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MAJESTIC
TRINITY OVERTURE
83
トリニティ・オーヴァーチュア (2000)

前作発表後、イングヴェイ・マルムスティーンから彼のバンドへの加入要請を受けたリチャード・アンダーソンがその誘いを蹴って発表したセカンド・アルバム。メンバーは大幅に変わっており、リチャード本人とベースのマーティン・ウェザウスキーを除く全員が交代している。とはいえ、今回のメンバーもテクニシャン揃いで、前作と変わらぬスリリングなプレイの応酬を随所で聴くことができる(相変わらずリチャード・アンダーソンは弾き過ぎ:笑)。新しくフロントマンとなったギリシャ人シンガー、アポロ・パパサナシオは、ハイトーンからソウルフルな歌唱まで器用にこなす実力派(ジェフ・スコット・ソート風)で、音質がより整合感を増したこともあり、音楽全体がより洗練された印象に。作風は基本的に前作と同じく典型的なネオ・クラシカル・スタイルだが、前作における、ある種パワー・メタル的とも言えるような勢いが減退した分、より落ち着いた、安定感のある作風となっている。直接的に「あのアーティストのあの曲」を連想させる「引用」(パクリ?)が多いのは前作通り(苦笑)。僕は必ずしもネオクラ命というタイプではないので、前作のような勢いとインパクトが薄れた分上記の点数ですが、総合的な完成度はむしろ上がっているので、今回もネオクラ派はマストでしょう。

MAJESTIC
ABSTRACT SYMPHONY
85
アブストラクト・シンフォニー (1999)

超絶キーボード奏者、リチャード・アンダーソン率いるMAJESTICのデビュー・アルバム。ネオ・クラシカルと呼ばれる音楽スタイルを愛好する人間なら、オープニングのインストゥルメンタル・ナンバー「Medieval Nights」で既に鳥肌、続く疾走ナンバー「Golden Sea」で早くも悶絶間違いなし。本作の主役(?)であるリチャード・アンダーソンは、本作発表後「イェンス・ヨハンソンの再来」と呼ばれるようになったのも頷ける、攻撃的かつシンフォニックなプレイを縦横無尽に繰り広げ、それに張り合うかのごとく繰り出されるピーター・エスピノーザ(G)の速弾きもスリリングで聴き応え充分。シンガーのヨナス・ブルムの甘くハスキーなヴォーカル・スタイルは、正直この手の音楽に適性があるとは言いがたく、実際相当苦しげに歌っているパートも散見されるが、どうにか音楽のクオリティを下げないギリギリのラインでふんばっている。サウンドはやや奥行きに欠け、基本的に押し付けがましいこの手のテクニカル・ミュージックをさらに押し付けがましい印象にしてしまっている感もあるものの、平均的なリスナーであればほとんど気にならないはず。イングヴェイ御大の作品が最近やや緊張感に欠け、SYMPHONY Xがややヘヴィでプログレッシヴな方向に向かっている現在、これほどピュアでテンションの高いネオ・クラシカル・アルバムを聴ける機会は少ない。ネオクラ派必聴の傑作。

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