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IRON SAVIOR
RISE OF THE HERO
85
ライズ・オヴ・ザ・ヒーロー (2014)

中心人物であるピート・シルーク(Vo, B)が掛け持ちで活動していたSAVAGE CIRCUSを脱退し、このバンドに注力する形で発表された8枚目のフル・アルバム。ACCEPTや初期HELLOWEENを思わせるアグレッシヴなパワー・メタルを基本に、「ジャーマン・メタル」然とした合唱向きのコーラスをフィーチュアした音楽性に、ピートの野太い熱唱ヴォーカルが個性となるIRON SAVIORサウンドは全く揺らぐことなく、ドイツのバンドらしい頑固なまでの信念を感じるサウンドである。疾走チューンからバラードまで、全体的に押しが強い音像の中、テンポ的にはバラエティを持たせつつ、いかなるタイプの曲においてもキッチリとフックを設けた楽曲のクオリティは申し分ない。中でも「これぞ王道!」なHMソング#5から、どう聴いても「Ride The Sky」なリフを持つ#6「Thunder From The Mountains」という中盤の流れは血沸き肉躍るハイライト。これまでにもSEALやUNDERWORLDといった異ジャンルのカヴァーを行なってきた彼らだが、今回もスウェーデンの人気ロック・バンドMANDO DIAOの「Dance With Somebody」という異色のカヴァーを収録しており、その類型的なメタルとはやはり異なる曲調がアルバムにおけるアクセントになっている。今さら言うまでもないが、GAMMA RAYやBLIND GUARDIANといったバンドが好きなら押さえておくべきバンドだろう。

IRON SAVIOR
CONDITION RED
86
コンディション・レッド (2002)

このプロジェクトが(欧州では)軌道に乗ったと判断したカイ・ハンセンが離脱。良く解釈すれば「バンドらしくなった」と言えるし、悪く解釈すれば「有名人が抜けて話題性が落ちた」とも考えられるが、このアルバムの音を聴けば誰もが本作を好意的に捉えるに違いない。とにかくアルバム全編に渡ってパワーがみなぎっている。ジャーマン・メタル魂炸裂のスピード・チューン#1「Titans Of Our Time」からフル・スロットル、7分を超える力強くもドラマティックな#12「Thunderbird」まで硬質かつキャッチーなパワー・メタル・チューンが目白押し。#3や#8のような爆走チューンはもちろん、ミドル・テンポの楽曲でさえ前のめりな勢いに溢れている。それでいてメロディにもちゃんとフックがあって、ライヴでは合唱で盛り上がれること間違いなし。これぞ独産パワー・メタルの真髄だね。しかし、これほどのアルバムを発表しても日本ではほとんど話題にならなかったのだから、このバンドは日本ではダメなのかもしれないなぁ…。やっぱりVoがハイトーンじゃないのがいけないのだろうか。#13はかつてTALISMANも取り上げていた個性派R&BシンガーSEALの「Crazy」のカヴァー。

IRON SAVIOR
DARK ASSAULT
82
ダーク・アソート (2001)

Drが現GAMMA RAYのダン・ツィンマーマンから、元GAMMA RAYのトーマス・ナックに交代。また、新たにヨアキム"ピーゼル"カストナーがギタリストとして加入し、カイ・ハンセンの関与は低下している(カイ中心に書かれた曲は#3「Solar Wings」のみ)。とはいえ、音楽の基本線に変化はないが、コンセプト・アルバムらしいギミックがあまりこのバンドの音楽に効果的に働いていない印象があった前作と比べるとストレートな作風で、聴き疲れすることなく一気に聴き通せるような爽快感があるのが良い。疾走曲の比率は減っているが、トーマス・ナックの歯切れのいいドラムがノリの良さはキープしていて、心地よく聴ける。ただ、その「聴きやすさ」がアルバムの印象をちょっとアッサリしたものにしてしまっているのも事実で、これくらいの「仕事」は彼らのキャリアを考えれば、いわば「当たり前」であり、このアルバムを最高傑作に仕立ててやる!というような気概が感じられないのはちょっと残念。しかも日本盤に解説が付いていない(歌詞の対訳はある)、ってのもレコード会社に軽視されている感じがして、ちょっと切ない。3作続けて同じ点数なのは、どれも同じような作品というわけではなく(いや、音楽の基本線はどれも同じだが)、毎回前作より改善された部分がある一方、悪くなった点も存在するために差し引きゼロでこういう採点になっているとご理解ください。

IRON SAVIOR
UNIFICATION
82
ユニフィケイション (1998)

97年の「Wacken Open Air」で初ライヴを行なった際にサポート・メンバーとして起用したヤン・S・エッカート(B)とアンドレアス・クック(Key:BLIND GUARDIANのツアー・キーボーディストでもある)が正式メンバーとして加入、DrがGAMMA RAYのダン・ツィンマーマンに交代して制作されたセカンド・アルバム。内容は前作のストーリーを引き継ぐコンセプト・アルバムなので、当然ながら基本的な音楽性は変わっていない。ただ、前作に比べるとだいぶ手のかかかったアートワークに象徴されるように、アレンジ等に多少小技がきいて、コンセプト・アルバムらしい構成になっている。さらに、前任のトーメン・スタッシュ(BLIND GUARDIAN)に比べると軽快なビートを叩き出すタイプのダンにDrが代わったこともあってか、音楽の「熱さ」が減退したように感じられることをどう捉えるかで評価が分かれるかも。ドラマティックさもある勇壮なジャーマン・パワー・メタル・サウンドは、この手の音楽が好きな人間にとっては安心印のクオリティだが、個人的にはただでさえ暑苦しいこの音楽にピートの男臭い歌声が乗ってしまうと、ボーナス・トラック含めて72分におよぶ長尺の本作はちょっと聴き疲れしてしまうが…。ちなみに#3と、バラードの#12はカイ・ハンセンの曲。HELLOWEENの「Metal Invaders」(日本盤のみ)と、「Gorgar」のリメイクも収録。

IRON SAVIOR
IRON SAVIOR
82
アイアン・セイヴィアー (1997)

カイ・ハンセンがHELLOWEEN結成前にやっていたIRON FIST、SECOND HELLといったバンドのメンバーであり、その後はスタジオ・エンジニアとしてBLIND GUARDIANの作品に関わってきたピート・シールク(Vo, G, B, Key)が、そのカイ・ハンセン(Vo, G)、そしてBLIND GUARDIANのトーメン・スタッシュ(Dr)の協力を得て結成したプロジェクトのデビュー・アルバム。本作はSF的なストーリーを持つコンセプト・アルバムだが、曲調はドラマティックながら余計な装飾はほとんどなく、初期のHELLOWEENやBLIND GUARDIAN、RUNNING WILDあたりに通じる、まさにジャーマン・パワー・メタルのプロトタイプといったサウンドである。ピートの男臭い歌声もあって、典型的な「ジャーマン・メタル」に比べると良い意味で洗練されていない、荒々しさのあるサウンドなので、「クサいのは苦手…」という向きでも結構イケるかもしれない。楽曲の質もなかなか高くて楽しめるのだが、シンプルというより手抜きっぽいアートワークに象徴される「金かかってない感」が個人的にはちょっと気に食わない。もうちょっとアレンジに凝ればさらに良くなったのではないだろうか。SECOND HELL時代のマテリアルを練り直したカイ・ハンセンとの共作曲である#10「Watcher In The Sky」はGAMMA RAYの「SOMEWHERE OUT IN SPACE」にも別バージョンで収録。ハンズィ・キアシュ(Vo:BLIND GUARDIAN)、ダーク・シュレヒター(G:GAMMA RAY)がゲスト参加。

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