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SERENITY
WAR OF AGES
87
ウォー・オヴ・エイジズ (2013)

前作のツアーにおいて女性Voパートを担当した、フランスのシンフォニック・メタル・バンドWHYZDOMのクレモンティーヌ・ドロネイを正式メンバーに迎えて発表された通算4作目のフル・アルバム。新Voの加入の一方、Key奏者のマリオ・ヒルジンガーが脱退しているが、本作においてはトーマス・ブッフベルガー(G)とプロデューサーであるオリヴァー・フィリップス(EVERON)がその穴を補っている。女性Voが加入したといっても、多くの楽曲におけるメイン・ヴォーカルは依然ゲオルグ・ノイハウザー(Vo)であり、クレモンティーヌはあくまでも音楽世界における「彩り」と「広がり」を加える存在として機能している。音楽性自体は前作におけるシンフォニック・メタル路線をさらに推し進め、初期に存在したプログレッシヴ・メタル的な要素はほぼ消滅。女性Voの絡め方などから考えても、完全にKAMELOTフォロワーになったと言っても過言ではないだろう。しかし、フォロワーとはいえそのクオリティは侮り難く、個人的にメロディの充実に関しては本家に匹敵、あるいは凌駕しているとさえ感じる。前作同様、欧州の歴史をテーマにドラマティックかつシンフォニックなサウンドを展開しており、何も知らない人が聴いてもヨーロッパのバンドと言われて納得しそうな音楽と言えよう。おしなべて楽曲の質も高く、中でも#5や#9はキメ曲と呼べるだけのインパクトがある。個性はともかく、音楽の質についてはもっと評価されていいバンドだ。

SERENITY
DEATH & LEGACY
86
デス・アンド・レガシー (2011)

幻想美溢れるメロディック・プログ・メタル(造語)サウンドで、個人的にはかなり期待しているオーストリア出身バンドのサード・アルバム。前作からBが脱退し、本作ではギタリストがベースもプレイしている。音楽的には、これまでの作品にもましてシンフォニックなアレンジが強化されており、前作までの印象が「KAMELOT+SONATA ARCTICA」だったとしたら、本作は「KAMELOT+DARK MOOR」といった感じ。従来に比べプログレッシヴな要素はやや控えめで、これまで以上に叙情性を重視した方向性と言えるだろう。前作でスパイス程度に使用されていたデス声も撤去され、女性Voを多用しているのも、その方向性ゆえか。ちなみに参加している女性Voの顔ぶれは#3と#6にSIRENIAのアイリン、#8にAVANASIAなどで知られるアマンダ・サマーヴィル、#10にDELAINのシャルロット・ウェッセルズと、欧州メタルのマニアであればご存知であろう顔触れ。先達のKAMELOTやDARK MOOR同様、「本格感」の増加につれて「キャッチーさ」は減じている感もあるが、楽曲がコンパクトでVoの声質が甘いこともあって未だ「とっつきにくい」域には達しておらず、本作はかなり絶妙なバランスの上にある。キメ曲こそないものの、コロンブスやカサノヴァ、ドレイク、エリザベスI世など、歴史上の人物をモチーフにしたという各楽曲のクオリティは、#11、#14という日本盤ボーナス・トラックも含め、既にこの手のバンドの中でもAクラスと言っていい充実度。美的メタル(造語)愛好家なら必聴かも。


SERENITY
FALLEN SANCTUARY
85
フォールン・サンクチュアリ (2008)

前作がマニアの間で好評を博したオーストリア出身のプログレッシヴ・メタル・バンドのセカンド・アルバム。コーラスのアレンジについては同郷のEDENBRIDGEのランヴァルに、オーケストレーションについてはドイツのポンプ/プログレッシヴ・ロック・バンドEVERONのオリヴァー・フィリップスに協力を仰いだというだけあって、分厚くなったコーラス・アレンジとオーケストレーションがサウンドに奥行きを生み、A級バンドに匹敵するスケール感を感じさせる。プログレッシヴ・メタルを基本としつつも、メロディ、特に歌メロが充実しているため、むしろSONATA ARCTICAやKAMELOTのようなバンドを引き合いに出される彼らだが、本作でもマイルドでちょっぴりナルシスティックなゲオルグ・ノイハウザー(Vo)の歌声によって紡がれるメロディは非常に美しく、ピアノやオーケストレーションによる劇的なアレンジと相まって、広くメロディックな音楽を愛する人にオススメできる作品に仕上がっている。時折挿入されるデス声もいいアクセントになっている。単体としての歌メロとしては前作の方が印象的なフレーズが多かったようにも感じるし、キメ曲といえるほどのキラー・チューンはないが、全体的に高品質で、オーストリアならではの(?)気品に満ちた幻想的な一枚。こういう音好きだなぁ。

SERENITY
WORDS UNTOLD & DREAMS UNLIVED
82
夢言 (2006)

オーストリア出身5人組のデビュー・アルバム。ジャンル的にはプログレッシヴ・メタルということになると思うが、このバンドの良い所は耳なじみの良さ。「元祖」であるDREAM THEATERの影響であろうが、この手のバンドはスラッシュ・メタル的とさえいえる鋭角的なギター・リフを使用することが多く、さらに知的なイメージ作りのためかメロディ・ラインも往々にしてダークで、取っつきにくいことが多い。そして実際このバンドにもそういったヘヴィなリフは頻繁に登場するし、メロディだって決して明るくはないのだが、マイルドな声質のシンガーによって歌われるメロディが時に北欧メタルを思わせる叙情性を帯びていて、なんとも心惹かれる。特に#2、#5、#6あたりのメロディはかなり耳に残る。所属がゴシック・メタルに強い「Napalm Records」ということで、アートワークはそれっぽい耽美的なものだが、そのアートワークが相応しいと思わせる美的なサウンドを奏でている。FINNVOXスタジオでマスタリングされたクリアなプロダクションも、人によっては「軽い」と感じるかもしれないが、この音楽には合っている。同郷の先達バンド、EDENBRIDGEのランヴァル(G)が#6と#10にゲスト参加。

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