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DREAMTALE
WORLD CHANGED FOREVER
79
ワールド・チェンジド・フォーエヴァー (2013)

通算6作目のフル・アルバムにして、バンド史上初めて(!)前作と同じメンバーで制作された作品。そのことが影響したのか、良くも悪しくも安定感を感じる作品に仕上がってはいる。近代文明から隔離されたインド洋にある小民族をテーマにしたコンセプト作であるためか、イントロダクション的な#1の後、従来のように疾走曲ではなく、ミドルテンポの楽曲から始まることもあってツカミはやや弱いが、もちろんアルバム中には疾走パートが随所に登場するし、いずれの楽曲にも「クサい」という表現がピッタリのメロディが満載で、このバンドに求められているものはきちんと提供されている。派手めの音色を多用するKeyサウンドが大々的にフィーチュアされており、エピックな雰囲気の楽曲から、往年のSONATA ARCTICAを思わせる楽曲まで、マニアであれば楽しめる音楽である。しかし、ヴォーカル、演奏ともAクラスとは言い難く、ミックスはティモ・トルキ、マスタリングは前作同様ミカ・ユッシーラという、高音質なメロディック・メタルを生み出してきた名手を迎えているにもかかわらず、なぜか前作より軽めなサウンド・プロダクションもあって、マニア以外にはB級クサメタルのひと言で片づけられてしまいそうな程度のレベルから脱していないこともまた否定できない。10年以上やってきてこのクオリティでは、メタル大国フィンランドにあって少々厳しいのでは。まあ、音楽をやめてしまうには惜しいセンスを持っていることもまた事実だけど…。

DREAMTALE
EPSILON
80
イプシロン (2011)

ギリシャ語で「第5」を意味するタイトル通り、5作目のアルバム。本作はこのバンドにとって画期的な作品である。というのも、デビュー以来約10年という歳月を経て、初めてリード・シンガーが前作から変化しなかったのだ。普通のバンドであれば至極当然のことであるが、このバンドを長年見守ってきた身からするとそれだけで「クララが立った!」的な一種の感銘を覚える…というのは言い過ぎか(笑)。ただ、今回もメンバー・チェンジからは逃れられず、BとDrのリズム隊が前作から交代している。とはいえ、バンドの「顔」が安定したこともあってか、やや楽曲の方向性にバラつきのあった前作に比べ、彼らの本領であるメロディック・パワー・メタルとして焦点の定まった作品に仕上がっている。豊かな歌メロ、幻想的なKeyアレンジが織りなすフックはこのバンドの音楽的センスの確かさを感じさせる充実の仕上がりで、名手ミカ・ユッシーラをマスタリングに迎えた甲斐あってか、前作のウイーク・ポイントであった音質も改善されている。惜しむらくはせっかく安定したVoの声質がどうにもB級で(下手なわけではないのだが)、それがゆえに全体の印象もB級の壁を超えられずにいること。とはいえ、「正統派」にも「プログレ」にも逃げないド直球の「クサメタル」路線を貫くバンドは今や貴重ゆえ、個人的には「いとおしさ」すら感じるサウンドではある。

DREAMTALE
PHOENIX
81
フェニックス (2008)

Gの片割れとBを除くメンバーが全員脱退。彼らの母国フィンランドは空前のメタル・ブームだというのに所属レーベル「Spinefarm」からは前作で契約満了ということでドロップ。普通ならどう考えても「終了」で、典型的キラキラ・メロスピ・チューンである1曲目がボーナス・トラックというDREAM EVIL攻撃(本来の1曲目である#2も疾走曲なのに何故こんなことをする必要が?)も、日本市場に対する「媚び」のように見えて印象がよろしくなかった。というわけで全く期待していなかったのだが、これが存外良い。近年のフィンランド産メタルとしては音質が悪いし、新加入のシンガーも悪くはないものの、前作で歌っていたヤルッコ・アホーラ(元々の所属バンドだったTERASBETONIが本国でブレイクしたため脱退)の力強い歌唱に比べると見劣りする。しかし、かつて日本のメロスパーたちに注目されたメロディ・センスは未だ健在で、随所で耳をとらえるフックあるメロディが飛び出してくる。#3のようなミドルの曲や、#4のようなハード・ロック然とした曲、近年欧州で人気のゴス・エレクトロっぽさもある#5、ダンサブルでキャッチーな#6といった、彼らのイメージである典型的なメロスピっぽい曲以外の楽曲に魅力的なものが多いので、いっそバンド名変えたほうがよかったのでは。しかしソロ・プロジェクトでもないのにデビューからヴォーカルが4作続けて変わったバンドって聞いたことないな。ここまでくると不死鳥というよりはもはやゴキ(以下略)。

DREAMTALE
DIFFERENCE
82
ディファレンス (2005)

前作でちょっと伸び悩んだ彼らの3作目。またシンガーが替わっており、新しく迎えられたヤルッコ・アホーラはデビュー作にゲスト参加していたマルコ・ヒエタラ(TAROT / NIGHTWISH)を思わせる張りのある太い声の持ち主で、サウンド・プロダクションの向上もあってサウンド全体が見違えるように逞しくなっている。お約束のメロディック・スピード・メタル・チューンを2連発した後、トーキング・モジュレーターが「Livin' On A Prayer」を想起させ、唐突に挿入されるケルト風パートが「Over The Hills And Far Away」を思わせる80年代型のハード・ロック・チューン#3「New Life」が飛び出してきてちょっとビックリ。この曲に限らず、物悲しいアコースティック・ソング#7「Sail Away」や、サビのリフレインが印象的な#8「Fly」もこれまでの彼らの典型から外れた楽曲で、本作は音楽性の幅を意識的に広げていこうという意欲が感じられる。とはいえ、モロにSONATA ARCTICAな#6をはじめ、STRATOVARIUSのキャッチーな曲を思わせる#9、STRATOVARIUS+RHAPSODYといった雰囲気の#10など、従来のファンが楽しめる曲も多く、そういう意味でファンの期待を裏切らない一枚といえる。ボーナス・トラックの#12「Powerplay」はダンサブルなアレンジを施したお遊び的な曲であるが、基本的に「人力ユーロビート」とも表現されるメロディック・スピード・メタルを好む皆さんはこういったユーロ・ダンス的な曲も嫌いじゃない、というか意外に好きな人も多いのではないでしょうか。

DREAMTALE
OCEAN'S HEART
78
オーシャンズ・ハート (2003)

前作で見せた優れたメロディ・センスによって「ポストSONATA ARCTICA」の最右翼といわれるようになった(SONATA ARCTICAもまだデビューして3年も経ってないのに「ポスト」が囁かれるなんてせちがらい世の中ですね)彼らのセカンド・アルバム。前作の弱点だったVoに専任シンガーを迎え、しかもコンセプト・アルバムということで結構期待されていたのだが…結果としてブレイクには至りませんでした。なんか前作より音が軽いのは何故? そのせいか全体的に演奏が下手すりゃ打ち込みなんじゃないか、ってくらい無機的に響いている。相変わらずメロディ・センスは悪くない、いや、なかなかいいのだが、そのサウンドのせいもあってか妙にこぢんまりとした印象。新加入のVoがありがちなハイトーン型であるためか、見事に没個性に陥っており、「あぁ、典型的メロスピね」ということで片付けられてしまいそう。他にもこんなバンドあったな…あぁ、INSANIAだ(苦笑)。他のバンドとの比較はさておいても、もう少し個性を打ち出さないことには埋もれてしまうのでは。いや前作に引き続き女性Voを絡めたり、所々デス声を導入したり意欲的な部分も見られるんですけどね…。

DREAMTALE
BEYOND REALITY
83
ビヨンド・リアリティー (2002)

日本でも本格的にメロディック・パワー・メタルの復権が実感されるようになってきた時期に登場したフィンランド出身バンドのデビュー・アルバム。本作発表前に制作したデモが日本のマニアの間で話題となり、その評判を聞きつけた日本のAVALONが契約をオファーし、その契約話を受けて本国のSPINEFARMが正式契約を結んだ…という噂が噂を呼んでのデビュー。音楽性はキラキラしたKeyを大々的にフィーチュアした典型的なメロディック・スピード・メタルで、なかなか哀愁のメロディ・センスに秀でていることもあり、この手の音楽のファンであればかなり楽しめるアルバムに仕上がっている。特に傑作アクション映画「THE ROCK」のテーマ音楽のメロディを使用したイントロから#2「Memories Of Time」の流れは印象的。Gの片割れが兼任するVoは「マイルドなカイ・ハンセン」といった感じでイマイチだが、レコーディング中、喉の感染症にかかったとかで#5と#7ではマルコ・ヒエタラ(TAROT、NIGHTWISH)を、#12では女性ジャズ・シンガーであるというサンナ・ナタネンなる人間をリード・シンガーに迎えており、結果としてその曲の完成度が上がった一方で、アルバムとしてはやや散漫になった観も。


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