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SKYLARK
FAIRYTAILS
60
フェアリーテイルズ (2005)

クサメタラー達の間限定での「話題作」だった「GATE OF HELL」、「GATE OF HEAVEN」に続く、「DIVINE GATES」シリーズの完結編となった前々作「THE PRINCESS DAY」、疾走感を抑えて新たな展開を図ったという前作「WINGS」の2枚は、クサメタラーの間でさえ話題にならなかったのでスルー。本作も当初購入予定はなかったのだが、本作発表に伴う来日をもってツアー活動停止という話を聞き、「話のネタに一度観に行く前に予習するか」と思って買ってみた。…が、以前より退化してるんですけど、この人たち(苦笑)。まず何より、前作から加入した本職はファッション・モデルだというキアラ嬢のVoがあまりにも素人臭くて、聴いていて辛い。そして彼女の力量に合わせてプレイするように言われてキレたDrが脱退した結果、本作のドラムは、ドラムマシンもビックリのセンスの悪さ。さらにジョージ・マリノを起用した意味が全くない奥行きのないサウンドもあいまって、楽曲のスケール感が完全スポイルされている。マイク・オールドフィールドの名曲カバー「Moonlight Shadow」も、相変わらず壮絶につまらないギターと下品な男声コーラスが雰囲気を台無しに。申し訳ないがこりゃマジで学園祭バンドのレベル。10年近くやってこのレベルならたしかに他の仕事探したほうがいいかもね…。余談だが、なぜか2枚も付いてきた特典のキアラ嬢トレカを見て、天下のGIVENCHYが起用するほどのルックスでもないような気がしてしまったのは私だけでしょうか…?

SKYLARK
GATE OF HEAVEN
76
ゲート・オブ・ヘヴン (2000)

タイトルどおり、前作「GATE OF HELL」と対を成す、「DIVINE GATES」シリーズ第2章。前作がなかなかどうして素晴らしかったため、期待に胸躍らせて聴いたが…アレ?って感じ。前作からの続編であることを感じさせるやや唐突なSEで始まる#1のイントロから大仰なKeyが鳴り響き、例によってパタパタと軽〜いドラム音で高速疾走開始! なのだが…。無論同時期に制作された作品だけに、基本的な音楽性・演奏力・音質は同じ。しかし、なんかメロディが全体的に淡白で、ドラマティックなアレンジも疾走感も今ひとつ心に響いてこない。単に曲の出来が前作に及んでいない、と言ってしまえばそれまでだが。とりあえず、#3「Lady Of The Sky」は10分超、#7「The Heaven Church」は12分超と、果敢に大作に挑む姿勢は買いたいが、このギターのつまらなさはどうにかならないのだろうか。SKYLARKの音楽の魅力の7割を担っているエディ・アントニーニのKeyも、これまでも「クサい」と「ダサい」の紙一重ギリギリのプレイだったが、ロブ・タイラント(Vo:LABYRINTH)が参加している#6「The Guardian Angel」のイントロは「ダサい」を通り越して「マヌケ」のような気がするよ…。オラフ・トーセン(G:LABYRINTH / VISION DIVINE)も数曲にギターで参加している。

SKYLARK
GATE OF HELL
85
ゲート・オブ・ヘル (1999)

私のSKYLARK初体験アルバム。この日本人にはファミリーレストランしか想起させないバンド名を持つバンドの存在を知ったのは、2ちゃんねるのメロディック・スピード・メタル・スレッドだったか、かの伝説的メタル・サイトMOONMADNESSが先だったか、既に記憶が曖昧である。いずれにせよ、狂信的な絶賛と、凄まじいまでの叩きが交錯する、毀誉褒貶の極端なバンドという印象だった。私自身の嗜好を考えると、実は結構イケるのではないかと思いつつも恐る恐る聴いてみると…案の定、見事にハマりました(笑)。たしかに噂どおりハイ・トーンVoは危なっかしい。サウンドも軽い。演奏も上手いとは言いがたい。だがどうだ、このドラマティックな展開、気恥ずかしくなるほどに叙情的なメロディは。イントロに続く2曲目から4曲目までどれも7〜9分台の大作が並ぶが、どれも絶品の展開がクサメタラーの耳を引き付けて離さない。#2の間奏パートとかたまらんねマジで。そして#9「Why Did You Kill The Princess」の、ただでさえ速いこの曲がさらにスピードアップしていくパートにおける、ピアノによるクライマックス感でエクスタシー。正直、総合的なクオリティを考えると、このアルバムに80点以上付けることに忸怩たる思いがないわけではないが、このクサメロの煽情力は人ひとり(JINさん)の人生を狂わせてしまったのも頷ける、麻薬的な魅力を放っている。まさに悶絶!

SKYLARK
DRAGON'S SECRET
63
ドラゴンズ・シークレット (1998)

謎だ。何故このアルバムが日本盤リリースされたのか。しかもメルダックなどという人間椅子を除けばおよそHR/HMとは縁遠いレーベルから。そして最大の謎は、決して大きくはない近所のGEO(レンタルショップ)にこのCDが置いてあったことである。閑話休題。イタリアのシンフォニック・メタル・バンドのフル・アルバムとしては初の作品(EPのリリース経験あり)。イタリアのシンフォニック・メタルというとすぐに想起されるのが前年にデビューした「イタリアの奇跡」RHAPSODYであるが、彼らを月とすると、このSKYLARKはまさにスッポン。#1のクラシカルかつ叙情的な、物悲しいイントロで掻き立てられた期待を一瞬で粉砕する#2の風情のないギター・サウンドと弱々しいハイトーンの情けないシャウト。これで萎えました。細〜いハイトーンVoや軽〜いサウンド・プロダクションは長年メロスピのファンをやってきたのである程度耐性があるのだが、この「速弾きばかり練習してリズム・ギターを全然練習してませんでした」って感じのギターや、センス皆無なのにやたらと手数ばかり多いドタバタしたドラムは、さほど演奏のクオリティにうるさくない僕でも正直かなりしんどい。とりあえず全体に未整理ながら、曲がりなりにも20分を超える大作を構築してみせるドラマティックな曲展開や、Keyのクサいフレージングには心惹かれるものがある。しかし、おそらくこのキーボーディストが鍵盤メインの打ち込みインストゥルメンタル音楽を作った方が、このアルバムよりも魅力的な音楽に仕上がるのではないだろうかと思えてしまったことは、メタル・バンドとしては致命的かも。

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