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DUNGEON
THE FINAL CHAPTER
82
ザ・ファイナル・チャプター (2007)

前作でようやく日本再デビューを果たしながら、その直後にビジネス上の問題で解散を表明したDUNGEONのラスト・アルバム。タイトルもそのまま「最終章」である。アルバムの内容はこれまでのDUNGEONの音楽を順当に受け継ぐ剛直な正統派HMで、ファンであれば安心印の作品。「Painkiller」を思わせる強靭なリフを持つ#1、ドラマティックなコーラスが印象的な#3、ソリッドなリフとキャッチーなサビが融合したHR/HMの醍醐味というべき#4、ブラスト・ビートさえ飛び出す激烈なブルータリティとキャッチーなメロディを融合した#5、ギター・ソロの盛り上がりにグッと来る男のバラード#6、10分を超えるドラマティックな大作の#8など、攻撃性とメロディのバランスのとれた秀曲が揃っている。ファースト・デモ音源集「DEMOLITION」収録の名曲「Don't Leave Me」、「Changing Moods」の再録も嬉しい。時にスラッシーといってもいいアグレッションと、80年代HR/HMからの影響を強く感じさせるキャッチーなメロディのコンビネーションはここに来て一層磨きがかかっており、解散が惜しまれる。「スラッシュやデス系は行き過ぎだし、最近のメロパワはチャラくて性に合わないんだよな…」と思っているような「古き良きヘヴィ・メタル」を愛する硬派なメタラーにはぜひ聴いてもらいたい一枚だ。

DUNGEON
ONE STEP BEYOND
82
ワン・ステップ・ビヨンド (2004)

遂に日本(再)デビューを果たしたDUNGEONの公式サード・アルバム。演奏、作曲といった実力面ではかなり高いものを持ちながら、オーストラリアという正統派HM後進国出身だったために余計な回り道をしてしまっている印象があるが、苦労しているだけあって今回もなかなかメタル・ファンのツボを巧みに突く作品に仕上がっている。#1や#5、#7のようなスラッシーと言っていいほどのアグレッシヴなパワー・メタル・サウンドを基本に、「剛直なピュア・メタル」と呼ぶに相応しい音楽を展開している。#4のようなメロウな曲や、#8のようなドラマティックな曲の存在がアルバムに起伏を生んでいるが、個人的に今回一番気に入ったのは、本作中最もキャッチーなコーラスを備えた#2「Against The Wind」。ロード・ティムの独特の艶のあるハイトーンは、こういう曲でこそ活きると思うので、こういうキャッチーな曲をどんどんプレイしてもらいたいね(毎回言っているような気がするが)。日本盤にはボーナス・トラックとしてQUEENの「The Hero」、ANTHRAXの「Stand Or Fall」そしてなんとDURAN DURANの「Planet Earth」のカヴァーを収録。バラバラなようでいてアグレッションとキャッチーさを兼ね備えた彼らの音楽のルーツの多様性を上手く示した選曲なのかも。

DUNGEON
RISING POWER
75
ライジング・パワー (2003)

日本盤がリリースされていないにもかかわらず、ネットメタル界の有志たち主導によるイベント「MELODIC METAL FESTIVAL in JAPAN」によって奇跡の来日を果たした彼らの来日記念盤としてリリースされた企画盤。最新作からの楽曲をリーダー・トラックに、彼らが過去にリリースした楽曲の再録やリミックス、未発表のカヴァー曲などが収録されている。正直再録やリミックスに関しては、彼らの制作環境がさほど改善されていないのであまり印象は変わっていない(苦笑)。カヴァーはW.A.S.P.の「Wild Child」にTOTOの「Hold The Line」、そして個人的にはコレが聴きたくて買ったと言ってもいいIRON MAIDENの「Caught Somewhere In Time」。まあどれも「好きなんだろうなぁ」って感じの愛情あふれる「コピー」ですな。さらにエンハンストCD仕様で日本のファンへの挨拶とビデオクリップ1曲収録。簡易ベスト的な役割も果たすので、意外と入門者にいいかもね。しかし毎度ジャケがチープだなぁ…。「来日記念盤」なんてオビに書くコピーだよ(苦笑)。

DUNGEON
RISE TO POWER
79
輸入盤のみ (2002)

オーストラリアの正統派パワー・メタル・バンド、ギターの片割れとベースが交代して発表された「公式」セカンド・アルバム。音質もだいぶ向上し、ショボショボだったジャケットもCGを使った(とはいえ、グラフィック的にはショボいまま…)ものになって、少しグレードアップした感じ。今回は全てニュー・マテリアルによるフル・アルバムで、音楽性は前作からさらに焦点が絞られてリフも曲調もより剛直になり、正統派、という表現が相応しいサウンドになっている。ただ、その分キャッチーさはさらに減退し、彼らの作るキャッチーなメロディが結構気に入っていた僕としてはちょっと残念。とはいえ、充分にメロディックではあり、速い曲も多いので、いわゆるメロスピのファンにもアピールできる音だとは思う。クオリティは間違いなく上がっているので点数はプラスですが、前作まであったキャッチーさを上手くこの正統派サウンドと融合させることができれば、さらにいい作品が作れるのではないか、という気も。オーストラリア盤ボーナス・トラックであるIRON MAIDENのカヴァー「Wasted Years」とQUEENSRYCHEのカヴァー「Queen Of The Reich」はどちらも原曲に忠実なカヴァーで、安心して聴ける仕上がり。なお、本作はヨーロッパのメタル・インディー大手L.M.P.より、異なるアートワークでリリースされ、本格的なワールド・デビュー作となった。

DUNGEON
RESURRECTION
78
輸入盤のみ (1999)

前作より3年、とっくに解散したと思っていたのだが、メンバー・チェンジはありながら(Drが交代)どうやら細々と活動を続けていたようで、こうして新作がリリースされた。「新作」とはいえ、前作に収録されていた曲が3曲収録されており、前作が実質的にデモ音源集だったことを考えると、彼らの中では本作がファースト・アルバムであるようだ。前作ではキャッチーな曲からヘヴィな曲までよく言えば幅広い、悪く言えば散漫なサウンドを聴かせていたが、本作では前作にあったような、ポップといえるほどにキャッチーな曲はなくなり、どうやら正統的なHMに路線を定めた模様。イントロダクション#1に続くタイトル曲#2は文句なしにカッコいいHMチューン。ドラマティックな大作#11「The Legend Of Huma」をはじめ、その他の曲も適度なフックを備えた佳曲が並んでいる。サウンドはまだまだチープな感が否めないが…。前作のキャッチーさは意外とメロディの印象度という意味でなかなか大きな魅力を担っていたので、作品を聴き終えた後の耳に残り方は前作の方が上(なので、点数は前作の方が上)だが、アルバムとしての統一感、完成度は間違いなく上がっている。ヨーロッパのメロディック・パワー・メタル・バンドのように変なクサさがなく、ソリッドで剛直なリフを中心とした方向性が非常に好ましく、Voの声も男らしく魅力的なので、ぜひこの方向性で頑張ってもらいたい。

DUNGEON
DEMOLITION
79
デモリッション (1996)

正統派HR/HM不毛の地と思われていたオーストラリアから登場した4人組ヘヴィ・メタル・バンドのデビュー作。デビュー作といっても、どうやら実質的にはデモ音源集だったようで(タイトルはそういう意味?)、マトモに流通したのはどうやら日本だけだった模様。本作はTDKコアという、かの有名なTDKの関連会社で、主に教育ビデオなどを出版している会社からリリースされている。この会社はこの後すぐHR/HMのリリースからは撤退してしまったこともあり、そういう意味でも貴重な一枚(?)。しかしよりによってこんなマニアックな代物をリリースするとは…。とはいえ、内容はリスクをとってリリースしたくなるのも少し納得できるなかなかの出来。EARTHSHAKERの名曲「More」を彷彿させるドラマティックなイントロを持つ#1「Don't Leave Me」から、メロディックなHMを愛する人間であればつい心ときめかせてしまう名曲。その後アルバムを聴き進むと、メロディック・パワー・メタル的な曲、LAメタル的なキャッチーな曲、スラッシーといってもいいヘヴィな曲からIRON MAIDENばりのインスト(このバンドのBは、スティーヴ・ハリスからの影響モロ出し)、80年代初頭のニューウェーブ全盛期に人気のあったBLONDIEのヒット曲「Call Me」のカヴァーまで様々なタイプの曲が収められており、しかもボーナス・トラックとして収録されているのはバンドの中心であるVo&Gのロード・ティムのソロ名義によるテクニカルなギター・インスト。こうなるとやはり、単なる「曲の寄せ集め」の感は拭えないが、1曲1曲をとってみると、どれもなかなかクオリティが高く、楽しめる。インスト曲をプレイしていることからもわかるように、演奏力もなかなかのものなのだが、惜しむらくは音質。中学生が描いたようなチープなジャケットのイメージ通りの安っぽいサウンドで、確かにデモ・レヴェルの音質と言わざるをえない。音質が良ければプラス5〜7点は付けてもいいと思えるほどに楽曲はフックがあって良いんだけどね…。

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