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LABYRINTH
RETURN TO HEAVEN DENIED PT.II
82
リターン・トゥ・ヘヴン・ディナイド・パート2 (2010)

バンドの創設者であったオラフ・トーセン(G:VISION DIVINE)が復帰、バンド史上最高の人気作「RETURN TO HEAVEN DENIED」の続編として制作されたアルバム。ただ、「RETURN〜」は1st「No Limits」の続編なので、本作はある意味「NO LIMITS PT.3」でもあるのだという。いずれにせよ「原点回帰」的なニュアンスの強い本作は、かなり意図的に往年のサウンドを再現しようとしているのが伝わってくるサウンドで、アルバムの冒頭を飾る#1「Shooting Star」のイントロから、「RETURN〜」の海外盤の1曲目(国内盤は曲順違い)だった名曲「Moonlight」を思わせる(ただ、これもオラフ・トーセンに言わせれば「RETURN〜」の海外盤最後の曲だった「Die For Freedom」のアウトロの延長なのだそうで、確かに言われてみればそうも聴こえる)ことが「続編」であり、アートワークが示すとおり2nd当時のサウンドに戻っていることを端的に象徴している。オラフ・トーセンとしてはプログレッシヴな要素の強いVISION DIVINEに対して、このLABYRINTHはあくまでパワー・メタルであるべきという意識があるらしく、拡散志向が感じられた近作に比べ、かなりパワー・メタリックな疾走感も戻ってきている。正直、最初はFINNVOX STUDIOでマスタリングされたとも思えないサウンドの安っぽさであまり印象は良くなかったが、何度か聴くうちに、このバンド独特の哀愁がジワジワと効いてきて、結構気に入ってきた。キラー・チューンと呼べるほどの楽曲がないのが残念。

LABYRINTH
LABYRINTH
81
ラビリンス (2003)

中心人物だったオラフ・トーセン(G)がVISION DIVINEに専念するために脱退し、大きな転機を迎えたLABYRINTH。このタイミングで新作のタイトルにバンド名を冠し、さらにこれまで英語風の芸名だったメンバーの名前の表記を母国語であるイタリア語の本名に戻したことも、「再出発」の意気込みを示すものだろう。そして本作はこれまでの音楽性の延長線上にありながら、前作より疾走感を回復しているという点で日本のメロディック・スピード・メタル・ファンの間で好評だった2ndに近く、気持ちよく楽しめる好盤。とはいえ、前作で顕著になったプログレ・メタルっぽい要素も確実に息づいており、さらにデビュー作にあったテクノ/トランス的なKeyアレンジも少しではあるがちりばめられているあたり、意図的に「これまでの集大成」を演じてみたのかもしれない。オラフ・トーセンの脱退によってメイン・ギタリストとなったアンドレア・カンタレッリがバッキングのセンスといい、ソロにおけるテクニックといい、明らかにオラフより優れているため、楽曲が全体的に洗練度を増したのは好印象だが、それだけにサウンドのイマイチさ(特にDr)が惜しまれる。個人的には速い曲よりも、ロベルト・ティランティ(Vo)の繊細な歌声が生きる#5「Neverending Rest」や#10「When I Will Fly Far」のようないかにも欧州的な叙情性を秘めたメロウな楽曲が気に入った。

LABYRINTH
SONS OF THUNDER
78
サンズ・オブ・サンダー (2001)

前作によって、RHAPSODYに次ぐイタリアン・メタル2番手の地位を確立。海外では大手METALBLADEとの契約を獲得、日本でもレコード会社をビクターに移籍して発表されたサード・フル・アルバム。己のファン・クラブの名称をアルバム・タイトルに持ってきていることからも気合が窺われるし、このアルバムに先駆けて発表されたEP「TIMELESS CRIME」の評判も上々。しかも、プロデュースを手がけたのは、かのQUEENSRYCHEを手がけたニール・カーノンということもあり、かなり期待されているアルバムだった。しかし、結果から言うと期待外れ。中途半端にプログレッシヴなアレンジが、前作の成功の大きな鍵だった「爽快な疾走感」を殺してしまっているのだ。それに加え、これは前作でも少し気になっていたのだが、バンドのリーダーであるオラフ・トーセンの構築美に乏しい、粗いギター・ワークが本来優美であるべき音楽の雰囲気をブチ壊してしまっている。この人はスラッシュ畑の出身らしいが、この手の音楽をプレイするなら、もう少しバッキングとサウンドの作り方に品とセンスがほしいところ。部分的にはいいメロディもあったりするし、ロブ・タイラントの切なげな歌唱も相変わらず魅力的なのだが、17世紀のヴェネツィアを舞台にしたコンセプト・アルバムという、いかにもドラマティックな設定のわりに、妙にこぢんまりとした作品になってしまっている。惜しい。

LABYRINTH
RETURN TO HEAVEN DENIED
87
リターン・トゥ・ヘヴン・ディナイド (1998)

前作発表後、バンド最大の武器だったヴォーカリストのジョー・テリーことファビオ・リオネが脱退してしまったが、後任に迎えられた、元NEW TROLLS(ただしヴォーカルではなくベースを弾いていたらしい)という、プログレ・マニアが泣いて喜ぶ肩書きを持つロブ・タイラント(ひねりのない芸名…)も、なかなかの実力者で、ファビオの抜けた穴を見事に埋めている。音楽的には、当時イタリアで大人気だったSTRATOVARIUSの影響が色濃い、典型的なメロディック・スピード・メタルへと若干の方向修正が図られており、これが大正解! イタリアならではの濃やかな情感に満ちた美しいメロディが猛然と疾駆する様はまさに悶絶もので、冒頭の「Lady Lost In Time」「Thunder」「Moonlight」という名曲3連打でメロディック・スピード・メタルのファンの心を鷲掴み。疾走チューンが多い分、やや一本調子な感もあるが、快感がそうした不満を上回るんだな。このバンドがここまで充実したアルバムを作り上げるとはまったく予想外でした。

LABYRINTH
NO LIMITS
77
無限迷界 (1996)

なんだこりゃ? トランス・メタル? と、最初に聴いたとき目が点になりました。ヨーロッパでこれ系の音が大人気なのは知っていたが、まさかメタルにそれを導入するとは…。イタリアのLABYRINTHのデビューアルバム、なんといきなりの日本リリース。ヴォーカルをとるのはジョー・テリー、本名ファビオ・リオネ。そう、後にRHAPSODYで勇名をはせることになるあの男。したがって、この手のB級バンドの泣き所であるヴォーカル面に関しては全く問題なし、という恵まれたバンドです。ただ、もうひとつの泣き所であるサウンド・プロダクションに関してはやはり薄っぺら。基本的な音楽性はHELLOWEEN以降のヨーロピアン・パワー・メタルですが、冒頭述べたように、トランス・テクノ風のキーボードによるアレンジがこのバンド独自の個性となっています。ややプログレッシヴな展開を多用するのも特徴といえるでしょう。全体的に悪くないのですが、アルバムを聴き終えて僕の中に残っていたメロディは、アルバム中一番キャッチーな「Piece Of Time」のサビ・メロだけでした。まあ、イタリアン・メタル創生期の代表的アルバムとして、そしてRHAPSODY加入以前のファビオ・リオネの歌声を聴くことができるアルバムとしての資料的価値を加味して上の点数で。

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