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DREAM EVIL
IN THE NIGHT
82
イン・ザ・ナイト (2010)

家庭の問題でマーク・ブラック(G)が脱退、ダニー・ディーモン(G)が加入して発表された5作目のアルバム。前作から4年のインターバルが空いているが、メンバー・チェンジや契約の問題があったためで、実際には1年前にアルバムは完成していたそう。前作でも薄々感じていたが、やはりガス・G(G)の脱退によって、かつてこのバンドが持っていたSCORPIONS風味が減退しており、よりソリッドでコンパクトな正統派へヴィ・メタル作品に仕上がっている。キャッチーな#4「See The Light」、前作はバラードがなくて物足りなかったが、今回はやってくれました、のその名の通り#8「The Ballad」、かつて彼らが生み出してきたクラシカルな劇的ソング「Chosen One」、「Chosen Twice」の流れを汲む曲と思われる、ストリングスをフィーチュアした#12「Unchosen One」など、バラエティを意識しつつも、冒頭3曲が良く言えば質実剛健、悪く言えば地味な曲のため、前作以上にストイックな印象を受ける。メイデン風のツイン・リードが冴える#7「On The Wind」や#9「In The Fire Of The Sun」などは結構即効性があるものの、かつてあったメロスピ風の疾走曲が無くなっていることもアルバムの地味さに拍車をかけているかも。まあ、リッチー・レインボー(なんつー芸名…)ことフレドリック・ノルドストローム(G)いわくこのバンドは「本職ではなく趣味」らしいので、これくらいの中庸な出来でちょうどいいのかも。

DREAM EVIL
GOLD MEDAL IN METAL
80
ヘヴィ・メタルで金メダル!! (2008)

北京五輪に触発されたのか、彼らの地元イエテボリでのライヴを収録したDVDを「金メダル」、CDを「銀メダル」、そして未発表曲(日本盤ボーナスとして既発表のものもあり)を集めたCDを「銅メダル」と称した企画商品。日本ではDVDとCD2枚組で別売りとなっているが、欧州では全てがパッケージされている。個人的にはこういう「ファン向け」の商品にはあまり関心がないのだが、本作の「オマケ」である未発表曲集のほぼ半数が未聴音源であり、これまで彼らのアルバムに収められてきた日本盤ボーナス・トラックは本編の曲をしのぐほどクオリティが高かったので、このオマケを目的に購入。そして聴いてみた感想としては、やはり未聴曲のクオリティもそれなりに高いものの、これまで日本盤ボーナスながらアルバムの目玉曲でもあった#9「The Enemy」や#14「Dragonheart」に匹敵するほどのキラー・チューンはさすがに見当たらなかった。まあ、単に既に耳になじんでいるために初めて聴く曲より良く聴こえる、という面もあるかもしれないが。点数は未発表曲集ディスクのみを対象とした評価だが、これまで彼らのアルバムを全て輸入盤で聴いていて、日本盤ボーナス曲は未聴、あるいは今回初めて彼らの音楽を聴く、という人にとってはプラス3、4点ぶんくらいの楽曲クオリティはある。しかし、ガス・Gやスノーウィー・ショウといったスター・プレイヤーが脱退して求心力が落ちているこの時期にこういう「区切り」めいた商品を出してしまうと、ファンに心理的な「見切り」のきっかけを与えてしまうような気がするのですがどうでしょう。

DREAM EVIL
UNITED
83
ユナイテッド (2006)

ガス・G(G)とスノーウィ・ショウ(Dr)というスター・プレイヤーが一気に抜けてしまったDREAM EVILの4作目。新加入のマーク・ブラック(G)とパット・パワー(Dr)は(黒と力って…)、実力はともかくキャリアとルックスに華がなく、バンド自体が地味になってしまった感が拭えなかったため、正直購入意欲が起きなかった。しかし、BBSでレビューのご要望を頂いたので、買ってみました(笑)。結論から言うと、今回も非常に手堅いHMアルバムだ。不安を抱いていた向きも、新Gと新Drのお披露目的なイントロの#1(イントロが日本盤ボーナス・トラックって斬新:笑)から#2が適度な湿り気を帯びて疾走を開始し、明朗なコーラスにたどり着く頃には胸を撫で下ろすことだろう。激熱のメタル賛歌#3、重厚でありながらキャッチーなタイトル曲#4、切れ味鋭いリフに乗るリード・ギターが古典的ながらも美味しいアップ・テンポのHRチューン#5と、特に前半は魅力的な曲が並ぶ。中盤以降、ミドルの曲が続いてダレそうになる所を、レコード会社が(?)またもや巧みに挿入したボーナス・トラック#11が疾走していたりして、最後まで聴かせる。ヘヴィさと切れ味を兼ね備えたリフと、適度にキャッチーな歌メロのコンビネーション、そしてオリジナル盤とは曲順まで変更したレコード会社の担当ディレクターの情熱によって(笑)、優れた作品に仕上がっている。だが、ガス・G脱退の影響か、泣きのバラードが無くなってしまったし、やっぱりちょっと個性不足かな…。初回盤ボーナス・ディスクに収められた5曲は、バラエティにこそ富んでいるが、出来は騒ぐほどのものではない。

DREAM EVIL
THE BOOK OF HEAVY METAL
88
ザ・ブック・オブ・ヘヴィ・メタル (2004)

「ヘヴィ・メタルの教科書」などという大げさなタイトルを冠して発表された3作目のアルバム。そのタイトルに違わず、JUDAS PRIESTからACCEPT、SCORPIONS、OZZY OSBOURNEに至るまで、過去の名バンドの美味しいエッセンスを凝縮したような充実のアルバムに仕上がっている。中でも、オジー・オズボーンに声が似ていることで話題になったHELLFUELDのシンガーをゲストに迎えた#4「No Way」は、まんまザック・ワイルド在籍時のOZZY OZBOURNEそのもので、ファンならニヤリとさせられる一曲。今回もお得意の泣きのバラード#9「Unbreakable Chain」は出色の出来栄えだが、その他の曲も疾走曲からヘヴィな曲まで捨て曲一切なし。なぜか1曲目と3曲目に日本盤ボーナス・トラックが収録されているのだが、この2曲も日本人好みの疾走曲なので、日本盤がマストバイです。ファーストのラストを飾っていた名曲「The Chosen Ones」を想起させるドラマティックな「Chosen Twice」で幕を閉じる構成もニクい。このアルバムを聴いていてようやく気づいたのですが、このバンド、基本はSCORPIONSですね。フレドリックの骨太のリズム・ギターは明らかにルドルフ・シェンカーだし、ガス・Gの泣きまくりのソロはウルリッヒ・ロート。二クラス・イスフェルドの歌声もどこか哀愁を感じさせる艶があり、クラウス・マイネに通じる魅力を持っている。いいアルバムです。

DREAM EVIL
EVILIZED
83
イーヴライズド (2003)

なんと前作から8ヶ月という短いインターバルで発表されたセカンド・アルバム。このアルバム発表前には来日も果たし、バンドの勢いが上り調子にあることを感じさせるペースだ。実際、曲は来日公演の頃にはあらかた書きあがっていたらしい。前作が非常に80年代メタル的なきらびやかさ、華やかさを各曲が持っていたのに対し、本作はもう少しストレートでソリッドな正統的ヘヴィ・メタルをプレイしている(日本盤の解説を書いている和田誠氏はこれを「ストロング・スタイル」という言葉で表現している)。制作に時間がかけられなかった分アレンジに凝ることができなかったのだろうか? とはいえ、各々が優れたミュージシャンの集合だけに出来は決して悪くない、というか、人によってはこちらの方が男らしくて好きだというかもしれない。前作に比べるとやや地味だが、カッコいいメタル・アルバムです。前作の「Losing You」に続き、本作では#7「Forever More」、#12「The End」と、泣きのバラードのクオリティが素晴らしく高いのもこのバンドの魅力ですね。

DREAM EVIL
DRAGONSLAYER
87
ドラゴンスレイヤー (2002)

現代の欧州メタルシーンを代表する名プロデューサー、フレドリック・ノルドストロームが結成したバンドのデビュー作。優れたプロデューサーによる作品だけに外れはないだろうと予測していたが、その期待を裏切らないアルバムである。#7「The Prophecy」のように、メロスピ的な悶絶疾走曲もあり、まず本作に飛びついたのはその手の音楽のファンだったが、このバンドの本質はSCORPIONSやJUDAS PRIESTなどを思わせる、古き良き80年代のHR/HM。素直に「メタルっていいなあ!」と思える#1「Chasing The Dragon」や#9「In Flames You Burn」から絶品のバラード#4「Losing You」、ややアメリカンな#5「Hail To The King」、ドラマティックな#13「The Chosen Ones」まで、楽曲は粒揃い。日本盤のみに収録されたイエスパー・ストロムブラード(IN FLAMES)作のスピード・チューン「Dragonheart」も秀曲で、本来のストーリー・コンセプト通りの曲順に組み上げられているという日本盤がオススメ。ただ、個人的には「Heavy Metal In The Night」や「H.M.J」いったやや能天気な曲に関しては、ストーリーに沿っているとは思えないので、シングルのB面あたりにしたほうが良かったと思う。「H.M.J.(ヘヴィ・メタル・ジーザスの略だそう)」はARCH ENEMYのマイケル・アモットのことを歌った曲だ…なんて裏話はネタとしては面白いんだけど…。あと、いかに名バラードとはいえ、ボーナス・トラックである「Losing You」のカラオケをアウトロの前に挿入するという行為は、ちょっとセンスを疑うね。センスといえば、このジャケットもどうなのよ(苦笑)。と、優れた作品だけに、逆に色々気になってしまいました。

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