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TO/DIE/FOR
IV
82
フォー (2005)

前作発表後、バンドのドラマーであり、アルバム制作においてはベースやキーボードもプレイし、プロデュースも手掛けていた音楽的中心人物トミ・リルマンのアル中問題に端を発するバンド内の不和が限界に達し、フロントマンであるヤーペ・ペラタロとギターの片割れであるミカ・アーティアイネンが脱退、2人で新たにTIAGAというバンドを立ち上げた。しかし、そのTIAGAかつてTO/DIE/FORに在籍していたJ.P.ステラが合流、さらにかつて前身バンドだったMARY-ANNのメンバーで、その後HIMでゾルタン・プルートという芸名でプレイしていたユスカ・サルミネン(Key)が「復帰」、NEW DAWN FOUNDATIONのリズム・セクションを引き抜き、再びTO/DIE/FORと名乗ることになった。そんな「大改造」を経ただけに、パッと聴きは以前とさほど変わらぬ「ノリノリ系ゴシック」サウンドが展開されているが、音楽的なブレーンだったトミ、そしてメタリックな要素の要だったジョナス・コトのギターの穴は大きく、楽曲のクオリティこそある程度の水準をキープしているものの、いささか類型的で個性不足な音に成り下がってしまっている。このアルバムを買う動機のひとつだったU2の「New Years Day」のカヴァーも、元が名曲だけに楽しめるが、ほぼ完コピという何の芸もない代物。そして結局Voがキモい。

TO/DIE/FOR
JADED
86
ジェイデッド (2003)

前作発表後、ツアーに疲れたという理由でJ.P.ステラ(G)が脱退。後任にトミ・リルマン(Dr)の友人だったミカ・アーティアイネンを迎えている(ただし、本作のギターはもう一方のギタリストであるジョナス・コトが一人で録音している)。基本的には前作の延長線上にある「ノリノリ系ゴシック」なサウンドであるが、前作以上に80年代テイストなKeyサウンドが大フィーチュアされていて、近年増えてきたこの手のバンドの中でも異彩を放っている。英国のニューウェーブ系ポップ・ロック・バンドであるCUTTING CREWの86年の大ヒット曲「(I Just)Died In Your Arms(邦題「愛に抱かれた夜」)」のカヴァー#2は、彼らの80年代ポップ志向を端的に表す選曲と言えるだろう。本来全く異質の音楽であるニューウェーブとHR/HMをここまで絶妙に融合し、グラマラスな夜を演出する背徳の媚薬めいた魅力的な音楽に仕上げたのは彼らが初めてかもしれない。そしてそんなスタイルの話はさておいても、単純にこの哀愁メロディの充実、楽曲としてのクオリティの高さは半端ではなく、その一点をもってしても本作をして彼らのベスト・ワークとする意見に異論の余地はない。しかしどうにもVoがキモい。

TO/DIE/FOR
EPILOGUE
83
エピローグ (2001)

前作発表後NIGHTWISHやIN FLAMESとのツアーを行なったが、そのツアー中にメンバー間に確執が発生、ベースのミカが脱退。後任にはNIGHTWISHのマルコ・ヒエタラが一旦迎えられるが、最終的には前身バンドだったMARY-ANNのオリジナル・メンバーだったマルコ・カンガスコルッカが加入している(マルコ・ヒエタラは本作のバッキング・ヴォーカルで参加)。前作にはいくつか「ゴシック・メタル」のイメージに寄り添うかのようなロー・チューニングによるヘヴィな曲も多く収録されていたが、本作ではキャッチーでノリのいい楽曲に重心を移しており、HIM、THE 69 EYES、CHARON、ENTWINE、LULLACRYなどと共に「ノリノリゴシック」と呼ばれるトレンドを形作っていくことになる。前作よりもダイレクトにニューウェーブからの影響を感じさせるKeyアレンジを多用しそのキャッチーさは前作以上。そういう意味でHR/HM的な要素はやや後退したが、楽曲の出来が良いのでそれは気にならない。その楽曲のクオリティについては、先行シングルである#3「Hollow Heart」が母国フィンランドのシングル・チャートで8位まで上昇するヒットを記録した事実に端的に表れているといえよう。ちなみにタイトル曲はシークレット・トラックで、同じリフが25分以上に渡って繰り返されるだけという代物。そういう天邪鬼なセンスといい、アートワークといい、セカンド・アルバムにして「EPILOGUE」なんてタイトルにしてしまうセンスといい、個人的にはやはりV系っぽいと感じてしまう(笑)。しかしやっぱりVoがキモい。

TO/DIE/FOR
ALL ETERNITY
84
オール・エタニティ (1999)

NIGHTWISHやCHILDREN OF BODOMを成功させ勢いに乗るフィンランドの「SPINEFARM」レーベルが新たに送り出すバンドのデビュー作。基本的にはゴシックの文脈で語られるスタイルではあろうが、いわゆるデス・メタルにルーツを持つ典型的なゴシック・メタルではなく、母国フィンランドの大人気バンド、HIMに通じる、より大衆的なロックに近いスタイルのゴシック・サウンドである。実際、中心人物であるヤーペ・ペラタロ(Vo)はLORD OF THE NEW CHURCHやSISTERS OF MERCYといったニューウェーブ期のゴシック・バンドや、DURAN DURANのようなニュー・ロマンティックからの影響を公言しており、また、このバンドの前身バンドであるMARY-ANNはR&Rバンドだった。一方でリード・ギタリストであるジョナス・コトのギター・ソロからはネオ・クラシカルのエッセンスが感じられるなど、かなりハイブリッドなバックグラウンドを持つバンドである。こうしたHR/HMとニューウェーブの掛け合わせは日本のV系バンドにも通じるセンスであり、実際デビュー・アルバムの1曲目に「Farewell」なんてタイトルの曲を持って来るとか、「Lacrimarum」なんて曲名のセンスといい、彼らの本質は日本のV系バンドに近いと思われる。とはいえその楽曲はポップとさえ言えそうなほどにキャッチーでありつつ、煽情的なギター・ソロを中心にメタル・ファンが楽しむことができる要素も充分にある。2曲にSINERGYのキンバリー・ゴス(Vo)が、 ファースト・シングルとなったSANDRAのユーロ・ディスコ・ソング「In The Heat Of The Night」のカヴァー#12にはLULLACRYのタンヤ(Vo)とCHILDREN OF BODOMのアレキシ・ライホがゲスト参加。日本盤ボーナスはPET SHOP BOYSの「It's A Sin」のカヴァー。しかしナルシスティックなVoがキモい。


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