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LOST HORIZON
A FLAME TO THE GROUND BENEATH
86
フレイム・トゥ・ザ・グラウンド・ビニース (2003)

なぜか欧州ではそれほどでもなかったようだが、日本の一部メタル・マニアの間では大絶賛を浴び、「新世紀のメタル・メサイア」という評価をデビュー作1枚で確立してしまった彼らのセカンド・アルバム。しかもギターとキーボードという2人の「ニュー・ウォリアー」を迎えている。イングヴェイの「FIRE AND ICE」以来か、というジャケットのインパクトも絶大。ただ、内容について結論から言ってしまうと、前作ほどのインパクトはない。ジャケットの雰囲気通りスペイシーな感触のキーボードがなんか「メタルの救世主」のイメージと違うし、前作にもまして長尺の曲が増えたことも個々の楽曲のインパクトを弱めている。単純に1曲通して疾走する曲がないことも、今回特に前作の疾走感に魅力を見出していた層に不評だったようだ。しかし、聴き込めば既に新人離れした貫禄を漂わせていた前作を超える壮大なスケール感に圧倒されることは間違いない。メタルは即効性があってナンボ、というのが僕の基本的な考えだが、ここまで緻密に作り込まれた音楽に対してはやはり「聴き込む姿勢」もって応えるのが礼儀ではないかと。中でも、#6「Cry Of A Restless Soul」の持つ圧倒的なヒロイズムは、まるで己が世界の運命を背負って戦う勇者にでもなったかのような魂の昂ぶりを感じさせてくれる。やっぱ凄いよ、彼らは。

LOST HORIZON
AWAKENING THE WORLD
90
アウェイクニング・ザ・ワールド (2001)

こりゃ熱い! メタル魂がたぎるね! 顔に施したペインティングとブラック・レザーのコスチューム、そして信念に満ちた力強い歌詞。こりゃMANOWARに匹敵するメタルバカ一代。メンバーは過去HAMMERFALLのメンバーとの交流もあったようで、よく比較の対象にもなっているようだが、あんなポーズだけのバンド(失礼)とは気合が違う。演奏力もサウンドも極上で、1音1音にみなぎる説得力がとても新人バンドとは思えない。ヴォーカルは若干アクが強いものの、このパワーと声域、そして歌唱力は、タイプこそ異なるが「メタル・ゴッド」ロブ・ハルフォードの後継者たるに相応しい力量。大半の楽曲の作曲を手がけるギターも非常に個性的なトーンで攻撃的なリフと勇壮な「戦士のロマンティシズム」を感じさせるフレーズを奏で、聴き手の魂を高揚させる。楽曲はどれも緻密に作りこまれ、どれも名曲と呼ぶに相応しい出来だが、イントロやインタールード的な短いインストを除くと実質7曲、というのはいささか物足りない。たしかにこの濃密な音楽が1時間以上続いたら疲れてしまうだろうが…。あと、イントロに続くオープニングにはミドル・テンポの「Heart Of Storm」よりも、2001年のメタル・アンセムとなった名曲「Sworn In The Metal Wind」の方がインパクトがあったのでは。

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