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LOUDNESS
RACING-音速-
80
レーシング (2005)

初期のリメイク集であった「ROCK SHOCKS」に続く本作のジャケットを見て、「!」と思った人は私以外にも多いのではないか。なんとバンドロゴが、全米デビューを果たし、イケイケだった80年代後期の頃のデザインに回帰している。しかも、インタビューや風評では、久々にストレートで勢いのあるメタリックな仕上がりだとか。すわ、こりゃついに原点回帰か、と思って聴いてみると、たしかにここ数作で最もメタルっぽいアルバムである。何よりもまず、全体的に勢いがあるのがいい。鋭角的で攻撃的なギター・リフと、樋口らしい音数の多いソリッドなドラムが曲を引っ張って実際のテンポ以上の勢いを生み出し、作品のテンションを高めている。イントロダクションである#1から高崎のフラッシーなギターも全開である。ただ、荒れ気味の二井原のヴォーカルが歌うメロディにフックが乏しく(というか、そもそもミックスが引っ込みすぎ)、そもそも曲調自体は明らかに90年代のヘヴィ・ロックからの影響を感じさせる暗めのものなので、正直全盛期の再現を期待すると肩透かしを喰うが、過剰なオルタナティヴ臭が消え、メタルらしいストレートさが蘇ったことは素直に嬉しい。これくらいのバランス感覚があれば、90年代あそこまで人気を落とさなかったと思うんだけどなぁ…。せめてリユニオン第一弾がこれであればだいぶ見え方も違ったと思うのだが。

LOUDNESS
TERROR-剥離-
70
テラー (2004)

とてつもない衝撃に絶叫するクリムゾン・キング、といった感じのジャケットだが、音楽がプログレ路線に変化したわけではなく、一点の曇りもないヘヴィ路線。90年代以降ずっとヘヴィ路線じゃないの、と言われそうだが、今回は「恐怖」や「悪魔」をテーマに、意図的にBLACK SABBATHあたりを意識したおどろおどろしいヘヴィな作風に仕上げたそう。個人的にはこういうヘヴィでドゥーミーなメタルは苦手科目なので正当な評価は難しいのだが、いずれにせよ、ヘヴィな作風であれば二井原よりも前任の山田雅樹のほうがずっと説得力のある音楽に仕上げられるし、90年代のヘヴィネス・シンドロームがようやく去り、メロディが見直されつつあるこのご時世に、どうしてこのラインナップでこんなアルバムを作ったのだろう? あえて時代に逆行する、という子供じみたロック魂を炸裂させるような年齢でもあるまいに…。別にヘヴィだからといってインド三部作ほどメロディに捉えどころが無いわけではないし、聴き込めばハマりそうな雰囲気もあったりはするのだが、お金がなくて他のCDを買えない学生ならぬ私は、残念ながらこれを聴き込むくらいなら他のもっとわかりやすいアルバムを聴くでしょう。

LOUDNESS
BIOSPHERE
76
バイオスフィア (2002)

再結成して話題づくりをしたにもかかわらず、思ったほどセールスが伸びず、徳間ジャパンに移籍してのリリースとなったアルバム。基本的には性懲りもなくファンのニーズを無視した90年代型ヘヴィ・サウンドなのだが、#1「Hellrider」を筆頭に、勢いのある曲もあるし、意外に派手なギター・ソロも多い(かつてのような構築美を感じさせるものではないにせよ)。#6「System Crush」のように、アレンジを変えれば80年代の彼らの曲として通用しそうな曲もあるし、タイトル通りのエキゾ趣味がかつてのような抹香臭いサイケ風味ではなく、「Gate Of Babylon」のような(と言うと褒めすぎだが)ドラマティシズムに結実した#5「Wind From Tibet」もなかなか印象的。ポップと言えるような要素もある#7「The Night Is Still Young」や、久々のラブ・バラードである#10「So Beautiful」、ブルージーな#11「For You」など、曲調に幅を持たせようという意図が明確に感じられるのは好感触。ジャケットやタイトルからして期待できそうもないと思っていましたが、期待しなかったおかげで意外に悪くないと思えました(苦笑)。

LOUDNESS
PANDAEMONIUM〜降臨幻術〜
73
ペンダモウニアム (2001)

再結成第二弾。「降臨幻術」と、前作にもましてメタメタしいタイトルを冠しているが、前作同様、80年代のような正統的なHMを期待するファンには厳しい作風である。前作は比較的HR/HM色の強い楽曲と、オルタナティヴ/ヘヴィ・ロック色の強い楽曲が混在していたが、本作では全体的にその2つの色を折衷したかのようなサウンドが支配的で、アルバムとしての統一感は前作より優れているものの、せめて曲単位でも「らしい」サウンドを聴かせてくれれば、という私のようなファンには、前作より聴き所に乏しいアルバムと言える。ここ10年続けてきたダウン・チューニングによるヘヴィなリフは、ありがちながらそこそこメリハリは利いているので、問題はやはり歌メロだろうなぁ。もうちょっとフックのあるキャッチーなメロディを聴かせてくれないと耳に残りませんよ。ベースがリードする#6「Suicide Doll」や、妙に明るいメロディの#10「In Flame」など後半多少曲調に幅が出るが、アルバムの印象を押し上げるほどのことはない。それと、前作を聴いたときも少し驚いたのだが、二井原実の声が相当荒れていて、この10年どういう生活をしていたのかと余計な心配をしたくなります。

LOUDNESS
SPIRITUAL CANOE〜輪廻転生〜
78
スピリチュアル・カヌー (2000)

1998年のLAZY再結成という伏線を経て、ついに13年ぶりのオリジナル・メンバーによる再結成が実現した。レコード会社も古巣のコロムビアに復帰、当時それなりの話題となった。インド三部作は商業的には相当厳しかったようだし(一説には1万枚も売れていないアルバムさえあるとか…)、脱退していた各メンバーの活動も順風満帆とは言えなかったので、その辺の「大人の事情」含みの「再結成」であることは間違いないでしょう。まあ、事情はどうあれ、素晴らしい音楽をプレイしていただければ何の文句もないが、これがまた微妙な仕上がり。たしかにここ数作の中では最もHR/HM色の強い音楽なのだが、前作までの流れを引きずった怪しいオリエンタル&サイケデリック・ムードも依然端々に顔を出しているし、リズムも直線的ではなく、うねりを感じさせる90年代以降のヘヴィ・ミュージックのイディオムに則ったもの。まぁ副題にしてからが仏教ですしね…漢字4文字というのも「撃剣霊化」とかその辺を匂わせた感じでいやらしいのですが(苦笑)。ちなみに本作は基本的には日本語で、相変わらず凄まじいセンスの「ニイハラ語」を聴かせてくれます。しかもNU METAL風の#7ではラップまで披露! とりあえず、疾走ビートとフラッシーなギター・ソロを持つ#3(本作のハイライト・チューン)、明らかにネタ元は「Painkiller」な#4、ストロングなリフがリードする#5、速い#6、#9、キャッチーな#11あたりはフツーのHR/HMファンにもアピールするのではないでしょうか。

LOUDNESS
ENGINE
71
エンジン (1999)

ヨーロッパ最大のヘヴィ・メタル・フェスティバルである「ダイナモ」に日本人として初出演を果たした年にリリースされた、前作、前々作に続く「インド三部作」のラストを飾るアルバム。三部作中一番リフにメリハリがあるし、久々にフラッシーなギター・ソロも聴かれるので(部分的だけど)、これから三部作に挑戦してみよう、という勇者はこのアルバムから聴くといいかもしれない。しかし、依然として基本はオリエンタル&サイケデリックなヘヴィ・サウンドで、80年代の彼らとは全く趣を異にする音楽なので、フツーのHR/HMファンにはお薦めできない。本作のツアー終了後、オリジナル・ラインナップによるLOUDNESS再編成プロジェクトが立ち上がり、高崎以外のメンバーが全て解雇された。

LOUDNESS
DRAGON
67
ドラゴン (1998)

前作と同じコンセプトの刺青ジャケットから推察できるように、今回もオリエンタルでサイケデリックなヘヴィ・サウンドを聴かせる。「ドラゴン」というタイトルも、DIOのステージに出てくるような「竜」ではなく、いわゆる中華な「龍」なんでしょうね。前作より勢いのある曲が多くて(特に前半)、前2作より多少はマシになったような気もするが、依然正統的なHR/HMファンに縁遠い音であることに変わりはない。後半似通ったダルいヘヴィ・サウンドが並び、果たして何曲目で睡魔に屈服するか、その忍耐力を試されます。高崎のギターも、フリー・フォームなインプロヴィゼーション主体のとりとめもないプレイでコピーする気も起きません。そういやこの時期「氣」がどうしたとかワケのわからないこと言ってましたね…。

LOUDNESS
GHETTO MACHINE
62
ゲットー・マシーン (1997)

元ANTHEMの柴田直人(B)を迎えて制作されたアルバム。とはいえ今更音楽性がANTHEMのような正統派HMに変貌するはずもなく、基本的には前作を引き継いだ、サイケデリックな雰囲気を感じさせるヘヴィ・サウンドが展開されている。ジャケットの刺青や、「カトマンズ」といったインドの地名が出てくる曲名からも窺えるように、オリエンタルな感覚が導入されているのが新境地か。もっとも、オリエンタルでエキゾチックな雰囲気というのは、60年代以来サイケデリックという感覚と非常に近い距離にあるものなので、特に独創的なものとはいえない。僕の穿った見方かもしれないが、この方法論もまた、アジアのバンドとしてのアイデンティティを示すことで、逆に欧米へのアピールを狙った戦略的な音楽性の差別化というように感じられてしまう。いずれにせよ、正統的なHR/HMファンにはお薦めできない、眠くなる一枚。

LOUDNESS
HEAVY METAL HIPPIES
66
ヘヴィ・メタル・ヒッピーズ (1994)

前作でフィーチュアしたモダンなヘヴィネスに加え、サイケデリックな感覚を大幅に導入したアルバム。基本的にカッチリした構築美を旨とするヘヴィ・メタルと、フリー・フォームで自由度の高いサイケデリックな精神性は相性が悪く、そのミクスチャーという難事に挑戦した心意気は買いたいし、その成果としての作品の完成度は、少なくともHR/HMサイドから見た場合悪くないと思う(ホントにサイケでヒッピーなラリラリの方々に本作がどう聴こえるかは知らない)。しかし、正直に言えば、私のようなオーソドックスなHR/HMファン、そして従来のLOUDNESSのファンにとって本作がどう響くかというと「ダルい」のひと言に尽きる。ヘヴィながら弛緩した緊張感のないリフに、明確なメロディを持たない呪文めいた歌。疲れているときに聴くと一発で寝てしまいます。高崎のギターもインプロヴィゼーション中心のジャムっぽいプレイが中心で、かつてギター・キッズが熱狂したフラッシーなテクを聴くことはできない。ひょっとしたらこの頃のアメリカを狙っていくにはALICE IN CHAINS辺りに通じるこうした音楽性が得策と判断したのかもしれないが、この頃のアメリカの音楽市場に「日本を代表するヘヴィ・メタル・バンド」は必要とされていなかった…。

LOUDNESS
LOUDNESS
80
ラウドネス (1992)

脱退したマイク・ヴェセーラ、山下昌良に代わって迎えられたのは、元FLATBACKER〜E.Z.O.のMASAKIこと山田雅樹(Vo)と、元XのTAIJIこと沢田泰司(B)だった。当時大人気だったXのTAIJIの加入は大きな話題となり、本作はここ日本ではオリコン2位、30万枚以上のセールスというバンド史上最大の成功を収め、ライヴには女の子が詰めかけるようになった。しかし、本作で聴かれる音楽は正直Xのファンには相当ハードルの高い、当時アメリカでトレンドになっていたPANTERAを思わせるモダンなヘヴィネスに満ちたもので、私を含む多くのXファンにとっては「メロディが無くてよくわからんけど、とりあえず超ヘヴィだしギター・ソロはテクニカルだし、なんだか凄いような気がする」という程度の感想しか抱けなかったというのが実態。#2「Slaughter House」や#4「Black Widow」のような勢いのある曲はすぐにカッコいいと思えましたが…。とはいえ後で冷静になって聴くと、当時雨後の筍の如く出現していたPANTERAフォロワーの中では、世界的に見てもかなり高いレベルのサウンドだったと思う。E.Z.O.での全米デビュー経験を持つ山田雅樹の強靭なVoも、このヘヴィなサウンドに負けず、確かな存在感を放っているのはさすが。決してLOUDNESSらしいアルバムだとは思えないし、高崎晃(G)がインタビューでPANTERAからの影響については「ヒゲ」と答えていたのもなんだかなぁって感じですが(苦笑)、とりあえずジャケットはえらくカッコいい。


LOUDNESS
ON THE PROWL
79
オン・ザ・プロウル (1991)

マイク・ヴェセーラを迎えての第二弾アルバムは、過去の曲のリメイクに新曲3曲をプラスした、デビュー10周年記念企画盤。前作が意外なほど正統派HM然としていたのに対して、本作に収められた新曲はかなりアメリカンな仕上がりになっており、アメリカ人をフロントマンに迎えた彼らの、メインストリームへの色気が強く感じられる。2nd収録の「Lonely Prayer」が#5「Deadly Prayer」に、4th収録の「Milky Way」が#6「Take It Or Leave It」に、といった具合に曲によってはタイトルまで変わっているリメイクについては、出来の良し悪しはともかくとして、二井原の声と歌詞になじんだ耳には違和感があることは否めない。とはいえ、より洗練された劇的哀愁バラードに仕上がった#4「Never Again」、マイクの声によって爽やかさを増した#8「Long Distance」、ドラマティックな#11「Find A Way」などはなかなか良い。ついでにマイクに関して言えば、#5におけるヒステリックなハイテンションのシャウトは鬼気迫るものがある。まあ、全体的には楽しめたのだが、アメリカンな新曲#1〜#3がつまらないのでアルバムとしての印象は必ずしもよろしくない。

LOUDNESS
SOLDIER OF FORTUNE
86
ソルジャー・オブ・フォーチュン (1989)

「日本には二井原を超えるシンガーはいない」ということで、アメリカの正統派HMバンドOBSESSIONに在籍していたマイク・ヴェセーラを新たなVoに迎えて制作されたアルバム。まあ、実際はアメリカ人のフロントマンを迎えることで、普通のアメリカのバンドと同じレベルの成功を目指したのでしょうね。その辺の「大人の事情」はさておき、内容はなかなか素晴らしい。タイトル曲の#1「Soldier Of Fortune」は、新たな代表曲となりえる、様式美臭も漂うカッコいい名曲。同曲を筆頭に、アルバム全体に意外なほど正統的なHMのフィーリングが漂っており、アメリカ人を迎えたにもかかわらず非アメリカンなマイナー調の曲が多いのも個人的には好印象。#2、#9のような比較的キャッチーな曲も甘口にはならず、攻撃的なスピード・チューン「Demon Disease」で幕を閉じる構成もいい。必ずしもLOUDNESSらしいアルバムとはいえないかもしれないが、ソリッドで高品質なHR/HMアルバムであることは間違いなく、このバンドに思い入れのない普通の正統派HMファンであれば本作が彼らの作品中一番気に入るかもしれない。

LOUDNESS
HURRICANE EYES
90
ハリケーン・アイズ (1987)

怒涛のパワー・メタル・チューン「S.D.I.」で幕を開けるアルバム。続くアップテンポかつキャッチーな「This Lonely Heart」もカッコいい。3曲目はLOUDNESS史上最もポップな曲と言っても過言ではない「Rock 'N Roll Gypsy」、そして幻想的なバラード「In My Dreams」へ、という流れは絶妙。レコードでいうB面にあたる後半は勢いのある「Strike Of The Sword」から、ドラマティックなコーラスを備えた楽曲が揃い、アルバムを締めくくるのは、日本語時代の名バラード「アレスの嘆き」をリメイクし、キャッチーさを増した感動的な「So Lonely」。この「疾走曲で幕を開け、バラードで幕を閉じる」という構成は、本作を聴いた当時まだHR/HM初心者であった私には非常に美しいものと映った。全体的には彼らの作品中最もキャッチーなメロディが多く聴かれるアルバムで、その点は実は賛否両論であるのだが、個人的には彼らの作品中最も好きなアルバム。ま、本作が私にとって初めて聴いた彼らのアルバムである、ということも好印象につながっているのかもしれませんがね。ちなみに本作は当時、世界をツアーするようになって、以前に比べて疎遠になっていた日本のファンのために曲順を変更した「日本語バージョン」も制作された。

LOUDNESS
SHADOWS OF WAR
81
シャドウズ・オブ・ウォー (1986)

前作の成功を受け、全米チャート初登場64位を記録、チャート的には彼らの作品の中で最も成功したアルバム。ただし、当時東西冷戦のさなかにあったアメリカでは「戦争の影」というタイトルは問題視され、「LIGHTNING STRIKES」というタイトルで、サウンドも異なるミックスで発売された。そのアメリカ盤は、前作で高崎のギターが話題を呼んだためか、あるいは二井原のジャパニーズ・イングリッシュに問題があったからか、やけにVoが引っ込んだミックスだったが、本盤ではその問題はだいぶ解消されている。サウンド的には前作にもまして洗練された現代的なHMサウンド(オーバープロデュース気味?)で、もはや「昭和のロック」的なダサさは微塵もない。アメリカにおけるリーダー・トラックとなった#2「Let It Go」はキャッチーな曲だが、全体的には彼らのテクニカルな面を押し出したプログレッシヴ色の強い作風で、楽曲の親しみやすさという点ではやや落ちる。ただ、メンバーの高度な演奏技術によって楽曲の各所に聴き所が生み出され(高崎のギターのフラッシーさは本作が最高かも)、ファンには聴き応えのある作品である。

LOUDNESS
THUNDER IN THE EAST
86
サンダー・イン・ジ・イースト (1985)

「待ってたぜ!俺たちのラウドネス」。本作リリース当時のオビにあったコピーである。この頃の彼らは、まさに日本のHR/HMファンの期待を一身に背負って世界へと羽ばたいていったロック・ヒーローだった。日章旗を思わせるデザインのジャケットもその気概の表れであろう。「Atlantic」と契約して制作されたワールド・デビュー作となる本作は、当時のアメリカのHR/HMブームにもうまく乗り、#1「Crazy Night」のビデオクリップがMTVでヘヴィ・ローテーションされたことも手伝い、ビルボードで74位まで上昇するスマッシュ・ヒットとなった。エディ・ヴァン・ヘイレン(VAN HALEN)やジョージ・リンチ(DOKKEN)といった当地のギター・ヒーローたちが高崎のギター・テクニックを絶賛したことによって高崎は「世界のアキラ・タカサキ」となった。OZZY OSBOURNEのアルバムを手掛けたマックス・ノーマンによるブライトなサウンドや、ややアメリカナイズされてコンパクトになった楽曲に関しては賛否両論であったが、フックの利いた楽曲が揃った本作は、日本人が作ったHR/HMアルバムで最も有名なアルバムである。

LOUDNESS
DISILLUSION
87
撃剣霊化 (1984)

日本語時代の彼らの代表作であり、日本のロック史上に輝く名盤といえる4枚目のアルバム。印象的なギター・ソロを持つ名曲「Crazy Doctor」で幕を開ける本作は、同曲のほかにも「エスパー」、「夢・ファンタジー」、「Milky Way」、そして彼らのバラードを代表する名曲、「アレスの嘆き」など、古くからのファンには思い入れの強い優れた楽曲が揃っている。ギター・インストである#6「Exploder」は、日本版「Eruption」(VAN HALEN)と言っても過言ではない名演。本作の充実がメンバーおよびスタッフの自信につながったのだろう、本作リリース後彼らは自主的にアメリカ西海岸ツアーを敢行して地元のメタル・マニアたちの注目を浴び、その評判によって遂に念願だったアメリカのレコード会社、「Atlantic」との契約を獲得する。その契約を機に、本作は英語バージョンも制作されている。しかし「撃剣霊化」っていうタイトルがまたメタルだよな。

LOUDNESS
THE LAW OF DEVIL'S LAND
83
魔界典章 (1983)

以前メンバーはデビューから本作までの3枚に関しては、「アルバムというよりも、単なる曲の寄せ集め」というような発言をしていた。確かに、デビュー作「THE BIRTHDAY EVE〜誕生前夜」および前作「DEVIL SOLDIER〜戦慄の奇跡」については、その日本のHR/HM史における意義は別として、習作の観は免れないものがあった。しかし、個人的に本作については立派に一枚のアルバムとして優れた出来であると思う。大仰なイントロの「Theme Of LOUDNESS PartU〜ラウドネス賛歌」から、こっ恥ずかしい歌詞が印象的なスピード・メタル・ナンバーの「In The Mirror」へとなだれ込んでスタートし、テクニカルなスピード・ナンバーの「Speed」で締める、という全体の構成もいいし、その他の曲もフックの利いた楽曲が揃っている。ギャロップ・ビートを持つ#3「Show Me The Way」、や、メタルらしい陰のある山下(B)作の#7「Black Wall」、独特のグルーヴをたたえたアメリカンな#8「Sleepless Night」、そしてタイトル曲である#6と、印象的な秀曲ぞろい。仮に三歩くらい譲って「単なる曲の寄せ集め」だとしても、「優れた曲の寄せ集め」であることは間違いない。まあ、歌詞や曲調に時代を感じるのは否めないので、平成に青春を過ごした(過ごしている)若者には「ダサい」と言われるかもしれないけどね…。


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