MASTERMIND | ||
FROM HERE TO ETERNITY |
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フロム・ヒア・トゥ・エタニティ (2006) |
彼らをメジャー・デビューに導いた元ポニー・キャニオンの大西氏が立ち上げた「Black-Listed」からのリリースとなった通算4作目。本作に先立ち、入手困難になっていたデビュー・アルバム「SONG FOR THE NEW WORLD」の再発盤を2004年10月にリリースしている。マスタリングはANGRAなどを手掛けたデニス・ワード(PINK CREAM 69, PLACE VANDOME)が担当している。アートワークはJOURNEYやTNT、TERRA NOVA、EDGUYなどを手掛けたスウェーデンのデザイナー、C.A.ベニストンの手によるもの。収録曲のうち#3「Back From The Edge」はオムニバス「SAMURAI METAL Vol.1」収録曲のミックス違い、#4「Nothing Lasts Forever」は1st収録曲のリメイク。リメイク音源はオリジナルと聴き比べることで彼らの(特にアレンジ力における)成長を感じられるが、4作目になってもインディーズ時代のマテリアルを収録するというのは、いささか創造性に疑問を感じなくもない。本作自体、全9曲とかなり曲数少なめな上、うち2曲が序曲やインタールードのような短いインストでボリューム不足。楽曲そのものはこれまで以上に練り込まれ、クオリティが上がっているので、好意的に見れば「量より質」で勝負したということなのかもしれないが…。マスタリングを手掛けたデニス・ワードがベーシストだからか(?)、この手の音楽にしては珍しくベースに存在感があり、プレイも冴えている。 |
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TO THE WORLD BEYOND |
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トゥ・ザ・ワールド・ビヨンド (2004) |
ポニー・キャニオンがHR/HMから撤退したため、徳間ジャパン(Highways Records)に移籍してリリースされた通算3作目。本作制作中に、日本のメロスピ・ファン主導による伝説的イベント"MELODIC METAL FESTIVAL IN JAPAN"(通称スカ全)に出演を果たしている。本作を語る上でのメイン・トピックはやはりイェンス・ヨハンソン(Key:元SILVER MOUNTAIN, YNGWIE MALMSTEEN'S RISING FORCE, DIO, STRATOVARIUS)のゲスト参加だろう。現地に行ったり招いたりせずともインターネットを介して音源のやりとりができるようになった時代ならではである。音楽性についてはこれまで同様、メロディックな正統派パワー・メタル路線が踏襲されており、アレンジや演奏技術にもさらなる磨きがかかっている。イェンスが参加した#6、#9やキャッチーな#7、サビが印象的な#12など、後半に印象的な曲が多い。ただ、全体的にメロディ面でのフックが強まってきた分、逆にどの曲でもヒステリックにガナっているように聴こえるVoの一本調子ぶりにいささか不満を感じてしまうことも否めない。 |
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THE WAY I GO |
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ザ・ウェイ・アイ・ゴー (2001) |
前作がマニアの間でジワジワと評判になり、メジャーのポニー・キャニオンからのリリースとなったデビュー・アルバム。アルバム・タイトル曲#1と#4はインディーズ時代の人気曲で、特に前者はこのバンドの代表曲とされている。基本的には前作同様、不器用なまでに正統派なメタルをプレイしているが、アメリカンな感触もあるメロディアス・ハード系の#5「Fire In Your Heart」や、インストゥルメンタル・ナンバーの#6「The Ancient Dream」、アコギもフィーチュアされたパワー・バラードの#9「Reach Out For You」、など、楽曲の幅は広がっているし、MARGE LITCHのYuhki(後にGALNERYUSに加入するあの人)がキーボードで全面参加していることでアレンジの幅も広がっている。この時期彼らを支持していたのは「メロスパー」と呼ばれるメロディック・パワー・メタルのファンたちだったが、そういった層が好むスピード・チューンも#1、#4、#7、#11と要所要所に配置され、アルバムの聴き所となっている。前作収録曲のリメイク#10「Never Say Never」には彼らとともにジャパニーズ・メタルの新世代を感じさせるAZRAELの石原晶(Vo)がコーラスとして参加している。本作発表後DREAM EVILの来日公演のサポートを務めたことで日本のメロディック・メタル・ファンの間での知名度が増した。 |
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SONG FOR THE NEW WORLD |
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ソング・フォー・ザ・ニュー・ワールド (2000) |
OUTSTANDINGとJACK HAMMERというの2つのバンドのメンバーが合流する形で1995年に結成されたバンドのデビュー・アルバム。対バンイベントなどでのライブハウスへの出演を重ねつつ、デモ・テープの発売やオムニバス参加を経て発表されたファースト・アルバム。基本的にはこれまで発表してきたデモに収録されていた楽曲が中心だが、いくつかの人気曲が収録されておらず、少々ファンの落胆を買った。とはいえ佐藤則夫(Vo)のマイク・ヴェセーラっぽい(クセはあるが)パワフルな歌唱と、ツイン・ギターをフィーチュアした正統的なメタル・サウンドは、当時の日本のインディー・メタルとしてはかなり高品質で聴き応えがある。当時メロディック・パワー・メタルの文脈で語られていたが、速さやクサさはそれほど強調されておらず、哀愁強めの正統派ヘヴィ・メタルといった感じか。2004年に「Black-Listed」から再発されたが、その再発盤はからは契約上の問題で、次作にリメイク収録された「Never Say Never」がカットされている。ちなみに細かい話ですがCDオビの背のデザインがキングレコードのそれっぽいのは、いずれキングからデビューすることを想定し、ショップの棚に並んだ時に見た目を揃えることを狙っていたんでしょうか(笑)。 |
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