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RIOT
IMMORTAL SOUL
85
イモータル・ソウル (2011)

2009年に名盤の誉れ高い「THUNDERSTEEL」で歌っていたトニー・ムーアを復帰させ、『8808 THUNDERSTEEL REUNION』と銘打ったツアーが行なわれた。その来日公演で披露された#4「Wings Are For Angels」の強力な仕上がりによって期待されていたリユニオン・アルバムであるが、トニー・ムーアが一時離脱するなどのトラブルがあり、本作のリリースまで私を含むファンはかなりやきもきさせられた。そしてリリースされたこのサウンドは、恐らく多くのファンが彼らに望むものに近い仕上がりである。デビューから30年以上の歳月を経て、初めて自らのバンド名を冠したオープニング・チューン#1「Riot」のイントロのフレーズを聴いた瞬間、オールド・ファンはガッツポーズだろう。そのダイレクトに名曲「Thundersteel」を思わせる曲調は、未だ衰えを感じさせないトニー・ムーアの強力なハイトーンによって、RIOT健在を強く印象付ける楽曲となっている。とはいえ、単なる「THUNDERSTEEL」のセルフコピーにとどまらず、初期のガイ・スペランザ在籍時から、マイク・ディメオが歌っていた時期も含む各時代のRIOTサウンドのエッセンスがアルバム全体にちりばめられており、彼ら独特の叙情センスが堪能できるアルバムに仕上がっている。「THUNDERSTEEL」ほどのテンションや煽情力には欠けるものの、トニー・ムーアの歌唱も味わいを増しているし、彼らに思い入れのあるファンであれば感慨深い一作である。彼らの不屈の魂に敬意を表して1点オマケ。


RIOT
ARMY OF ONE
82
アーミー・オブ・ワン (2006)

ロクにツアーもできないバンド状況のため、マイク・ディメオ(Vo)は、前作でドラムをプレイしたボブ・ロンディネリのバンドTHE LIZARDに掛け持ちで参加することになり、ツイン・ギターの片割れマイク・フリンツは元RIOTのトニー・ムーア(Vo)とFAITH AND FIREを結成、ベースのピート・ペレスは再結成LEATHERWOLFに参加、そして本作でDrをプレイするのはVIRGIN STEELEのフランク・ギルクリーストと、中心人物であるマーク・リアリ(G)以外は全て「掛け持ち」メンバーとなってしまったRIOT。本作が前作から4年のインターバルを要してしまったのは、こうしたバンド内の問題が原因だろう。何しろ本作の前年に唐突に行なわれた来日公演でVoを務めていたのはマイク・ティレリ(MESSIAH'S KISS)という有様であるから(マイク・ディメオがTHE LIZARDでツアーに出ていたため)、バンドの状況がどれほど不安定なものであったかは推して知るべし、である。しかし、以前から「逆境に強い」と言われてきただけあって、本作の出来のよさはちょっと意外なほど。覇気に欠ける仕上がりだった前作に比べ、かなり活気があり、(彼らにしては)サウンドが良好なこともあって、#1、#7のようなパワー・メタリックな曲にも若々しい勢いがみなぎっている。(皮肉な話だが)THE LIZARDでツアーを重ねたためか、マイク・ディメオのVoもこれまでになく力強く、パッと聴きのB級っぽさが薄れているのも好印象。バンドの状態とは裏腹に、ベテランならではの安定感を感じさせる一枚。

RIOT
THROUGH THE STORM
78
スルー・ザ・ストーム (2002)

前作から3年のインターバルを挟んで発表された、再結成後7作目となるアルバム。これだけインターバルが長くなったのは、HALFORDに参加することになったボビー・ジャーゾンベク(Dr)が復帰できるタイミングを計っていたためだが、結局ボビーのスケジュールは空かず、本作ではRAINBOWやBLUE OYSTER CULTなどとの仕事で知られるベテラン・ドラマーのボブ・ロンディネリがゲストとしてプレイしている。本作は、再結成後のパワー・メタル色の強い作風から一転し、RIOTの本質(と勝手に思っている)である「ブリティッシュHR/HMのアメリカ的解釈」といった感じの仕上がりになっており、パワーやスピードは控えめのややおとなしい仕上がり。一部Voにエフェクトをかけた#8などが若干の新鮮味を醸し出すものの、基本的には非常にオーソドックスなHR/HMで、UFOのカヴァーである#10「Only You Can Rock Me」の収録や、BEATLESの「Here Comes The Sun」をインストにアレンジした#12で幕を閉じるアルバム構成なども含め、70年代からHR/HMを聴いてきたようなオヤジメタラーに受けそうな雰囲気である。残念ながら90年代になってからHR/HMを聴き始めた私のような人間には少々地味なのだが、無理してパワー・メタルを演じているような感のあった前作より印象は良い。マーク・リアリが89年にテキサスで撮った写真を使用したというアートワークは、ロゴデザインも含めてバンド史上最もマトモなのでは。

RIOT
SONS OF SOCIETY
77
サンズ・オブ・ソサエティ (1999)

前作がヨーロッパ市場でもまずまず好評を博したことを意識したのか、この頃ヨーロッパで人気を拡大しつつあったピュアなパワー・メタル路線に焦点を当てたアルバム。ジャケットもRHAPSODYやSONATA ARCTICAなどを手掛けたエリック・フェリッペによるファンタジックなものになっているのも欧州攻略にかける気合の現れか(そして何気に、かつてRIOTのアルバムのジャケットに必ず登場していた謎のアザラシ?が復活している)。シタールの音色を使用したエキゾチックなイントロ#1に続く#2「On The Wing Of Life」からRIOT流メロディック・スピード・メタルが炸裂。短めに設定された曲間で畳み掛けるように勢いのあるメタル・チューンが続く構成は悪くないし、RIOTならでは煽情的なリード・ギターも随所で聴ける。#7「Dragonfire」などはタイトル通り(?)、メロスピ・ファン大喜びの疾走チューンである。しかし、前作のレビューでも指摘したように、マイク・ディメオのVoや、バンド独特のオールド・ファッションなギター・サウンドはパワー・メタル向きとは言いがたく、特に昨今欧州を中心に良質のパワー・メタル・バンドが増えてきたため、正直このアルバムの音は刺激に欠けると言わざるを得ない。彼らの持ち味である独特の叙情性を活かしたアルバム制作を望む。

RIOT
INISHMORE
82
イニッシュモア (1997)

前作のプロダクションを巡る問題をきっかけに、デビュー以来所属してきたマネージメントを離れ心機一転となったアルバム。日本でも長年所属してきた「Sony」を離れ、ゼロ・コーポレーションからのリリースに。移籍効果か、先行シングルなどという「Sony」時代には考えられなかったものまでリリースされました。ドラマーにボビー・ジャーゾンベクが復帰して制作されたアルバムは、19世紀に起きたアイルランドの大飢饉に関する物語を描いたコンセプト・アルバムで、オープニングをはじめ、アルバムの端々にケルト風のメロディがフィーチュアされている。ゲイリー・ムーアもプレイしていたアイルランドの伝統曲「ダニー・ボーイ」のカヴァーを含む#10〜#12の「Irish Trilogy」はそれが効果的に活かされた叙情的な逸品。全体的には叙情味が強くウエットな仕上がりだった前作に比べ、かなりパワー・メタル色が強まっており、#2「Angel Eyes」がかの「Thundersteel」にそっくりなのをはじめ、(一本調子な部分も含めて)「THUNDERSTEEL」アルバムを思わせる勢いがアルバム全編に漲っている。ただ、マイク・ディメオのソウルフルなヴォーカル・スタイルや、RIOT独特の温もりと丸みのある軽めのギター・サウンドはパワー・メタル向きとは言いがたく、楽曲の魅力が十全に引き出されているとは思えない。総じて楽曲のクオリティは高く、METAL BLADEからリリースされたヨーロッパでもセールス的に健闘したようだが、個人的にはもっとエッジの利いたサウンドであれば、プラス3点は堅いのに、という惜しい気持ちになってしまうアルバムです。バッキング・ヴォーカルにトニー・ハーネル(元TNT)、ダニー・ヴォーン(元.TYKETTO)が参加。


RIOT
THE BRETHREN OF THE LONG HOUSE
83
ブレズレン・オブ・ザ・ロング・ハウス (1995)

映画「ラスト・オブ・モヒカン」にインスパイアされて制作されたアルバム。完全なコンセプト・アルバムではないということだが、映画のテーマ曲をアレンジしたイントロおよびエンディングといい、実際にはほぼそう呼んでもおかしくない内容である。物語のテーマゆえであろうか、アルバム全体にウエットなムードが漂い、RIOTの持つ叙情性が最大限に引き出された素晴らしいアルバムに仕上がっている。イントロに続く#2「Glory Calling」はALCATRAZZの「Jet To Jet」を思わせるカッコいい疾走曲だし、#3「Rolling Thunder」や#5「Wounded Heart」、#10「Ghost Dance」、#12「Holy Land」も叙情的なメロディが利いた素敵なメタル・チューン。彼らの場合、こういった叙情的なメタル・チューンを演っても、ヨーロッパのバンドのようにイモ臭くならないのがNY出身ならではの都会的なセンスのなせる業。#4「Rain」、#8「Santa Maria」、#11「Shenandoah」のような雰囲気のある曲がコンセプト・アルバムとしての完成度を高めている。本作の最大の弱点はプロダクションで、バンドに対する情熱を失ったマネージメントがメンバーを立ち会わせることなく行なったミックスはデモ・テープ並みのお粗末さで、後に訴訟問題となった。これで音質がよければプラス3点は堅いんだけどな…。リミックス&リマスター希望。ちなみにドラムがかつてTNTなどでプレイしていたジョン・マカルーソに交代している。

RIOT
NIGHTBREAKER
84
ナイトブレイカー (1993)

トニー・ムーア(Vo)が脱退し、当初Key奏者として加入する予定だったマイク・ディメオがヴォーカルを務めることになって発表されたニュー・アルバム。本国ではメジャーからドロップしたものの、日本では引き続きソニーからリリースされた。冒頭を飾る「Soldier」はかの有名なメタル評論家の伊藤政則氏に、3曲目に収録されているDEEP PURPLEの有名曲のカヴァー、「Burn」はBURRN!誌に捧げられている。世界的に成功しているバンドであればともかく、彼らのように日本でしか相手にされていないバンドがこういうことをすると単なる「媚び」に見えてちょっと興醒め。しかも伊藤政則氏がその「Soldier」をBURRN!誌の年間ベスト・チューンに選出していたりするのがまた興醒めに拍車をかけた。てなことはさておき、音楽的にはまさにRIOT節といえるメロディックなメタル・チューンが揃っており、ファンであれば安心して聴けるアルバム。中でもタイトル曲である#5「Nightbreaker」はメロディック・スピード・メタル・ファン必聴の名曲(この曲を1曲目にすればよかったのに…)。メジャー落ちした影響か音質がやや軽いのが玉に瑕だが、楽曲の質は高い。ただ、前出の「Burn」以外に、PROCOL HALMの「Whiter Shade Of Pale(邦題:青い影)」などベタベタの有名曲のカヴァーの他、セルフ・カヴァーである「Outlaw」まで収められ、そのカヴァー曲の多さはちょっと気になる。ジャケットはリリース元によって3種類あり、収録曲も微妙に異なる。ここに掲載しているのはMETAL BLADE盤のもの。

RIOT
RIOT IN JAPAN-LIVE!!
74
ライオット・イン・ジャパン-ライヴ !! (1992)

来日公演における興奮の余韻もすっかり冷め切った、妙なタイミングで発表された日本限定のライヴ・アルバム。前2作がアメリカではさっぱり売れず、CBSから契約を切られるなど、いろいろな問題があったためにこういうタイミングになったようだが…。内容は2トラックのDATで録られた、ほとんどブートレッグのような代物で、プレイのミスなども修正されず、ある意味非常に生々しいライヴ盤である。前作収録の「On Your Knees」などを聴くと、こうしてホーンなしで聴いても全く違和感がないというか、むしろソリッドでカッコよくなっているのを聴くと、やはり前作に果たしてホーンは必要だったのか、という疑問が去来してしまう。トニー・ムーアはここでも恐るべき高音域を随所で披露しているが、その歌唱は一本調子で、むしろその高音を持て余して、無駄に金切り声を振り回しているような印象も。まあ、トニーの歌う過去の名曲、「Warrior」や「Outlaw」などが聴けるという意味で貴重な一枚ではあるものの、コア・ファン向けのアイテムであることは間違いない。ちなみにジャケットは日本制作で、恐らく「THUNDERSTEEL」と同じモチーフで制作されたと思われるが、ハッキリ言ってこっちのほうがはるかにカッコいい。

RIOT
THE PRIVILEGE OF POWER
84
プリヴィレッジ・オブ・パワー (1990)

新生RIOT第二弾にして、バンド初のコンセプト・アルバム。本作は多くのRIOTファンに問題作として受け止められた。その原因は2つあり、ひとつはコンセプト・アルバムの演出として各曲をSEがつないでいるのだが、このSEが妙に長く、全体として間延びした印象になってしまっていること。ふたつめは、ホーンの導入。本作では#4「Killers」のようなファンキーで実験的な曲だけでなく、前作の流れを汲むメロディック・スピード・メタル・チューン#2「On Your Knees」のような曲にも使用されており、ファンに違和感を与えてしまった。ただし、そのホーンもそんじょそこらのホーン・セクションではなく、ランディ・ブレッカーやTOWER OF POWERといった超一流のプレイヤーを迎えており、その他にも元RAINBOWのジョー・リン・ターナー(Vo)をゲストに迎えるなど、RIOT史上最も人件費をかけて制作された作品である。楽曲の面でも、ジョーが歌うファンキーな#4以外にも、バラードの#3「Runaway」、ポップと言っていいほどメロディアスな#7「Maryanne」、彼らにしては珍しくややアメリカンな#8「Little Miss Death」、そしてなんとアル・ディ・メオラのカヴァーである#10など、バラエティに富んだ楽曲が揃ったカラフルなアルバムになっている。とはいえ、基本となるのは#2や#5、#6、#9といったメロディックなメタル・チューンであり、決してファンを失望させるような作品ではない。むしろプロダクションを含め、バンド史上もっともメジャー感溢れる力作である。

RIOT
THUNDERSTEEL
88
サンダースティール (1988)

70年代後半から日本では高い人気を持っていながら、メンバー・チェンジや契約問題によって実質解散の憂き目に追い込まれていたRIOTの復活作。とはいえ、オリジナル・メンバーは中心人物であるマーク・リアリ(G)ただ一人で、そういった意味では「新生」RIOTのデビュー・アルバムという見方もできる。音楽性も、日本人好みの独特な叙情性こそ健在ながら、基本的には「ハード・ロック」だった以前と異なり、パワー・メタルと呼んでも過言ではないほどアグレッシヴになったそのサウンドはもはや別バンドである。とりあえずスタイルの変化はさておき、そのクオリティであるが、これが素晴らしい。トップを飾るタイトル曲の「Thundersteel」にしてからがもはや神曲。その攻撃的なリフと強烈な疾走感、勇壮な歌メロは全てのメタル・ファンを興奮させずにはいられない。その他の楽曲も全てメロディとパワーを兼ね備えたカッコいいメロディック・パワー・メタル・チューンが揃っており、この手の音楽が好きな人間であれば必ず満足できる一枚である。新たに獲得したトニー・ムーア(Vo)は恐るべきハイトーン・ヴォイスの持ち主であり、後にロブ・ハルフォードと行動を共にして一躍名を挙げたボビー・ジャーゾンベク(Dr)の手数の多いドラムも圧巻のひと言(一部の楽曲では当時LIONでHR/HMファンには知られる存在だったマーク・エドワーズがDrをプレイ)。やや一本調子な面もあるが、だからこそここまで強烈なインパクトを持つアルバムに仕上がったともいえよう。

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