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THUNDERSTONE
EVOLUTION 4.0
80
エヴォルーション 4.0 (2007)

今回もジャケットが今ひとつ購入意欲を刺激しないフィンランドの中堅メタル・バンド、THUNDERSTONEの4作目。中堅とはいえ、母国ではそこそこの実績を残しており、本作からの先行シングル#4「10000 Ways」はチャートの4位を記録している。実際、作曲のクオリティは安定しており、演奏もなかなか達者なもの。Voのハスキーな声質もこの手のジャンルには珍しく、個性だってないわけではない。だからこそ、基本的に過小評価されているバンドの味方である筆者的には応援したいバンドだったりもするのだが、そんな判官びいき的心情をもってしても、このバンドが「中堅」以上のポジションに行けるとはどうしても思えなくなってしまった。前作の流れを引き継ぎ、キャッチーさや疾走感を抑えて、ヘヴィさやリフのエッジを強化した本作は、ソリッドで、プログレッシヴなエッセンスも程よくちりばめられた質の高いメタル・アルバムだが、バンドとしての華のなさは致命的。#1のアグレッシヴなリフを聴いた瞬間は「おっ、今回は課題だった地味さの払拭に成功したか?」と思ったが、聴き進むとやっぱり地味でした。随所に顔をのぞかせるメランコリックなフィーリングは魅力的なんだけどなあ…。日本盤ボーナス・トラックはニック・カーショウの84年のヒット曲、「The Riddle」のカヴァー。この曲が一番印象的かも…。

THUNDERSTONE
TOOLS OF DESTRUCTION
82
トゥールズ・オヴ・デストラクション (2005)

最初に聴いたとき、「こりゃまた、随分地味になったなあ」と思った。ただ、スルメ盤っぽい雰囲気も感じられたので、すぐにレビューはせず、iPodに入れて時々何曲か聴く、という聴き方を続けていたら、案の定ジワジワ効いてきた。しょっぱなの#1からミドルの暗い曲なのだが、この曲が秘める哀感はなかなか強力。気付けば今年のベスト・チューン候補ですよ。#2や#9のように疾走する曲もあるが、それよりもむしろミディアムの楽曲が充実、ファーストの頃の典型的なメロディック・スピード・メタルぶりからは想像もつかないことになっている。サウンドも人工的なキラキラ系メロスピサウンドから脱却、生々しさと荒々しさを感じさせる音になっているが、パシ・ランタネンのややハスキーな声がまたその方向性によくマッチしていて、ついに「自分たちの音」を確立した感がある。誤解を恐れずに言えば、骨太な「ロックらしい」音になった。正直、メロディック・パワー・メタル・ファンには地味だろうと思うので点数はこんな感じだが、僕自身は点数以上に気に入っている。どの曲にも息づく、暗く冷ややかな渋めの哀愁がボディ・ブローのように効いてくるよ。日本盤ボーナス・トラックの#11はDIOのカヴァー。しかしこのバンド、毎回ジャケットが購買意欲を刺激しないなあ…。日本で売れないのはそのせいじゃないの?

THUNDERSTONE
THE BURNING
85
ザ・バーニング (2004)

現在ヨーロッパのメタル・シーンを牽引するレーベルNUCLEAR BLAST期待の新人としてデビューし、実際ドイツのROCK HARD誌では最優秀新人に選ばれるほどの高い評価を獲得した彼ら。しかし日本では「STRATOVARIUSクローン」という先入観から思ったような成功を収めることができなかった。2作目となる本作では、STRATOVARIUSの影を振り払うかのように、ヘヴィなミドル・テンポの「Until We Touch The Burning Sun」(スロウなパートから爆発するかのように始まるヴァースがカッコいい!)からアルバムがスタート。続く#2はキラキラ系メロスピファン悶絶必至の疾走曲、「Break The Emotion」。哀愁をたたえつつもキャッチーな#3「Mirror Never Lies」に続く#4はこれまた失禁必至の切迫感あふれる高速疾走チューン「Tin Star man」。この流れで個人的にはガッツポーズでしたね。もともと曲作りに関しては高い実力を示していたバンドだが、本作ではフックに磨きがかかり、アルバム最後まで緊張感の続く作品に仕上がっている。日本盤にはボーナス・トラックが6曲も収録されているが、METALLICAの「Welcome Home」、およびMANOWARの「Heart Of Steel」のカヴァーはいいとして、前作収録曲のデモ音源3曲は明らかに蛇足。

THUNDERSTONE
THUNDERSTONE
84
サンダーストーン (2002)

BURRN! 誌上において「あまりにSTRATOVARIUSそのままで笑ってしまった」というレビューを書かれてしまったために、「STRATOVARIUSのパクリバンド」という評価に甘んじることになり、日本では正当な評価を得られなかったアルバム。確かにKeyをフィーチュアしたメロディック・スピード・メタルという基本的な方向性は同じだし、ミックスに使用しているスタジオが同じこともあり、サウンドの感触も似ている。シングルカットされた#2「Virus」のように、keyを活かしたキャッチーな曲作りにおけるソツのなさも相通じるものがある。しかし、シンガーの声質によるところもあると思うが、彼らの方がより逞しく、剛直なメタルという印象があって、個人的にはこれでSTRATOVARIUSクローン呼ばわりされるのであれば、SONATA ARCTICAだってそうだ、と思ってしまう。とにかくこのバンドは曲作りがこなれていて、どの曲も安心して聴くことができる。むろん演奏力にも全く不安はない。逆にあまりに出来が良すぎて優等生っぽい所が欠点というのは贅沢な話かな。ティモ・トルキのゲスト参加が「公認」のような印象を与えてしまうのは、果たしてプラスなのかマイナスなのか。

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