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GOLDEN RESURRECTION
ONE VOICE FOR THE KINGFOM
85
ワン・ヴォイス・フォー・ザ・キングダム (2012)

クリスチャン・リレグレン(Vo)とトミー・レインエクシード(G)を中心としたバンドのサード・アルバム。Keyがケネス・リルクヴィストからスヴェンヌ・ヤンソンに、Drがリカルド・グスタフソンからアルフレッド・フライドハーゲンに交代している。これまでネオクラシカル様式美メタルの王道を歩んできた彼らだが、本作ではパワー・メタル色が増し、一聴するとメロディック・パワー・メタル的な印象が強まった。初期STRATOVARIUSを想起させるオープニング・チューン#1から、バンド史上最速の#2への流れがその印象を強めている。一方、疾走系ではない楽曲においてはこれまで以上に80年代的なアレンジが多用されているのもポイントで、それが楽曲のフックとキャッチーさの強化につながっている。正直どこかで聴いたようなアレンジとフレーズが満載で苦笑してしまう面が無きにしも非ずなのだが、楽曲としてのクオリティ自体は高い水準でまとまっているため、それらも含めて楽しめた。サウンド・プロダクション(特にDr)が以前より生っぽくなって人工的な手触りは後退したが、その結果やや迫力不足になったようにも感じられて、その点は痛し痒しか。いずれにせよ、今どき日本のファンへのメッセージをボーナス・トラックにするのはやめてほしい(苦笑)。

GOLDEN RESURRECTION
MAN WITH A MISSION
83
マン・ウィズ・ア・ミッション (2011)

前作がメロディック・メタル・マニアの間で好評を博したプロジェクトのセカンド・アルバム。Keyが健康上の問題で交代し、音楽面の中心人物であるトミー・ヨハンソン(G)が「トミー・レインエクシード」と自分のバンド名を姓にした芸名に「改名」しているのはプロモーション的なものでしょうか。音楽性の基本は前作から大きく変わっていないが、トミー・レインエクシードのコーラスが前作よりも大々的にフィーチュアされ、サウンドが前作よりREIN XEEDに近い人工的なシャラシャラした感触になっているのが聴覚上の微妙な変化か。#2のタイトル曲に代表されるドラマティックさの増強によって、前作よりも「本格感」や「スケール感」とでもいった感じの雰囲気を漂わせているのはマル。一方でサビのコーラスなど前作に比べてコンパクトなキャッチーさを減じている分、前作の方がインパクトがあったと感じる人もいるかもしれない。#7のリフが「Bark At The Moon」ソックリなのは確信犯というかオマージュとのこと。#9のような80年代っぽい、ライヴ感を強調したこれまでになかったようなタイプの楽曲を収録しつつも、全体的には前作に引き続き洗練された高品質のネオクラシカル・メタル作品に仕上がっている。日本盤ボーナスとして、REIN XEEDの最新作にも収録されていた東日本大震災のチャリティ・シングル「Pray For Japan」と、KANSASの「Point Of Know Return」、ゲイリー・ムーアの「The End Of The World」を収録。


GOLDEN RESURRECTION
GLORY TO MY KING
83
グローリー・トゥ・マイ・キング (2010)

元NARNIA、DIVINEFIREのVoだったクリスチャン・リレグレン(一時期クリスチャン・リヴェルと名乗っていた)と、REIN XEEDの中心人物トミー・ヨハンソン(G)を中心としたプロジェクトのデビュー・アルバム。REIN XEEDはクリスチャン・リレグレンが主宰するレーベル「LILJEGREN RECORDS」の所属バンドであるから、いわばレーベル・オーナー自ら所属バンドの俊英と結成した肝煎りのプロジェクトといえる。当初、REIN XEEDの楽曲をクリスチャン・リレグレンが歌う、というようなプロジェクトになるのではないかと予想していたが、本作で聴ける音楽性はあれほどメロスピ然とした音像ではない。もちろん疾走曲もあるし、全体的にアップテンポな勢いのある曲が多いが、より歌を重視した作曲がなされており、よりオーセンティックな様式美寄りの音楽性といえる。#1のイントロから随所にフィーチュアされたネオクラシカルなギターのエッセンス、そして一回聴けば耳に残るキャッチーなヴォーカル・ラインは好き者のツボを押さえており、クオリティは高い。やや人工的なむやみにキラキラしたKeyの音色が多用されていることもあって、その「わかりやすいキャッチーさ」がいささかチープに響くこともあるが、この手のサウンドのファンであれば楽しめることは間違いない。なお、歌詞は敬虔なキリスト教徒であるクリスチャン(Vo)の意思を反映しており、文字通りクリスチャン・メタルでもある(笑)。

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