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MAGELLAN
TEST OF WILLS
78
テスト・オヴ・ウィルズ 〜試考〜 (1997)

前2作でベースをプレイしていたハル・ストリングフェロー・インブリーが脱退(後任は迎えず、ギタリストのウェイン・ガードナーがベースもプレイしている)、そして前2作では打ち込みだったドラムにブラッド・カイザーを迎えて発表されたサード・アルバム。バンド・ロゴが変更され、アルバムのアートワークの雰囲気もこれまでとは変わっている。そのことが象徴するようにサウンド自体も変わっており、大枠としてプログレッシヴ・ロックと呼べるサウンドの範囲内ではあるが、これまでに比べてグッとヘヴィになったギター・リフがアンサンブルの中心となっている。これは恐らく当時アメリカでオルタナティヴ系のヘヴィなサウンドが幅を利かせていたことと無縁ではなく、この手のトレンドとは無縁な音楽性を実践するバンドですらシーンの影響から逃れられないのか、とリリース当時妙な感慨を抱いたことを憶えている。とはいえ音楽的な基礎のしっかりしたバンドなので、よく聴けばなかなかよく出来た楽曲が揃っており、ある意味月並みなプログレッシヴ・メタルだった従来よりも個性的なサウンドを出していると評価できなくもないが、ドラマ性を大きく減じたそのサウンドに失望したファンの方が多かったことは間違いない。次作以降、再び大作志向の強いプログレッシヴ・ロック・サウンドに回帰したことから考えても、やはり本作は「問題作」だったということだろう。バンドとしてはむしろ次作以降の方が成熟した音楽をクリエイトしているが、残念ながらDREAM THEATERを除くと、プログレッシヴ・メタルの人気が低迷してしまった日本では本作以降の彼らにスポットライトが当たることはなかった。

MAGELLAN
INPENDING ASCENSION
81
インペンディング・アセンション 〜殉難の未来〜 (1994)

前作が日本のプログレッシヴ・ロックとHR/HMを同時に好むファンおよび叙情的でドラマティックなHR/HMを好むマニアの間で好評を博し、その後DREAM THEATERの「IMAGES AND WORDS」がブレイクしたこともあって、プログレッシヴ・ハード/メタルというスタイルに注目が集まる中発表されたセカンド・アルバム。今回サウンド・プロダクションの面では前作より改善が見られる一方、ドラマーは相変わらず不在で、打ち込みのままなのが残念(#2のみ、元JETHRO TALLのドン・ペリーがDrをプレイしている)。音質が改善されたことで、彼らのサウンドが描くドラマの重厚さが補強されたが、前作に比べると歌メロの叙情性が後退したように感じられるあたりは痛し痒し。スタイルは前作同様、YES型のプログレッシヴ・ハード・ロック/メタルで、前作はひたすら歴史をテーマにした歌詞世界を展開していたが、本作ではテクノロジーなど未来的なモチーフや、現代社会のテーマにも取り組み、主にモダンになったKeyの音色やアレンジでそれを表現し、新味を醸し出している。その新境地を体現する楽曲#5「Virtual Reality」は5分台の(このバンドにしては)コンパクトな曲だが、本作のキー・トラックと言えるだろう。この手のジャンルの作品としては手堅い良作だが、DREAM THEATERの背中は遠く、日本における評価の面ではレーベル・メイトであるSHADOW GALLARYにもやや水を開けられた感がある。

MAGELLAN
HOUR OF RESTRATION
80
アワー・オヴ・レストレイション 〜伝承〜 (1991)

トレント(Vo, Key)とウェイン(G)のガードナー兄弟を中心に1985年にカリフォルニアで結成されたバンドのデビュー作。速弾きギタリスト発掘人として知られていたマイク・ヴァーニーが設立したプログレッシヴ・ロック専門レーベル「Magna Carta」の第一弾作品である。本作のオープニングを飾るのはいきなり14分を超える大作で、その名も「Magna Carta」。おそらくレーベル名はこの曲から取られたのだろう。長尺ながら数多くの場面転換によって飽きさせずに聴かせる同曲は、レーベルの名に冠したくなるのも納得の力作である。それだけの大作をプレイしていることからも推察される通り、所謂往年のプログレッシヴ・ロックに強く影響を受けたバンドであり、ハーモニーを重視した基本スタイルにYESの、Keyを中心としたアンサンブルにはEL&Pの(ついでに言うならVoの声質もグレッグ・レイク風だ)、それでいて歌を大切にしている部分にはKANSASの、そして世界観というか雰囲気には初期のRUSHやSAGAからの影響も感じられる。レーベル・オーナーであるマイク・ヴァーニーは彼らのことを「シンフォニック・ハード・ロック」と呼んでおり、Keyによるシンフォニックなサウンド(ややチープで、時にゲーム音楽めいた雰囲気もあるが)、そして適度にメタリックなギター・サウンドがエッジを効かせているあたり、感触としては妥当な呼称である。サウンドが軽めであることやDrが打ち込みであることからB級な印象を受けるが、バンドの音楽的素養は充分に感じられ、この時期にこのようなスタイルを貫いているあたりに信念を感じるバンドである。

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