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ホームコラム>年間ベスト2006


The Best 10 Albums of 2006

No.1



IN FLAMES / COME CLARITY

メロディの煽情力を取り戻しつつ、伝統的HR/HMとも、NU METALやメタルコアとも異なる独自の有機的ヘヴィ・サウンドを呈示した新たなるメタルの可能性。

 


No.2



BLIND GUARDIAN / A TWIST IN THE MYTH

ヨーロピアン・メタルの王者としての貫禄を示した、スケール感に満ちた1枚。もはや彼らに子供だましの攻撃性は必要ない。

 

No.3



HEAVENLY / VIRUS

メロスピ勢の失速が相次いだ中、充実したソング・ライティングによってファンの期待に応えた数少ない1枚。

 

No.4



GALNERYUS / BEYOND THE END OF DESPAIR...

面白みは減ったが、完成度は増した。多少の不満はありつつも、よく聴いてしまったのはやはりこのバンドが私の趣味に合っているのだろう。

 

No.5



TRIVIUM / THE CRUSADE

21世紀にメタルの尊厳を取り戻す十字軍。コア色を薄め、よりピュアなメタル・サウンドを呈示し、全米初登場23位を記録した意義は大きい。

 

No.6



AMORPHIS / ECLIPSE

メタル色が濃かろうと薄かろうと、彼らの音楽は常に孤高だった。個人的に今回のこのメタル色濃い作風は「退化」と映るが、そのことで再び彼らへの注目度が上がったことは喜ばしい。

 


No.7



ZENO / RUNWAY TO THE GODS

シンガーの交代により、神々しさが減退したのは残念だが、9年ぶりの新作に相応しい楽曲のクオリティ、そして絶品のギター・サウンドにはやはり感銘を受けざるを得ない。

 

No.8



DREAM EVIL / UNITED

やや地味で個性も希薄だが、ヘヴィ・メタルが好きなら楽しめることは間違いない、哀愁とヘヴィさのバランス感覚に優れた佳作。

 

No.9



HAMMERFALL / THRESHOLD

歌メインのキャッチーなヘヴィ・メタルとしての安定感はさすがに人気バンドというべきか。

 

No.10



SCAR SYNMMETRY / PITCH BLACK PROGRESS

基本はSOILWORKフォロワーながら、本家を凌駕せんとする進歩性と楽曲のクオリティを示したサイバー・プログレッシヴ・メロディック・デス・メタル。

 


The Best 10 Tunes of 2006

No.1 Otherland / BLIND GUARDIAN
  このスケール感に満ちたコーラスがもたらす高揚感こそ彼らの真骨頂。

No.2 Hard Rock Hallelujah / LORDI
  彼らのベスト・チューンだとは思わないが、ユーロヴィジョン優勝に敬意を払ってここに選出。ポップ・メタル復権の狼煙となる1曲。

No.3 Anthem(We Are The Fire) / TRIVIUM
  この曲名にしたのも頷ける、ライヴでの盛り上がり必至のこっ恥ずかしいまでにカッコいいメタル・アンセム。

No.4 Don't Keep Me Waiting / FAIR WARING
  FAIR WARING復活を印象付けた彼らならではの熱い名曲。

No.5 Come Clarity / IN FLAMES
  泣きまくりのギター・ソロに胸締めつけられる、彼ら流の「SCORPIONSソング」。

No.6 Vanising Light / IN FLAMES
  今年一番メロスパーとしてのツボを押されたのはメロスピではないこの曲でした…。

No.7 After The Nine O'clock News / WIG WAM
  日本盤ボーナス・トラックにしておくにはもったいない、ハード・ポップならではの秀曲。

No.8 Dead End / IN FLAMES
 

リサ・ミスコフスキの可憐な歌声と、激烈なメタル・サウンドの「美女と野獣」コントラストが病みつきになる。


No.9 Spill Blood On Fire / HEAVENLY
  こういうキャッチーなHR/HMソングは大好物です。

No.10 Blind Evil / DREAM EVIL
 

ソリッドに刻まれるリフに被さるメロディックなリード・ギター。これこそHR/HMならではのカタルシスですね。

 


2006年を振り返って


今年はひどい年だった。昨年も不作だったと書いたが、今年は「凶作」と言っても過言ではない(正統的なメロディック・メタルに関して言えば、であるが)。RHAPSODY(OF FIRE)などは前作の時点でだいぶアレだったので最初から期待していなかったが、EDGUYやANGRAといった、信頼していたアーティストの新譜がイマイチだったのが痛い。

上記のランキングもかなり苦しまぎれで、アルバムは上位2位、チューンは1位以外は順不同というか、どれも「とりあえず良かった」と思えたものを思いついた順に列挙したに過ぎない。この他に主食のメロディック・パワー・メタル系ではWUTHERING HEIGHTSとBURNING IN HELL、メロディック・デス・メタル系ではETERNAL TEARS OF SORROWの復活作やDISARMONIA MUNDIなどもまあまあ良かったが、正直妙に手堅くまとまった作品ばかりで、10年後も聴いていたいと思わせるほどの強い印象を残す作品はほぼ皆無だった。

せっかく世界的には、それこそ今までメタル・ファンの希望的観測(あるいは妄想)の中だけで囁かれてきた「メタルの復権」の兆しが本格的になり、アメリカではメロディック・パワー・メタル的なサウンドを聴かせるAVENGED SEVENFOLDがゴールド・ディスクを獲得、イギリスではTRIVIUMの新作が初登場7位を記録するなど、ついに大陸ヨーロッパから英米にメタルの火が点き始めたのにこのていたらくでは、私の青春そのもの(大げさです)である麗しきヨーロッパのメロディック・メタルは日の目を見ることなく終わってしまいかねない。

日本でも、SUMMERSONICのトリをMETALLICAが務め、さらには初の大型メタル・フェスティバル「LOUDPARK」が開催されるなど、メタル復権の気配は強まっているものの、それによって英米以外のアーティストが浮上しないのであれば、個人的にはあまり意味がない。いや、LOUDPARK06自体は非常に楽しかったし、こういう場が存在することはメタル・ファンにとって意義深いとは思うのだが。

ここ数年もっとも勢いのあるジャンルであったフィンランド発の「ノリノリゴシック」勢も、産業化による飽和状態を迎え、かつての日本のヴィジュアル系バンドブームの末期を思わせる、「それなりに質は高いが、小粒なバンド」ばかりが増殖してしまっている。昨年リリースされたHIMの「DARK LIGHT」は今年に入ってアメリカでもゴールド・ディスクを獲得したが、ジャンルとしてのブレイクには至りそうもない。

一方、LORDIの「Hard Rock Hallelujah」がヨーロッパを代表する音楽イベント、ユーロビジョンで優勝、WIG WAMもノルウェーで大スターになるなど、90年代以降死に絶えていたポップ・メタルの復権の動きが見られるようになってきたことなどは、HR/HMにおける明るい話題といえよう。

まあ、こういったシーンの盛り上がりというのは周期的なものなので、またそのうち私好みのアルバムが続々とリリースされる年も来ると信じたい。正直、このような状態が長く続くと、HR/HMを聴く、ひいてはこのサイトを運営するモチベーションにも関わってきてしまうので…。


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