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CONCEPTION
FLOW
81
フロウ (1997)

これまで充分な個性を顕しつつも、基本的には正統的なHR/HMのコンテクスト上で語られるべき音楽性を示してきた彼らが、初めて大きな方向性の変化を見せた4作目のアルバム。リズム・パターン、ギターのサウンドやバッキング、サウンド・エフェクトの使い方などに90年代アメリカのモダンなロックからの影響が窺われるようになり、以前のテクニカルかつ複雑な展開は影をひそめた。そう言うと、一般的なHR/HMファンにとって疎遠な音になってしまったように聞こえるかもしれないが、個人的には前作よりずっと好感触。なぜなら、アレンジが変わろうと、このバンドの絶対的な個性だった神秘的なムードは充分に保たれているし、楽器陣が「引いた」分、歌のスペースが拡大し、キャッチーさが増しているからだ。とはいえ、疾走チューンなどは望むべくもなく、トゥーレ・オストビーのテクニカルなギターに聴き所を見出していた人には今ひとつ物足りないかもしれないが、#1、#4、#5、#9、#10、#11などはなかなかフックが利いていてよろしい。とはいえ、進んで聴きたくなるほどのアルバムか、と問われると微妙だが…。

CONCEPTION
IN YOUR MULTITUDE
80
イン・ユア・マルティテュード (1995)

サード・アルバム。リーダーのトゥーレ・オストビーはこのアルバムに一番満足しているといった旨の発言をインタビューでしており、事実、演奏の充実度は過去最高といえる。しかし、このアルバムで日本での人気は失速した感が強いのは、フュージョン的な要素を高めた演奏の充実が、楽曲の難解さを増す結果につながったためだろう。もともと疾走曲を多くプレイするタイプのバンドではなかったが、このアルバムにはヘヴィ・メタルらしいわかりやすい疾走パートはほぼ皆無で、ミドル・テンポ中心の楽曲ばかりだったことが、ただでさえ取っ付きやすいとはいえない彼らのサウンドの敷居をさらに上げている。要するにパワー・メタルからプログレッシヴ・メタルにシフトしたということなのだが、例えばDREAM THEATERのようにテクニックのアピールが強いわけではなく、メロディが陰気なこともあって、当時の彼らの支持母体だったメロディック・パワー・メタルのファン層にはあまり受け入れられなかった。こうして分析的なことを述べ、質の高さを認めている僕自身、あまりにHR/HM的なカタルシスが少なすぎて、正直聴いていると眠くなります。ただ、プログレッシヴ・メタルのファンにとってはちょっとしたカルト・アイテムといえるかも。

CONCEPTION
PARALLEL MINDS
85
パラレル・マインズ (1993)

彼らの日本デビュー作。前作で見られたフラメンコ調のパートは消え、次作以降目立ってくるフュージョン的な難解さも控えめで、彼らの作品中最もストレートな作風と言える。とはいえ、神秘的でやや近寄りがたいムードに変化はなく、サウンド・プロダクションが向上したこともあってよりスケール感を感じさせる。前作と比べるとキャッチーといえるメロディが増え、展開も難解さが減じて、ドラマティックな起伏を感じさせるようになったこともあり、楽曲にフックが増した。劇的なコーラスを備えた名曲と呼ぶに相応しいタイトル曲を筆頭に、静かな悲哀に満ちた絶品のバラード#4など、クオリティの高い楽曲が揃っている。所属レーベルがNOISEだったこともあって、彼らのファンはHELLOWEENをはじめとするジャーマン・メタルのファンが中心(一度だけ行なわれた来日公演もGAMMA RAYのサポート・アクトとしてのものだった)だったが、むしろDREAM THEATERあたりのファンにアピールする音かもしれない。

CONCEPTION
THE LAST SUNSET
82
ザ・ラスト・サンセット (1991)

日本では次作「PARALLEL MINDS」と同時にリリースされた彼らのデビュー・アルバム。既にこの時点で硬質のギター・リフ、凝った展開に、変拍子等を取り入れたプログレッシヴなアレンジ、ロイ・S・カーンの耽美的な歌唱を生かしたダークで神秘的なメロディ、という彼らのオリジナリティは確立されている。やや奥行きに欠けるものの、この時期のインディーズのアルバムとしてはサウンド・プロダクションも悪くない。スリリングな疾走チューンの#2、シアトリカルな#5をはじめ、メロウな#8、組曲構成の#10等、緊張感に満ちた楽曲の質は高い。トゥーレ・オストビーのルーツのひとつであるフラメンコ調のプレイが多く聴けるのも興味深いポイントで、バンドの個性となっている。

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