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CONCERTO MOON
AFTER THE DOUBLE CROSS
83
アフター・ザ・ダブル・クロス (2004)

Bが三谷耕作から元PRECIOUSの木本高伸に、Drが佐藤潤一から木本の昔のバンド・メイトであったという竹岡洋一に交代して発表された6枚目のフル・アルバム。BURRN!誌上の(編集長による)絶賛を無視して虚心に聴いても、なかなかの力作である。初期の野暮ったさと紙一重のクサさが薄れたことをどう感じるか、という問題はあるにせよ、総合的な完成度で言えばバンド史上最高傑作と言っていいだろう。先行ミニ・アルバムでお披露目した#10「Concerto Moon」のようなピュア・ネオクラ路線三昧かと思いきや、クラシカルなエッセンスをちりばめつつも、基本的には骨太な正統派HR/HMを追求している。勢いのある楽曲が揃っており、アルバム最後まで緊張感に満ちた仕上がりだ。収録曲を10曲に絞り込んだことも、濃密な楽曲によって聴き疲れすることをなく聴き終えることができて好印象。ギターのフレーズもインプロヴァイズに逃げず、非常に練られており、これまで以上に耳を引く。HR/HM史上に残るようなアルバムかどうかはともかく、いいアルバムだ。初回盤はDEEP PURPLEの「Smooth Dancer」、KANSASの「Point Of Know Return」、ALCATRAZZの「Hiroshima Mon Amour」、ブライアン・メイの「Too Much Love Will Kill You」、RAINBOWの「I Surrender」のカヴァーを収録したボーナス・ディスク付。

CONCERTO MOON
CONCERTO MOON
76
コンチェルト・ムーン (2004)

「絶対の自信作」だという、バンド名を冠した楽曲をフィーチュアした、通算6枚目のフル・アルバム「AFTER THE DOUBLE CROSS」の先行ミニ・アルバム。アルバムとの楽曲重複はタイトル曲のみで、他の曲は全てアルバム未収録曲(タイトル曲もアルバム収録バージョンとはマスタリングが異なるそうだ)。インタビューでメンバーが力説していたように、タイトル曲以外の楽曲も決して捨て曲などではなく、アルバムに入っていてもおかしくないクオリティの楽曲が揃っている(特に#5「Like A Beast」はこのバンドの音楽が好きなら必聴の疾走曲)。肝心のタイトル曲は、前作ではあえて控えめにしていたネオ・クラシカルのエッセンスを「これでもか!」と盛り込んだ、ある意味「典型的」な楽曲。やはり自分たちの本領はこれだ、ということなのだろう。好き者にはたまらないことだろうが、個人的にはこういったコテコテのネオクラ・チューンには井上の野太いVoはミスマッチで、むしろKeyの小池による#2「Target In The Spider's Web」のようなシンプルで力強いHR/HMチューンの方が、Voの魅力を引き出していると思う。なんとなく、優れた楽曲が5曲揃っているという点で、IMPELLITTERIの「VICTIM OF THE SYSTEM」を思い出した1枚。

CONCERTO MOON
LIFE ON THE WIRE
82
ライフ・オン・ザ・ワイアー (2003)

井上貴史(Vo)加入後3作目となるアルバム。ただ、前々作「GATE OF TRIUMPH」が島(G)のソロ・アルバム的な色彩が強く、前作「DESTRUCTION AND CREATION」がベスト・アルバム的な作品だったことを考えると、純然たるニュー・アルバムはこれが初めてとなる。メンバー自身もこれが「新生CONCERTO MOONの第1弾」と捉えているようだ。音楽的には、従来に比べてコテコテのネオ・クラシカル色が減退し、より広い意味での正統派HR/HM色が強まったのは、これまでならDOUBLE-DEALERで使用したであろうタイプの楽曲もこのバンドで使用することにしたからであろうか。1曲目をあえて#5のようなスピード・チューンではなく、シンプルな力強さのある「Strangers」にしたのもそうした「変化」を意図的に打ち出したものかもしれない。#3のような、ポップ・フィーリングさえ感じさせる楽曲の存在も新機軸だが、本作のハイライトは何といっても2曲目の「It's Over」。ドラマティックなKeyリフがリードする楽曲は「新たな代表曲」となりうる名曲ぶりで、実は当時アルバイトをしていたCDショップにこの曲のビデオ・クリップがサンプルとして送られてきたことが本作購入の動機になったのである(正直、PVは井上のカリスマ性の欠如を露呈してしまっていたが…)。島のギターも、これまでと異なり、マイケル・シェンカー的なアプローチのソロも随所で聴かせている。注目度が落ちていた時期のアルバムではあるが、実はなかなか楽曲充実の好盤である。

CONCERTO MOON
DESTRUCTION AND CREATION
81
デストラクション・アンド・クリエイション (2002)

DOUBLE-DEALERが音楽的なこととは無縁の「諸事情」よって実質的な活動停止に陥り、再び腰を据えてCONCERTO MOONの活動を再開すべくリリースされたアルバム。前任Vo尾崎隆雄在籍時の楽曲の中から選ばれた楽曲を、新Vo井上貴史の歌に差し替えた形で収録した「リテイク・ベスト盤」。さすがに歌だけ差し替えるのでは悪意が感じられるためか、島(G)のギター・ソロも全面的に録り直されている。#1「Unstill Night」や、#8「Fight To The Death」のような力強い楽曲には井上のパワフルな歌声がマッチしており、今回の企画の成功例となっている。一方、尾崎独特のクセが楽曲の魅力となっていた#3や#4、#9などは、少なくともオリジナルを知っている身には違和感が否めない。なお、本作発表前にDrが佐藤潤一に交代しており、新曲の#10、#11、#12の3曲は佐藤がDrをプレイしている。新曲のうち#10と#11はインスト。選曲はベストとは言いがたい部分もある(#2とか#6ってそんなにいい曲か?)が、所謂「ベスト・アルバム」とは企画趣旨(尾崎に対するあてつけ?:笑)が異なるのであえてそのことは非難すまい。しかし、オビにある「これぞハードロックのフォーティア・ルフィフトゥラ」ってコピー、意味わかった人がどれだけいるんだろう…(ギリシア語で「炎の渦」の意。『聖闘士星矢』を読んでなかったら絶対わかりませんね)。

CONCERTO MOON
GATE OF TRIUMPH
80
ゲイト・オブ・トライアンフ (2001)

DOUBLE-DEALERでの活動がメインとなっていた島紀史(G)のソロ・プロジェクトとして発表されたアルバム。ニュー・シンガーとして迎えられた井上貴史は森川之雄(元ANTHEM〜POWERNUDE)を小粒にしたような感じの、グラハム・ボネットを思わせるパワー・シャウター。悪くないシンガーだが、正直これではDOUBLE-DEALERの下山とタイプが被るので、個人的にはもっとクリアなハイ・トーン系を入れたほうがバンドの個性が引き立ったのではないかと思う。内容は「ソロ・プロジェクト」らしく、#1、#2、#4、#5、#8、#9とアルバムの半数をインストが占める、ギター・オリエンテッドな作品となっている。インスト・ナンバーも、島のイングヴェイ直系のネオ・クラシカルなセンスが遺憾なく発揮されたメロディアスな楽曲が多く、ギターを弾かない人間でも楽しめる。インストを3曲は続けず、適度にヴォーカル・ナンバーを挟んでいるのが好印象で、おかげでダレずに聴きとおすことができる。過去の名曲の再録#10「Alone In The Paradise」、#11「Take You To The Moon」も収録するなど、「本命」のバンドではない分リラックスして制作できたのだろうか、程よく肩の力が抜け、前作よりも楽しめるアルバムになっている。

CONCERTO MOON
RAIN FOREST
78
レイン・フォレスト (1999)

メジャー・デビュー作となった前作もそこそこ話題となり、先行シングル(#2「Time To Die」)までリリースされた後に発表された、メジャー2作目となる通算3枚目のアルバム(ライヴ盤は除く)。音楽性は全く変わらずピュアなネオ・クラシカル様式美。しかし、今ひとつ心昂ぶるものがない。楽曲のクオリティは下がっているわけではなく、むしろ平均的には上がっているかもしれないのだが、「これぞ!」というキラー・チューンがないために、何となく平坦な印象を受けてしまう。方向性が変わらないことは安心感につながる一方、楽曲のクオリティが充分でない場合すぐマンネリを指摘されてしまうものだが、まさに本作はそのケース。特に歌唱の説得力不足が顕著で、これが、本作を最後に脱退した尾崎(Vo)のモチベーションの問題だったのか、あるいはここで露呈した限界が尾崎の脱退につながったのか、因果関係はわからないが、つくづく惜しい仕上がりである。むろん、歌唱の問題を覆すだけのキラー・リフを生み出せなかった島(G)にも責任の一端はあると思うが。一番注目度の高かったこの時期にこの程度のアルバムを出してしまったことがこのバンドがイマイチ浮上できなかった原因なのではないか。

CONCERTO MOON
FROM FATHER TO SON
85
フロム・ファーザー・トゥ・サン (1998)

デビュー・アルバムがBURRN!誌の大プッシュによって話題となったCONCERTO MOONが、満を持してメジャー・デビュー。きっとデビューはキングかビクターだろうと思っていたらバップというのがちょっと意外でした。タイトルが「父から子へ」。父はイングヴェイですか?それともリッチーですか? といった感じだが、「様式美」の精神性を表現したタイトルと言えよう。1曲目のイントロから島紀史の超絶速弾きが炸裂し、鳥肌が立つ。「夢は破れぇ〜」というガナり気味の日本語Voに一瞬ズッコケそうになるが、楽曲自体は非常に良い。基本的には前作同様、ネオ・クラシカル様式美の王道を行きながら、ハモンド・オルガンをフィーチュアしたDEEP PURPLE風の#2「Surrender」や、甘いバラードの#5「One And Only」など、楽曲の幅を広げている。全編英詩のタイトル曲#6を筆頭に、楽曲のクオリティは非常に高く、全編通して楽しめる好盤に仕上がっている。尾崎のVoは正直「世界」のレベルと比べると厳しいが、これはこれで味があると受け止められるかどうかで評価が変わってくるのではないか。個人的には聴いているうちに結構クセになってしまったのですが(笑)。

CONCERTO MOON
FLAGMENTS OF THE MOON
79
フラグメンツ・オブ・ザ・ムーン (1997)

92年のANTHEM解散後、不毛の地と化していたジャパニーズ・メタル界に突如現れた超新星、CONCERTO MOONのデビュー・アルバム。元CRYSTAL CLEARの島紀史(G)と、元ZENITHの尾崎隆雄(Vo)を中心に結成。このバンドの何が凄いかというと、およそ90年代らしい要素が全く存在しないことである。まるで80年代の日本の様式系HR/HMバンドをそのまま真空パックして、この時代に開封したかのような、純度100%のジャパニーズ様式美。かつてANTHEMやTERRA ROSA、HARRY SCUARY、PRECIOUS、WOLFといったバンドがまとっていた空気を、サウンドも、そしてルックスまでそのまま再現しているのだ。そしてそれらのバンドをこよなく愛するBURRN!誌の編集長がこのサウンドに惚れ込み、同誌で大プッシュをしたことがこのバンド浮上のきっかけとなった。こういった古式ゆかしいジャパメタはこれまでも存在し、CONCERTO MOONの所属レーベルである「Mandrake Root」から自主制作音源をリリースしたりしていたが、そのレベルはお世辞にも高いとはいえず、このバンドが初めて「普通のHR/HMファンが聴けるレベル」に到達した存在となった。音質やアートワークにはB級感が拭えないが、島紀史の「まるでイングヴェイ」な速弾きと、ネオ・クラシカル様式美の王道を体現するクオリティの高い楽曲は、たしかに久々のジャパメタの逸材と呼びたくなるのも無理はない。ルックスくらいはもうすこし垢抜けていてもいいのではないかと思わないでもないが(笑)。

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