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WARMEN
JAPANESE HOSPITALITY
78
ジャパニーズ・ホスピタリティ (2009)

アルバム・タイトルはGUNS N' ROSESの「CHINESE DEMOCRACY」のパロディ。ヤンネ・ウィルマン(Key)のソロ・プロジェクト4作目となる本作は、前々作、前作と次第に増えてきていたヴォーカル・ナンバーが11曲中9曲と大半を占めるようになっており、インストが苦手な人間でも取っつきやすい一枚。ゲスト・ヴォーカルは、COBの同僚アレキシ・ライホ(#6)、STRATOVARIUSのティモ・コティペルト(#2)、TUNNELVISIONのマルコ・ヴァーラ(#9)、元THUNDERSTONEのパシ・ランタネン(#4, #10)といった「フィンランド人脈」で、それぞれキャッチーな曲からへヴィな曲、プログレッシヴな曲まで、楽曲の個性に合わせてキャスティングされている。ただ、今回一番フィーチュアされているのは前作にも参加していた、元NYLON BEATなるフィンランドでは人気のあったポップ・デュオの片割れで、現在はJONNA'S PROBLEMで活動するヨンナ・コソネンで(デキてるのか? …って下世話?)、日本盤ボーナスを含めて4曲に参加している彼女のポップ・フィールド出身ならではの華のある歌声が、アルバムに色を加えると同時にアルバムの印象を散漫なものにしてしまっている。無名時代のヌーノ・ベッテンコート(G:EXTREME)がギターを弾いていたことで知られるジャネット・ジャクソンの89年のヒット曲「Black Cat」のカヴァー#8はさすがに浮くだろ…。まあ結局、カヴァー曲(先述の#8、JOURNEYの#10、ROXETTEの#11)ばかりが印象に残ってしまうようなオリジナル曲のクオリティ不足が根本的な問題だと思うが。

WARMEN
ACCEPT THE FACT
74
アクセプト・ザ・ファクト (2005)

ヤンネ・ウィルマンの「本業」であるCHILDREN OF BODOMの「ARE YOU DEAD YET?」と同じタイミングで発売されたサード・アルバム。正直「ARE YOU DEAD YET?」はKeyが全く目立たないアルバムで、個人的にはガッカリさせられた。しかしその分、こちらではヤンネらしい華麗なプレイを堪能できるのだろう…と思って聴いたのだが、こちらも今ひとつ精彩を欠く仕上がり。基本的な方向性は前作を踏襲したもので、半数以上の曲がヴォーカル入りとなっている。それはいいのだが、前作まで参加していたキンバリー・ゴスの不参加を埋め合わせるかのように(?)#3、#7、#10の3曲に参加しているマルコ・ヴァーラ(Vo:TUNNELVISION)のべチャッとした歌声に華がないため、アルバムの印象まで華のない平坦なものになってしまっている。ティモ・コティペルト(Vo:STRATOVARIUS)は今回も#2、#6の2曲に参加しているが、#2はともかく、#6はおよそティモのスタイルには似つかわしくない楽曲で、彼の声の細さが強調され、ここしばらくで最も情けないパフォーマンスになってしまった。古いディスコ・ヒットのカヴァーで、COBのアレキシ・ライホ(Vo, G)が人を食ったような「歌」を聴かせている#9「Somebody's Watching Me」が本作の先行シングルだが、およそ彼らのイメージにはそぐわない曲で、余裕こいてる場合か?って感じ。#4「Roppongi Rumble」は、ヤンネなりに日本に対する愛着を表明した曲かもしれないが、本作のグダグダな仕上がりを思うと、六本木で遊んでる場合じゃないんじゃないの、って気がしてきます。

WARMEN
BEYOND ABILITIES
85
ビヨンド・アビリティーズ (2002)

ヤンネ・ウィルマン(Key:CHILDREN OF BODOM)のソロ・プロジェクト第二弾。前作はやや微妙だったものの、本作にはMy Favorite Singerであるティモ・コティペルト(Vo:STRATOVARIUS)が参加しているということで、購入。そして彼の歌う#2「Spark」を聴いてガッツポーズ。STRATOVARIUSの「S.O.S」や、「Hunting High And Low」などを思わせるキャッチーなメタル・チューンで、STRATOVARIUSのファンであれば確実に楽しめる楽曲である。もう1曲のティモが歌う#6「Singer's Chance」もプログレ・メタル風に始まり、サビで疾走するカッコいい曲で、この2曲で個人的にはCD代ぶんのモトは取れました。しかし、本作の魅力はそれだけではなく、前作に引き続きキンバリー・ゴス(Vo:SINERGY)が歌う楽曲の出来も素晴らしいのだ。#3「Hidden」はシンプルリフが引っ張るアップ・テンポのナンバーで、ほんのりロックン・ロールなノリがカッコいい(ちょっとSINERGY風?)。#7はHEARTの大ヒット・バラード「Alone」のカヴァーで、かなりオリジナルに忠実な「コピー」だが、元曲が良いので当然良い。本国フィンランドではヒット・シングルになったようだ。前作では今ひとつ印象に残らなかったインスト曲も、ネオ・クラシカル・ファン感涙の名曲#9「Salieri Strikes Back」を筆頭に、スポーツ・ニュースのハイライト・シーンのバックで使うと映えそうな#10「War Of Worlds」など、ヤンネに期待されるクオリティを満たした高品質な楽曲が揃っている。アルバムとしてはちょっと散漫だが、「作品集」として聴けば充分楽しめる一枚である。

WARMEN
UNKNOWN SOLDIER
77
アンノウン・ソルジャー (2000)

CHILDREN OF BODOMのKey、ヤンネ・ウィルマンのソロ・プロジェクト。ブックレットのメンバー・ショットを見ると、ヤンネ以外にはJOE DOAKESのサミ・ヴィルタネン(G)と、TUNNEL VISIONのミルカ・ランタネン(Dr)が収まっており、クレジットを見ると、Bは後にSTRATOVARIUSに加入するラウリ・ポラー(TUNNEL VISION)と、当時STRATOVARIUSのメンバーだったヤリ・カイヌライネンが担当、一部の曲のギターをヤンネの弟であるアンティ・ウィルマン(WISARD)が、そして当時まだCOBのメンバーではなく、SINERGYやWALTARIのメンバーとして知られていたローペ・ラトヴァラもプレイしている。基本的にはインストゥルメンタル・ナンバーを中心としたアルバムであるが、#3、#6、#12の3曲は歌入りで、キンバリー・ゴス(Vo:SINERGY)がヴォーカルを担当している。私にとってCOBにおけるヤンネのプレイはもの凄く好みのフレーズ連発で、「あの」フレーズばかりで構成されたクサクサのネオクラインストナンバーがお腹一杯聴けるのか、とこのアルバムにはかなり期待していた。たしかに疾走するリズムに乗ってお得意の速弾きが炸裂する曲から、緊張感のあるピアノ・インストまでいかにもKey奏者のソロらしい楽曲がそろっており、随所で「らしい」フレーズも飛び出してくる。しかし、集中して聴くにはいささか淡白で、物足りなさを覚えてしまうのも事実。キンバリーの歌うヴォーカル・ナンバーも、アルバムにメリハリをつける以上のものではない。うーん、期待しすぎていたのか、それともCOBにおけるクサメロはやはりアレキシから出てきているものなのか…?

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