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DIO
MASTER OF THE MOON
70
マスター・オブ・ザ・ムーン (2004)

「月の主」。この新作もまた、かつてのロニーが描いた世界観に共鳴する者であればついイマジネーションを膨らませてしまうようなタイトルを持つアルバムだ。前作で話題を呼んだダグ・アルドリッチは結局WHITESNAKEのツアー・メンバーになることを選び、前作1作のみで脱退。まあ僕がダグでもあの年齢なら就職先としてはWHITESNAKEを選ぶね(笑)。そのダグの後任は…なんとクレイグ・ゴールディの返り咲き、再々加入。ジミー・ベイン(B)はこの人事に異を唱え、バンドを去った。あんた正しいよジミー。僕もなんでわざわざクレイグを呼び戻す必要があったのか全く理解に苦しむよ。他に知ってるギタリストいないのか。しかもジミーの後任はジェフ・ピルソンって、コイツも元メンバーじゃねえか。人脈狭すぎるだろいくらなんでも(苦笑)。クレイグは下手じゃないが、ハッキリ言ってリフがつまらないし、曲はそれに輪をかけてつまらない。実際本作も凡庸なHR/HMチューンが並んでいて、まったく刺激に欠ける地味なアルバムになってしまっている。ノーギャラでもいいからロニーに自分の書いた曲を歌ってもらいたいと思ってるギタリストなんて世界に3500人くらいはいると思うし、そのうち250人くらいはクレイグよりマシな曲が書けるんじゃないかって真剣に思うよ。

DIO
KILLING THE DRAGON
73
キリング・ザ・ドラゴン (2002)

前作で、その質においてはともかく、とりあえず雰囲気はかつての黄金時代に近いものを呈示したDIOが、新しいギタリストに「あの」ダグ・アルドリッチ(LION〜BAD MOON RISING〜BURNING RAIN)を迎えた、というニュースはオールド・ファンの間ではかなり評判になった。ダグは少なくともここ日本ではギター・ヒーローであり、かつてDIOに加入しかけた経緯があることは、ファンには割と知られた事実である。しかも、タイトルは「竜殺し」。否応なしにかつてのあの大掛かりなステージ・セット、そしてそれに付随するドラマティックな音楽を想像してしまうタイトル、そしてジャケットである。だがしかし、ここで聴かれる音楽は、当時のDIOの音楽が持っていたスケール感やスリリングさには程遠い、こじんまりとした楽曲ばかりで拍子抜け。たしかに方向性は紛うことなき正統派HR/HMで、そういう意味では間違いなく原点回帰しているのだが…。#2の切れ味鋭いリフとか、ダグならではのテクニカルなギター・ソロなど、オッと思う瞬間はあるんだけどね。まあ大方の曲を書いているのはクレイグ・ゴールディだから、そう劇的に変化するはずもなく、そもそも、仮にダグ・アルドリッチが曲を書いたとしても、これまで彼が発表してきた楽曲の質を考えると、実は結果に大差なかったかもしれないのだが(苦笑)。

DIO
MAGICA
76
マジカ (2000)

DIOがついに不似合いなヘヴィ路線を捨て、原点に回帰したらしい、という評判を聞き、「マジか」と思って聴いてみました(寒)。クレイグ・ゴールディを呼び戻して制作された本作はコンセプト・アルバムだそうで、邪悪なものと、世界の復興を目指す魔術師たちの戦いを描く大仰な物語が用意され、ブックレットにも長々とストーリーが記述してある(日本盤ボーナス・トラックはその朗読)。ただ、ドラマティックなイントロのインストゥルメンタルでオッと身を乗り出すものの、肝心の楽曲のクオリティは全盛期に及ばず、今ひとつのめりこめないというのが現実。とはいえ、前2作に比べればはるかにメロディアスだし、ドラマティックなアレンジと雰囲気はファンがDIOに望むものにだいぶ近づいており、くすぐられる部分も結構多い。当時よりリフはヘヴィだが、必ずしも前作までの流れを汲むモダンなものではないし、クレイグの作るリフがつまらないのは今に始まったことではない(って、全然フォローになっていないが…)。とりあえずアイリッシュ風のメロディが印象的な#10は佳曲。もう少し勢いのある曲が何曲かあればもう2、3点プラスしてもよかったかな。ところで、アートワークにある平仮名「ろつうひてく」って、何…?

DIO
ANGRY MACHINES
58
アングリー・マシーンズ (1996)

モダン・ヘヴィ路線DIO第2弾。1曲目から果てしなく退屈なスロウなヘヴィ・チューンで聴く気が失せるが、2曲目以降もテンポの速い遅いはあれ、単調なヘヴィ・リフを中心に構成されたつまらない曲が続く。曲によっては多少メロディらしきものがあったりもするが、特筆すべきものはない。アルバムのラストを飾るのはDIO初といっていいピアノの伴奏だけをバックに歌われる静かなバラードだが、そんな曲でさえもれなくメロディがつまらないので眠くなるだけ。もちろんメジャー・プロダクトだけに演奏やサウンド・プロダクションはしっかりしているので、点数のうち50点はその辺を評価した分と思ってください。まったく、こんな退屈なアルバムを聴かされて、俺がアングリー・マシーンになっちまうっつーの。

DIO
STRANGE HIGHWAYS
67
ストレンジ・ハイウェイズ (1993)

結局再加入したBLACK SABBATHも、思うような成功を収めることができず、アルバム1枚でロニーは再離脱。DIO再結成に際し集ったのは、かつてのメンバーであり、BLACK SABBATHで再び共演したヴィニー・アピス(Dr)、元DOKKENのジェフ・ピルソン(B)、そして88年、DIOを解雇されたヴィニーとジミー・ベイン(B)がその後しばらくやっていたWWVというバンドのギタリストだったトレイシー・Gなるギタリストだった。当時HR/HMを聴き始めたばかりで中途半端な知識しか持ってなかった僕は、トレイシー・Gという名前を聞いて「えっトレイシー・ガンズがDIOに入ったの?」とすっかり早とちりしてしまいました。そんな人は僕だけですかそうですか。で、肝心の音楽性ですが、これが一気にモダン(当時)なヘヴィ路線に変貌しており、かつてのファンを大いに失望させることになってしまった。とはいえ、次作「ANGRY MACHINES」に比べればまだ展開やメロディに起伏があり、人によっては「よく聴けばDIOらしさは残っている」などと評する声もある。ただ、よく聴かなければDIOらしさが見つけられないDIOのアルバムを聴く理由なんてフツーのDIOファンにはありませんよね…。

DIO
LOCK UP THE WOLVES
75
ロック・アップ・ザ・ウルヴズ (1990)

前作のツアーで前座に起用したMEGADETHにすっかり食われてしまったことに衝撃を受けたロニーは、DIOを再びシーンの最前線に立てるユニットに改編することを決意し、自分以外のメンバーを全て入れ替えるという大胆なメンバー・チェンジを行った。ギターには当時弱冠18歳の新鋭ローワン・ロバートソンを迎え、ベースにはテディ・クック、ドラムには元AC/DCのサイモン・ライト、キーボードには元YNGWIE J. MALMSTEEN'S RISING FORCEのイェンス・ヨハンソンというのが本作の布陣である。作風も前作まであった叙情性や劇的な要素を抑え、ヘヴィさに重点を置いた作風となっている。とはいえ、前作よりサウンド自体にパワー感があり、リフ・ワークにメリハリが効いていることもあって、マンネリ感はある程度払拭されており(オールド・ファンには不評だったようだが)、個人的な印象はさほど悪くない。ドライヴ感のある曲などは結構いいと思えるのだが、#4や#6、#7といったヘヴィさを特に強調した曲の退屈さは筆舌に尽くしがたく、アルバムの印象を大きく損なっている。ちなみに、せっかく獲得した天才イェンス・ヨハンソンのキーボードはほとんど聞こえない…(もったいねー)。

DIO
DREAM EVIL
78
ドリーム・イーヴル (1987)

前作のツアーより加入したクレイグ・ゴールディ(G)が初めて本格的に関わったアルバム。基本的な方向性は前作までと同じ方向性なのだが…地味。何がダメかって、HR/HMの生命線たるギター・リフ。クレイグはリッチー・ブラックモアに強い影響を受けているそうで、実際タイトル曲を筆頭にそれっぽいリフが多いのだが、恐らくリッチー本人であれば思いついたとしてもボツにするような単調なリフばかりで、ロニーの堂々たる歌唱がなければ三流のアマチュアHR/HMバンドの曲にしか聞こえまい。それでも90年代の惨状を通過したオールド・ファンは「この頃はよかった」みたいなことをおっしゃいますがね…。とりあえず曲というか歌メロはそれほど悪いわけではないのだが、どうにもスケールが小さい。それに尽きる。そして毎度のことながら、ジャケットも酷い(苦笑)。

DIO
SACRED HEART
85
セイクリッド・ハート (1985)

最初、まちがえてライヴ・アルバムを買ってしまったかと思っちゃいました…、の歓声から始まるサード・アルバム。前作が当時のHR/HMブームに乗って全米23位まで上昇するヒットとなり、上昇気流に乗ってリリースされた絶頂期のアルバム。冒頭を飾る歓声に包まれた「King Of Rock And Roll」はそうした成功を受けての自負の現れか。「Rock 'N' Roll Children」(名曲!)なんかもそういった意識を感じさせる曲名・歌詞だし、ライヴでは「Long Live Rock And Roll」を歌っていたし、ちょうどこの時期HR/HM版「BAND AID」もしくは「We Are The World」というべきチャリティ・プロジェクト「Stars」を主宰するなど、この頃ロニーにはHR/HMの枠組みを超えたロック・アイコンたろうという意識があったように思われる。1曲目にダイナミックなロック・チューンを配置し、その後ドラマティックな曲につなげる、という構成は前2作を踏襲しているが、本作ではやや捨て曲が目立ち(まあ、前2作も「突出した曲」と「中庸な曲」のギャップは結構あるアルバムだったが…)、柄にもないキャッチーでコンパクトな曲の存在もあって、全体の印象はやや落ちる。とはいえ、充分にクオリティの高いHR/HMアルバムであることは間違いない。本作完成後、ヴィヴィアン・キャンベルが脱退、このアルバムに伴うツアーはクレイグ・ゴールディを迎えて行なわれた。

DIO
THE LAST IN LINE
87
ラスト・イン・ライン (1984)

キーボードにクロード・シュネルを迎えて制作されたセカンド・アルバム。基本的な音楽性は前作の延長線上にある正統的なHR/HMで、ロニーの大仰な歌唱が劇的な印象を強めている。アルバム冒頭を飾る「We Rock」は、個人的にはOZZY OSBOURNEの「Bark At The Moon」と並ぶ「これぞHR/HM!」という名曲。ソリッドなギター・リフに被さるヴィニーのシングル・ストロークのロールは歴史的な名演と言っても過言ではない。続くタイトル曲も前作のタイトル曲同様、劇的な曲調に胸躍る名曲。その他の楽曲のクオリティもおしなべて高く、トータルとして見たときに最高傑作であると言っていい出来栄え。ただ、だからこそあえて言っておくと、ロニーの圧倒的な歌唱と、ヴィヴィアンやヴィニーの名演によって「カッコいい!」と思わされてしまっているが、正直楽曲(というかメロディ)がそんなにいいかというと案外そうでもないのが実態で、個人的にロニー最高のパフォーマンスと感じているRAINBOWの「Stargazer」を聴いたときに感じるような神がかり的な凄みをこのバンドの音楽から感じたことはないんだよね。どのアルバムも歌っているのがロニーでなければマイナス3点て所です。まあ、そんなイヤミをいいつつも、本作を含め、ファーストから次作までは正統派HR/HMファンを自認するなら聴いておくべき一枚であるとは断言できます。

DIO
HOLY DIVER
86
情念の炎〜ホーリィ・ダイヴァー (1983)

BLACK SABBATHで「HEAVEN AND HELL」、「MOB RULES」という傑作様式美アルバムを遺したロニー・ジェイムズ・ディオが、自らのリーダー・バンドとして己の姓を冠して結成したバンドのデビュー・アルバム。メンバーはNWOBHMで登場したバンド群のひとつ、SWEET SAVAGE出身のヴィヴィアン・キャンベル(G)、かつてRAINBOWで僚友だったジミー・ベイン(B)、共にBLACK SABBATHを脱退したヴィニー・アピス(Dr)。音楽性はロニー在籍時のBLACK SABBATHにモダンなフィーリングを加味したかのような硬質な様式系HR/HM。アンセムというべき#1「Stand Up And Shout」の性急なビートとソリッドなギター・リフからして鼻血もののカッコよさだが、続くタイトル曲のドラマティックな曲調、そしてロニーがかつて在籍したバンドに対する当てつけとも取れるような曲名を持つメロディアスな#8「Rainbow In The Dark」など、楽曲も充実している。ただ、聴き終えた後印象に残っているのはメロディよりも、ロニーの鬼神の如き強力な歌いっぷりと、ヴィヴィアン・キャンベルの切れ味鋭いギター・ワークだったりして。どうでもいいけどジャケットの悪魔(?)のポーズがイヤミの「シェー」に見えて仕方ないのは僕だけでしょうか。

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