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ETERNAL TEARS OF SORROW
CHILDREN OF THE DARK WATERS
78
チルドレン・オヴ・ザ・ダーク・ウォーターズ (2009)

所属レーベルを「KHY Suomen Musiikki」に移籍してのリリースとなった6作目のアルバム。本作のレコーディング途中、Drのペトリ・サンカラが背中の痛みを訴え脱退、後任にユホ・ラーハナが加入。また、本作完成後にリスト・ルース(G)が脱退している。こうした不安定なバンド状態を反映してか、今一つ煮え切らないアルバムである。前作のラストを飾っていた「Angelheart, Ravenheart (Act I: Before The Bleeding Sun)」の続編である「Angelheart, Ravenheart (Act II: Children Of The Dark Waters)」で本作が幕を開けるため、前作を順当に受け継ぐ作品かと思いきや、このバンドとしては「明朗」で「軽快」な作風だった前作に比べへヴィさが強調され、バンド名に相応しいダークなムードが支配的。そのことは別に構わないのだが、メロデスの要であるリードギターの奏でるメロディに煽情力が不足していて、物足りなさが残る。前作でゲスト・シンガーとしてクリーン・ヴォーカル・パートを担当し、ツアーにも参加していたヤルモ・キルマネンが正式メンバーとして加入しているが、前作同様ゴージャスなコーラスが楽曲のメロディを牽引しており、ヤルモ個人の見せ場は取ってつけたようなものが多い。そのことが作品全体の印象を散漫なものにしており、彼らの最大の強みであった楽曲センスが不完全燃焼に陥っているように感じられる。この手のバンドとしては珍しく、アルバムのリリースに3か月以上先駆けて#3がオンライン限定シングルおよび着うたとして配信されるなど、リリース元であるAVALONに妙な意気込みは感じられたのですがね…。

ETERNAL TEARS OF SORROW
BEFORE THE BLEEDING SUN
83
ビフォア・ザ・ブリーディング・サン (2006)

前作が本国フィンランドのチャートでまずまずの成功を収めていたにもかかわらず、なぜか解散に近い状態で活動を休止していたEToSの復活作となる5年ぶりの5thアルバム。本作には既にKALMAHのコア・メンバーとなっているアンティ・コッコ(G)とパシ・ヒルトゥラ(Key)は不参加で、代わってリスト・ルース(G)とヤンネ・トルサ(Key)が参加している。正直、私は前作の素晴らしさの肝は今回不参加の2名だと思っていたので、本作の出来についてはやや不安を抱いていた。だが、冒頭を飾る#1「Sweet Lilith Of My Dreams」の印象的なKeyワークを聴いてそれが杞憂であったことを知った。ただのダミ声としか思えなかったアルッティ・フェテレイネン(Vo, B)のVoが多少マシになったこともあり、アグレッションは再結成前よりも増している。女性の他、トニー・カッコ(SONATA ARCTICA)およびマルコ・ヒエタラ(TAROT / NIGHTWISH)を迎えたコーラスの充実も印象的。全体的には高品質なメロディック・デス・メタル作品で、ひょっとするとトータルでの完成度は過去最高かもしれないが、個人的にはパシ・ヒルトゥラの絶品のセンスが失われた穴はやはり埋まり切っていないように思われ、彼のKeyが演出していた悲愴美につい思いを馳せてしまう。

ETERNAL TEARS OF SORROW
A VIRGIN AND A WHORE
87
ヴァージン・アンド・ホアー (2001)

前作でマニアの注目を集めたEToSが送り出す4作目のアルバム。前作からGの片割れであるアンツァ・タラーラが兵役の関係で脱退し、EToSのB、Key、Drが掛け持ちしているKALMAHのGであるアンティ・コッコが加入している。さて、本作の素晴らしさをひと言で言うなら、楽曲が良い、の一語に尽きる。前作のような派手派手しいアレンジが影を潜め、ブラック・メタルめいた過剰な攻撃性を抑えた分、表現力に深みが増し、ドラマや情景を描写する力についてはもはやメロデス界でも屈指のレベルに達している。一方で#2、#8のような緊張感あふれる勇壮な楽曲にはメタル魂を鼓舞されずにいられないし、シングルとなった#6のキャッチーなセンスには舌を巻き、GとKeyのオーケストレーションが織りなすドラマティックな#9はまさに悶絶のクライマックスである。シングル#6同様、同郷のゴシック・メタル・バンドREFLEXIONのユハ・キルマネンによる普通声Voがフィーチュアされている#5は、ボーナス・トラックとして収録されているアコースティック・バージョンがまた絶品で、私の人生史上における「哀しい歌ランキング」でトップ争いに加わること必至の名曲である。さらにボーナスとして彼らにとって「完璧な名曲」であるというPARADISE LOSTの「As I Die」を収録している。かくも素晴らしき本作ではあるが、再結成ACCEPTのカヴァー#7の収録意図だけはマジで意味不明。

ETERNAL TEARS OF SORROW
CHAOTIC BEAUTY
83
ケイオティック・ビューティー (2000)

このいかにも悲劇的な長い名前(実は特に深い意味はないらしい)を持つバンドは、CHILDREN OF BODOMを擁する「Spinefarm」レーベル所属のメロディック・デス・メタル・バンドで、本作が日本デビュー作となる(通算3作目)。基本的にはレーベル・メイトであるC.O.B.に通じるKeyをフィーチュアしたメロディック・デス・メタルでありながら、アートワークからも感じ取れるように、より耽美的で、メロディに重きをおいたアプローチをとっている。時にブラスト・ビートにシンフォニックなKeyを被せ、シンフォニック・ブラック・メタルめいたムードを醸し出したり、比較的メロウなパートにおいては、結成当初目標にしていたというPARADISE LOSTに通じるゴシック的な臭いも感じさせたりするなど、やや散漫ともいえる音楽性だが、ギターとキーボードの奏でる美しいメロディが作品の世界観に一本筋を通している。正直Bが兼任しているVoが弱く、アグレッションよりメロディを強調したアレンジもあって、デス・メタルとしては迫力不足ではあるが、それだけに私のような軟弱なリスナーには聴きやすい。#3、#5、#9の3曲にはキンバリー・ゴス(Vo)が参加し、「普通声」の歌唱で作品の美的世界に貢献している。#6「Black Tears」はEDGE OF SANITYのカヴァー。日本盤はIRON MAIDENの「Flight Of Icarus」のカヴァーに加え、前作の楽曲が3曲、ボーナス・トラックとして追加されている。

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