させるサウンドに。曲のフックの付け方もHR/HMファン好みになった気がする。

 

No.10



BULLET FOR MY VALENTINE / SCREAM AIM FIRE

よりHR/HMへと接近したスタイルで、A7XやTRIVIUMといったアメリカの同輩たちを差し置いての全米TOP10入り(4位)は見事。

 


The Best 10 Tunes of 2008

No.1 Heading Northe / STORMWARRIOR
  いやもうこのサビを聴くたびに胸に熱いものがこみ上げてきますよ。男は皆戦士なんですよ(意味不明)。

No.2 Gotta Be Somebody / NICKELBACK
  アメリカのメジャー系ハード・ポップ・チューンで久々にトキメキました。軟弱かもしれないけど、マジパネェ名曲だと思います。

No.3 Shockwave / BLACK TIDE
  往年のHR/HMファンには懐かしさを、若者には新鮮さを感じさせるであろう破天荒なエナジーと心憎い構築美が同居するアンセム。

No.4 Heroes Of Our Time / DRAGONFORCE
  この曲のタイトルが「Starchaser」ではない理由は、自分達こそがこの時代のヒーローであることをアルバム冒頭から宣言したかったからだろう。

No.5 Wasting Time / ALL ENDS
  昨年発表されている曲だが、日本盤デビューが今年だったのでここで選びます。これぞアイドル歌謡メタルの名曲。

No.6 Suicide Diary / SERPENT
  メロドラマ・デスの境地に達したメロメロの泣きデス。日本人ならではのクサさですね。

No.7 Move Your Body / BLESSED BY A BROKEN HEART
 

ノリノリ&ダンサブルで、どキャッチーな80年代風味全開のアゲアゲパーティ・アンセム。


No.8 Why Do I / WORK OF ART
  爽やかな中にほのかに漂う哀愁、煌くKeyにクリアなVo、これぞ私が北欧ハード・ポップに求める楽曲の理想型。

No.9 The River Runs Dry / STURM UND DRANG
  こういうフック満載の曲が作れるなら、作曲者であるヤニ・リマタイネン(元SONATA ARCTICA)の本格的なシーン復帰が楽しみだ。

No.10 The Enchanted Forest / DARK MOOR
 

3分台のコンパクトな曲なのだが、曲調とアレンジが非常にドラマティックでグッと来る。アルフレッド・ロメロのVoも絶妙な哀感を醸し出していて良い。


 


2008年を振り返って


多くのメタル系レビュー・サイトでは「ベスト・アルバムに選んだアルバムからはベスト・チューンを選ばない」という「BURRN!の編集者方式」を採る所が多いようですが、私はBURRN!編集部の皆さんほどにたくさんのアルバムを聴いているわけではないので、普通に気に入った曲を思いついた順に挙げています。

そもそも私の好きなアルバムというのは基本的に「好きな曲が入っているアルバム」であることが基本で、アルバムとしての完成度が高いからといって、キラー・チューンがないアルバムを過剰に高く評価するというのは私のスタンスではなかったりします。ましてこのiPod時代においてはそういった感覚は一般リスナーの感覚からも乖離しているように思いますし。

とはいえ、いいアルバムにはいい曲が複数存在しているのが常で、SERPENTであれば「Severance」が捨てがたかったし、STURM UND DRANGのアルバムからももっと選びたい曲があった。そして特に曲は選出しなかったAVANTASIAやFIREWINDのアルバムも、楽曲の平均点が高かったためにかえって「この1曲!」を選べなかっただけだったりします。あと、EDEN'S CURSEの「Masquerade Ball」に「Angels & Demons」、DREAMTALEの「Take What The Heavens Create」やWHITESNAKEの「All For Love」あたりもパッと思いつくくらい好印象が残っていたが、取捨選択の結果泣く泣く外すことに。所詮自分ルールで10選に絞っているのに「泣く泣く」というのもバカバカしい話ですが…。

アルバムの順位に関しては、実は1位から8位くらいまでは大差なくて、1位をコレにしたのは、セールスやチャート成績を考慮し、このサイトなりに時代性を反映させてみた結果です(笑)。10位についても、このアルバムと同等に気に入っていたアルバムは他にもいくつかあったのですが、やはり全米4位という頭ひとつ抜けたチャート実績、そしてライヴ・パフォーマンスにおける意外なほど古式ゆかしいメタル・バンド然とした佇まいを評価してみました。

そんなしょうもない自分語りはさておき、08年は本格的にHR/HMが復活した年だったと思う。BULLET FOR MY VALENTINEの全米4位を筆頭に、TRIVIUM、IN FLAMES、CHILDREN OF BODOMといった辺りが全米TOP30入りを果たしたし、ゲーム効果の後押しがあったとはいえ、英米では受けない音楽と思われていたメロディック・スピード・メタルのDRAGONFORCEが全米・全英ともに18位にランクインしたことは時代の変化を象徴する出来事といえるだろう。

METALLICAの新譜が久々にメタル然としていたのも、AC/DCの新譜が82年の「FOR THOSE ABOUT TO ROCK」以来の全米No.1を達成しバカ売れしたのも、WHITESNAKEやDEF LEPPARD、MOTLEY CRUEといった80年代の大御所がこぞってアルバムを出したのも、EXTREMEやWHITE LIONといった微妙なポジションの連中まで次々と復活を果たしたのも、全てHR/HMの復興という一本の線で結ばれている。アクセル・ローズが17年ぶりにGUNS N' ROSESのニュー・アルバムを出す決心をしたのも、こうしたHR/HMへの追い風があってこそだろう。

とはいえ正直今年は話題作が集中し過ぎた感もあることは確かで、ここ数年徐々に盛り上がってきたHR/HMの復興の動きのピークが08年だった、なんてことになる可能性もなくはない。金融バブルの崩壊で世界的な不況に突入してしまった社会情勢が、かつてHR/HMが壊滅し、グランジ/オルタナティヴが台頭してきた時期の空気を思い起こさせることも不安材料ではある。

しかし、良くも悪しくも音楽の細分化・パーソナル化が進んで「歌は世につれ、世は歌につれ」という言葉が死語になりつつある昨今の状況ではあるし、メタルという音楽自体も既に80年代のように能天気でバブルなイメージを放っておらず、むしろダークなバンドが主流となっている。そして何より、10代、20代の若いバンドが次々と充実した作品を発表しているので、個人的には09年も昨年ほどの話題作ラッシュやチャート成功作がなくとも、HR/HMシーン自体は堅調に推移するのではないか、と希望的な観測をしています。

ただ、懸念材料は昨今の盛り上がりで、ある程度メジャー資本を受け入れてしまった「Nuclear Blast」や「G.U.N」といった欧州のメタル・レーベルがこれまで通りにバンドと契約し、アルバムをリリースし続けることができるかどうか、という身も蓋もないビジネス事情だったりします。


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