The Best 10 Albums of 2007 |
No.1
NOCTURNAL RITES / THE 8TH SIN |
古典の様式美を失うことなく現代的な要素も取り入れ、00年代におけるヘヴィ・メタルの理想型を体現することに成功した傑作。 |
No.2
MACHINE HEAD / THE BLACKENING |
このバンドがこのようなメタル然としたアルバムを発表したことは昨今のメタル復権のひとつの象徴的な事象といっていいだろう。ちょっと口惜しいが、マジでカッコいい。
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No.3
NIGHTWISH / DARK PASSION PLAY |
ターヤとの別離で失ったものは大きい。しかしそれでもなおこの楽曲クオリティは同類他バンドの追随を許さない高みにある。
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No.4
AVENGED SEVENFOLD / AVENGED SEVENFOLD |
アメリカからの欧州メタルに対する返答といっていいだろう。この音が果たしてどこまでマスの支持を得られるのか。 |
No.5
CIRCUS MAXIMUS / ISOLATE. |
プログレッシヴ・メタルに新たな息吹を吹き込む若い力。型を踏襲しつつ、その型に閉じこもっていないのがいい。何より単純に歌メロがいいのが差別化につながっている。 |
No.6
BLOOD STAIN CHILD / MOZAIQ |
このトランシーでキャッチーなデス・メタル・サウンドは個性的でありつつ聴きやすい。同じ日本人ならではの琴線に触れるフレーズが多く、よく聴きました。 |
No.7
THRESHOLD / DEAD RECKONING |
ゼロ・コーポレーション時代に日本盤リリースされたデビュー作から飛躍的な成長を遂げていてビックリ。独特のメロディとグルーヴがクセになるプログレ・メタル。
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No.8
SYMPHONY X / PARADISE LOST |
個人的にはもう少しメロディアスであってほしいが、ここまでのクオリティを呈示されてしまうともはやグウの音も出ない。 |
No.9
DARK MOOR / TAROT |
全盛期の輝きはまだ取り戻せていないが、それでも今年のクサメロ大賞。やっぱ好きです、こういう音。 |
No.10
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楽曲のバラエティ、クオリティが素晴らしい。正統派パワー・メタル職人として熟練の業が冴え渡る一枚。 |
The Best 10 Tunes of 2007 |
No.1 | Call Out To The World / NOCTURNAL RITES |
コンテンポラリーなリフと、ドラマティックかつ叙情的なメロディの絶妙の融合。アルバムの充実を象徴する名曲。 |
No.2 | Arrival Of Love / CIRCUS MAXIMUS |
TNTをすら想起させる小技の効いた爽快なメロディアス・ハード・ポップ。久々にHR/HMを聴かない人にも聴かせたいと思えた曲だ。 |
No.3 | Bye Bye Beautiful / NIGHTWISH |
サビが「Die! Die! Beautiful!」に聴こえると話題になった、ターヤに対するあてつけソング。やっぱマルコの歌うパートが超カッコいい。 |
No.4 | Wolves / MACHINE HEAD |
この曲における疾走パートの高揚感は異常。思わず狂ったように自宅ヘッドバングしてしまいました(恥)。 |
No.5 | New Legend / GALNERYUS |
新たなる伝説の幕開けを告げる、彼らの魅力全開のスピード・チューン。サビが好き。 |
No.6 | Lovers / DARK MOOR |
北欧ハード・ポップを思わせる、甘く切ないメロディアス・ハード・チューンに胸キュン。 |
No.7 | Cats In A Backyard / DOUBLE DEALER |
アンチ広瀬な私ですが、ベストを選ぶにあたってごく自然にこの曲が思い浮かんでしまった。 |
No.8 | Insurrection / GAMMA RAY |
この曲にグッと来てしまうのはひょっとすると単なるノスタルジーかもしれないが、メタル界随一と言っても過言ではないカイ・ハンセンの大作構築力はこの曲にも充分現れている。 |
No.9 | State Of Grace / SAXON |
未だにLPのSAXONコールが耳から離れない(笑)。こんなことを書くとSAXONマニアに殺されるかもしれないが、なんかちょっとヴィジュアル系っぽい哀愁の佳曲。 |
No.10 | What Have You Done / WITHIN TEMPTATION |
個人的に彼らにこういうEVANESSENCE風な楽曲をプレイしてほしくないのだが、残念ながらついここに選出してしまったほど出来がいい(苦笑)。 |
2007年を振り返って
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広義の意味でのメタルは、もはや完全に復権したと言っても過言ではない。メタルに対するイメージが未だに「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」における「早朝ヘビメタ」であるような人々(日本で「Heavy Metal」という言葉を知っている成人人口の9割以上)は論外として、意識的にロックを聴く人で、この2007年になってなお、「メタルはダサい」などと言っている人がいたら、その人は時代感覚、あるいは国際感覚が欠如した気の毒な人だと考えていい。 もちろんメタルの復権と言っても、80年代のようにミリオン・セラーが続出するとか、チャートの上位を独占するといったバブル的な現象が再来することを意味するものではない。絶頂を極めた反動として不当に貶められた10数年を耐え抜き、しぶとく生き残ったことによって、ロックの1ジャンルとして本来備えて然るべき尊厳を取り戻しつつあるというだけのことに過ぎない。 しかしそれは、私のように90年代に青春を過ごしたメタル・ファンにとってはにわかに信じられないほど感動的な状況で、ライヴ会場やインターネット上において80年代後半や90年代に生を受けた若者たちがなんの衒いもなく「メタル、カッコいい」と言っているのを目の当たりにすると、まぶしさで目がくらみそうになるほどだ(大げさです)。 とはいえ実際のところ日付が変わる前に帰れたのが月に1、2日で、純粋に仕事で徹夜した日数が両手の指で足りない数に及んだ今年、音楽シーンについて俯瞰的に見て評論する…などというヒマ人(あるいはそれを生業としている人)の特権を享受するなどというのは夢のまた夢。インターネットがなかったらメタルが復権しているかどうかなんて気付くこともなかったことでしょう。 そんな状態だったので基本的に新譜は身体が求める最低限の音楽しか聴いていません。そういう意味で上記の10選は非常にパーソナルな、単純に私が買ったごく限られたメタル新譜の中で良かったと思えたものを列挙しただけのものに過ぎず、これらが07年のメタル・シーンを代表するアルバムだ、などとは口が裂けても言いません。 そんな私があえて10選を公開するのは単なる自己顕示欲と、「今までもやってきたから」という惰性の産物に過ぎず、この行為がレビューを書くという行為と同様いかにオナニー的で恥ずかしいものであるかは自覚しているつもりです。ただ、個人的に他のサイトやブログのチョイスを見るのは単純に楽しいし、そんな気軽さで楽しんでくれる人がいればいいなあ、と思ってこんな冗長な文章まで綴っている次第です。 とりあえず昨年よりも単純に「良い」と思える作品が多くて、選ぶのは結構楽でした。ご覧の通りアルバムもチューンも1位なNOCTURNAL RITESが今年の私的MVPですが、LOUD PARKでのライヴを見る限り、このバンドがシーンの中心で絶賛を浴びる日は残念ながら来ないかもしれません(苦笑)。 HELLOWEENやGAMMA RAYといった古豪が未だ枯れぬ才能を示した一方、DREAM THEATER、KAMELOT、SONATA ARCTICAあたりは個人的に期待外れ。ただ、STRUM UND DRANGやCIRCUS MAXIMUSなど、将来性を感じさせる若手が目立ったのは好材料。全体的に見て、メロディックなメタルを好む向きにとっては「まずまず」の年だったのではないでしょうか。 |
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