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SILVER MOUNTAIN
BREAKIN' CHAINS
77
ブレイキン・チェインズ (2001)

かなり前から噂になっていたSILVER MOUNTAINの再結成アルバム。本格的な活動再開を前提とした再結成というわけではなく、あくまでファンの要望に応える形でのリリースであり、本作収録曲の半数に当たる#1から#7までの楽曲は初期のマテリアルで、#4、#7はそれぞれ彼らが最初にレコーディングしたデモのそれぞれA面・B面であり、それ以外の楽曲もブートレッグとして出回っている、マニアには知られた楽曲ばかりだ。ヨナス・ハンソン(G, Vo)は、SILVER MOUNTAIN解散後、渡米しALCATRAZZ再結成プロジェクトの流れから誕生したJONAS HANSSON BANDで3枚のアルバムを制作、さらに「CLASSICA」と題されたインスト・アルバムを発表するかたわら、レコーディング・エンジニアとして活動、パー・スタディン(B)は90年代にSNAKE CHARMERなるバンドで2作のアルバムを発表、現在はレコード・レーベルの運営に携わっており、そしてアンダース(Dr)とイェンス(Key)のヨハンソン兄弟はそれぞれHAMMERFALLにSTRATOVARIUSとメタル・シーンの第一線で活躍しているため、レコーディングは一堂に会することなく、音源のやり取りによって断片的に行われたようだ。しかし、ここで聴かれる音は演奏力と音質こそ大きく向上しているものの、紛うことなく初期SILVER MOUNTAINのそれで、当時のファンであればノスタルジーで胸がいっぱいになることだろう。ただ、本作に収められた楽曲がノスタルジー以上の何かを提供するほどのクオリティを有しているかというとやや疑問で、北欧メタル史上における伝説的な名前に惹かれて本作を手に取った若いファンの期待に応えるものだとは思わない。

SILVER MOUNTAIN
ROSES & CHAMPAGNE
84
ローゼズ・アンド・シャンペイン (1989)

前作発表後、85年に日比谷野外音楽堂で行われた『ジャパン・ヘヴィ・メタル・フェスティヴァル』というイベントのスペシャル・ゲストとして来日公演が実現。86年にはそのときのライヴを収録した「HIBIYA-LIVE IN JAPAN '85」を発表したものの、その後情報が途絶え、解散したかと思われていた89年に自主レーベルの「Hex Records」から(日本盤はファンハウスから)リリースされたサード・アルバム。コア・メンバーであるヨナス・ハンソン(G, Vo)とペア・スタディン(B)、前作ではゲスト扱いだったエリック・ビヨルン・ニールセン(Key)以外のメンバーは変わっており、Voはヨハン・ダールストロム、Drはキエル・グスタフソンなる人物になっている。本作で聴かれる音楽性は、前作までに比べると大幅にキャッチーさを増しており、Voの声質の甘さ(音程も甘いが…)もあって、ハード・ポップ的な印象を与えることから、リリース当時、硬派な北欧様式美原理主義者たちから批判もあったようだ。しかし、個人的には本作こそが彼らの最高傑作で、歌メロ、ギターのフレーズ共に過去最高にメロディアス、「甘く切ない」という形容がピッタリのメロディのクサさはまさに絶品。#1冒頭をヴァイオリンのピチカートからスタートすることに象徴されるヨナス・ハンソンらしいクラシカルなセンスが楽曲を欧州趣味溢れるドラマティックな印象に仕立てており、単なるハード・ポップとは一線を画している。特に#1のギター・ソロの組み立ては不朽と言っていい仕上がり。#3と#8でヨナス・ハンソンが歌わなければなお良かったのだが…(苦笑)。

SILVER MOUNTAIN
UNIVERSE
78
ユニヴァース (1985)

前作発表後、自腹で欧州ツアーを敢行。しかし、当時アメリカで活動し、世界的な注目を集めつつあったイングヴェイ・マルムスティーンからの誘いを受け、アンダース(Dr)とイェンス(Key)のヨハンソン兄弟が脱退。スウェーデンの首都ストックホルムでオーディションを行ない、専任Voとしてクリスター・メンツァー、Drにフランス人であるマールテン・ヘデナーを迎え入れる。また、正式メンバーではないものの、ゲスト・プレイヤーとしてエリック・ニールセン(Key)を迎えて制作されたセカンド・アルバム。前作の弱点だったサウンド・プロダクションも、METALLICAが「RIDE THE LIGHTNING」のレコーディングに使用したデンマークの「Sweet Silence Studio」で録音され改善されているし、新Voも、個性は薄いものの北欧メタル向きのクリアな歌声の持ち主で、パッと聴きのクオリティを大きく向上させている。Voの歌唱力が向上したためか、歌メロは前作より練り込まれているし、手数は多いがリズム感の悪いアンダース・ヨハンソンから、堅実にリズムをキープするDrに変わったことで、曲中の「遊び」は薄くなったが、安定感が増した。イェンスの超絶Keyプレイがなくなったのは残念ながら、ヨナス・ハンソンのギターは相変わらず魅力的なクラシカル・フレイバーを放っている。トータルな完成度の点から前作より本作を高く評価する向きも多いが、個人的には荒削りな部分に強烈なインパクトがあった前作に比べると、本作はやや小さくまとまっているきらいがあり、時の洗礼を受けてなお輝きを失っていないかというと、やや微妙。

SILVER MOUNTAIN
SHAKIN' BRAINS
75
シェイキン・ブレインズ (1984)

EUROPE、イングヴェイ・マルムスティーンなどと共に北欧メタル創生期を代表するバンドで、アンダース・ヨハンソン(Dr:元RISING FORCE, 現HAMMERFALL)、イェンス・ヨハンソン(Key:元RISING FORCE, 現STRATOVARIUS)を輩出したこともあり、極めてカルト的、だからこそ伝説的な存在となっているSILVER MOUNTAINの、伝説のデビュー作。78年にスウェーデンの都市マルメでヨナス・ハンソン(G, Vo)を中心にDEEP PURPLEやRAINBOWなどのカヴァー・バンドとしてスタート(バンド名の由来はRAINBOWの楽曲だ)。81年に現在のラインナップになり、83年に当時オランダの新興レーベルだった「ROADRUNNER」との契約を獲得、84年に本作が発売された日本で特に高い評価を得た。私は後追いとして伝説に触れたクチだが、当時高校生だった私にはこのチープ極まりない録音、不安定なヴォーカルは「負の衝撃」だった。楽曲も、当時私がイメージしていた「北欧」のイメージに対してはいささか荒々しい印象で、正直失望したことを覚えている。唯一、イェンス・ヨハンソンの弾きまくりのKeyだけは単純に「凄い」と思えたが…(特に#6のエンディングにおけるピアノ・ソロは鳥肌モノ)。しかし、後になって耳が鍛えられた(?)後に聴いてみると、なかなか印象に残っているメロディも多く、何よりヨナス・ハンソンのギターが振りまくクラシカル・フレイバーは、いわゆるイングヴェイ型のネオ・クラシカル型ギタリストのそれとは異なる独特の風情をたたえており、かなり魅力的。とはいえ、HR/HM初心者が聴くにはかなり厳しいクオリティであることは確かで、サウンド・プロダクションでマイナス5点、ヴォーカルでマイナス5点でこの点数かな…。

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