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DRAGONLAND
UNDER THE GREY BANNER
83
アンダー・ザ・グレイ・バナー (2011)

ギタリストのオロフ・モロクがNIGHTRAGEやAMARANTHEといったバンドで精力的に活動していたために、既に活動停止してしまったものと思われていたDRAGONLANDの、実に約5年ぶりとなる5作目のアルバム。PCのヒットゲーム『THE WATCHERS』のヴィジュアル・アーティストを起用したアートワークが、初期に通じるファンタジー路線であることから予想される通り、本作は1st、2ndの続編となる『DRAGONLAND CHRONICLES』3部作の第3章に当たるものだという。とはいえ、初期のような疾走感にあふれたメロディック・スピード・メタルに回帰したわけではなく、どちらかというとKAMELOTやRHAPSODY OF FIREに通じる、シンフォニックなエピック・メタルと呼びたくなる作風である。まあ、少なくともバンド名にはこの路線の方が合っている。オーケストラルでドラマティックなイントロ#1に続く#2のコーラスを聴き、その劇的さに鳥肌が立ったし、エクストリーム・メタルのエッセンスの取り入れ方や、フォーク・メタル風のアレンジ、ゲスト・シンガーの絡め方など、小技も効いている。エンジニアとマスタリングを手掛けたヤコブ・ハンセンの手腕か、サウンドから放たれるA級オーラは過去最高だが、やはりこのちょっと鼻が詰まったような細めのヴォーカルではこのスケール感を生かしきることができず、これまで常に感じてきた歌メロのフック不足も解消されたとは言いがたいのが惜しい。

DRAGONLAND
ASTRONOMY
81
アストロノミー (2006)

このアルバムを買ったのは、TNTの「Intuition」のカヴァーを聴きたかったからでした…ってのはいいかげんしつこい?(笑) STUDIO FREDMANでフレドリック・ノルドストロームのプロデュースの下で制作された本作は、#6は前作収録の組曲「The Book Of Shadows」の「Part IV」と位置付けられて前作において感じられた「変化」をいっそう推し進めた作品となっており、もはやファースト、セカンドの頃のようなキラドコ疾走系メロスピの面影はほぼ皆無。プログレッシヴ・メタルというほどに複雑ではないが、感触としてはその手のバンドに通じる、アートワークや歌詞テーマのイメージに相応しいスケール感のあるメタル・サウンドには、もはやかつて強烈に漂っていたB級感はほとんど払拭されている。前作に続き3部構成の大作#10〜#12を代表に、インスト・パートのアレンジが充実していて聴き応えのある作風だが、こうなるとVoの説得力不足が気になる所で、ゲスト・シンガーとして参加している女声Vo、エリセ・ライドが歌っているパートの方に魅力を感じてしまう。今ひとつフックが足りていないと思える歌メロを書いているのもこのシンガーだとしたら、このVoをチェンジしたほうがいいのではないか。前作同様クライマックスは3部構成の大作だが、これまた前作同様あまりに映画音楽的でちょっとダレを誘うのが難点で、やや尻つぼみな印象。全体として初期の疾走感にこだわるファンをねじ伏せるほどの作品ではないかも。なお、TNTのカヴァーには特にひねりはない。

DRAGONLAND
STARFALL
83
スターフォール (2004)

このアルバムを買ったのは、X JAPANの「Rusty Nail」のカヴァーを聴きたかったからでした…って前作とレビューの書き出しが同じやんけ! BLACK LOTUSなるギリシャの怪しいインディーズ・レーベルから大手CENTURY MEDIAに移籍し、日本盤もメジャーのキングからリリースされた本作は、そうしたランクアップに相応しい成長を示した一作。本作より専任ドラマーが加入しているが、これまでVoとDrを兼任していたヨナス・エイジャートは、ヴォーカルよりもむしろ、強烈な疾走感を生み出していたドラマーとしての評価が高かったので、専任ドラマーより専任シンガーを入れた方がよかったんじゃないの、と思った人は私以外にもいると思います(笑)。Gのリフは全体的にヘヴィさを増し、Drも疾走一辺倒ではなく、曲に上手く緩急がつけられている。何より、Keyの音色がグッと垢抜けたことと、楽曲にメジャー・コードを大胆に取り入れたことによるサウンド全体のスケール感アップは顕著。前作までの「悪くないんだけど、今ひとつ印象に残らない…」という問題は完全には解決されていないが、曲の輪郭は以前より明確になっている。3部構成の組曲「The Book Of Shadows」はKeyのエリアス・オルムリッドが一人で書いた曲だけあって、Keyがメインの曲。映像的で壮大な仕上がりではあるものの、歌のパートが少ないので退屈する人はするかもしれない。で、肝心の(?)「Rusty Nail」は基本完コピに近く、一部発音は変ながら、日本語で歌うことに挑戦した意欲は評価する。

DRAGONLAND
HOLY WAR
78
ホーリー・ウォー (2002)

このアルバムを買ったのは、リマールの「Never Ending Story」のカヴァーを聴きたかったからでした。前作がその強烈な疾走感によって輸入盤市場で好セールスを記録し、本作では当時日本のメロスピ・マニアの聖地となっていたCDショップのDISK HEAVENが運営するインディーズ・レーベルから配給されることに。ただ、メジャー流通に乗っていないインディーズ盤なんて、輸入盤と同じか、あるいはそれ以上に入手が困難だったりするのが実態だったのですが。とりあえず品番のHRHM-2002にちょっと笑いました。Hard Rock Heavy Metal 2002なのかHot Rockin' (レーベル名)Heavy Metal 2002なのかは知りませんが、今年1枚しかリリース予定がないのかと。まあそんなことは普通のメタル・ファンにはどうでもよくて、肝心の内容ですが、基本的には前作と同じ方向性のキラドコ系(キーボードがキラキラ、ツーバスがドコドコ)のメロディック・スピード・メタルで、ヴォーカルを含めた演奏力、サウンド・プロダクション共に若干の、しかし確実な進歩が見られます。ただ、相変わらず歌メロは流麗ながらフックに乏しく、なんとなく聴き流してしまう。この手のキラドコ系メロスピにはマニアが多く、そういったマニアに薦められるだけのクオリティは充分に有している一枚ですが、聴き終えた後一番耳に残っているメロディがボーナス・トラックである「Never Ending Story」のカヴァーというのはちょっと問題なのでは…。

DRAGONLAND
THE BATTLE OF THE IVORY PLAINS
77
ザ・バトル・オブ・ザ・アイヴォリー・プレインズ (2001)

2001年はSONATA ARCTICAのブレイクやDARK MOOR、HEAVENLYの躍進のおかげでB級のメロスピ・バンドへの注目度が一気に高まった年だったが、このDRAGONLANDもその時期注目を集めたバンドのひとつ。KING DIAMONDの天才ギタリスト、アンディ・ラ・ロックのプロデュースも話題のひとつだったが、その音質はやや籠もり気味で分離が悪く、今ひとつ(苦笑)。全体的な雰囲気は北欧的な透明感を感じさせつつ、リリース当時同系バンドの中でも最速説が囁かれるほど疾走感に溢れていてとてもいいのだが、肝心のヴォーカル・ラインがやや淡白で、メロディが頭に残りにくいのが難。印象的なコーラスを備えた#4「Ride For Glory」、#10「World's End」の2曲以外は雰囲気モノに止まっているのが現状。一方、Keyのセンスは相当なもので、全体的にヒネリの足りない楽曲群にフックを与える役目を一手に担っている。彼の作曲した1曲目のオープニングも素晴らしい出来栄えで、アルバムの期待感を高める役割を果たしており、本作発表後KING DIAMONDのサポート・メンバーに選ばれたのも納得の才能を示している。#8の「トルコ行進曲」の必要性は微妙ですが…

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