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CIRCUS MAXIMUS
NINE
85
ナイン (2012)

Voのマイケル・エリクセンはロイ・カーンの代役としてKAMELOTのライヴにゲスト・シンガーとして参加したり、日本で好評を博したメロディアス・ハードのプロジェクトであるTHE MAGNIFICENTに参加したりと活動していたが、バンドの作品としては5年ぶりとなるサード・アルバム。基本的には前作の延長線上にある作風ではあるが、プログレッシヴ・メタルのクリシェというべきパートが減少し、より内省的でどこか冷然とした、独自の叙情世界を追求した作品に仕上がっている。イントロに続く冒頭の#2や、アルバムのクライマックスとなる#10こそ、この手のバンドにありがちな10分を超える大作で、#9も8分を超える比較的長尺の曲だが、それ以外の楽曲は4〜5分程度と、この手のバンドにしてはコンパクトにまとめられている。前作収録の「Arrival Of Love」ほど快活でポップな曲はないものの、「歌もの」として聴けるほどメロディアスでキャッチーな曲から、ヘヴィなグルーヴをフィーチュアした曲まで、楽曲のバラエティ感といい、独特の叙情性とドラマ性を秘めたポップ・センス(心なしか時にKAMELOTに通じる妖艶なダークさを感じる)といい、この手のバンドの類型に陥らない、繊細なソングライティングが光っている。派手さには欠けるものの、ジワジワ来る、味わい深いアルバムである。

CIRCUS MAXIMUS
ISOLATE
87
アイソレイト (2007)

ノルウェーのプログレッシヴ・メタル・バンドのセカンド・アルバムで、日本デビュー作。輸入盤のみだった前作もプログレ・メタル・マニアの間では評価が高かったし、本作もなかなか評判良いようなので、個人的にこの手の音には食傷気味だったが思い切って買ってみた。1曲目の冒頭を聴いて「ああ、やっぱこの手の音ね」と思ったが、歌が始まり、ヴァースに差し掛かる頃には、こりゃ十把ひとからげのバンドとは違うかも、と感じ、#2「Abyss」に入る頃には彼らの音楽世界にすっかり取り込まれていた。基本的にはDREAM THEATERのフォロワーだと思うし、プログレ・メタルにありがちな無意味に難解なフレーズやら、せわしないリズムチェンジに素直にノれない変拍子、愛想のない鋭角的なリフといった、僕がこれ系のバンドを好まない理由となっている要素も散見されるが、このバンドはとにかく歌メロがいい。ジェイムズ・ラブリエ(DREAM THEATER)を少しウエットにしたような素晴らしい歌声のVoによって歌い上げられるメロディはプログレらしい品格を保ちつつもかなりキャッチーで、北欧ならではの叙情性を多分に含んでおり、否応なく心に染み入ってくる。特にハード・ポップ・チューンと呼んでも過言ではないメロディアス&キャッチーな#5「Arrival Of Love」はまさに心躍る名曲で、エンドレスリピートを誘発。類型的なプログレ・メタルのフォームから脱却したこういう曲がもっと増えたら凄いことになりそう。

CIRCUS MAXIMUS
THE 1ST CHAPTER
85
ザ・ファースト・チャプター

次作「ISOLATE」の好評を受け、順番は逆になったものの、日本盤リリースが実現した05年発表のデビュー・アルバム。今回の日本盤リリースに際し、かのHELLOWEENやPRETTY MAIDS、最近ではWUTHERING HEIGHTSなどとの仕事で知られるトミー・ハンセンの手によってリマスタリングが施され、ジャケットのロゴも新しいものに差し替えられている。「IMAGES AND WORDS」の頃のDREAM THEATERを思わせる音楽性はこの時点でかなり高い次元に達しており、「ISOLATE」を気に入ったクチであれば大きく外されることはない。#3など、楽曲によってはSYMPHONY Xからの影響も顕著で、オリジナリティに関してはまだまだであるが、この時点で既に発揮されている北欧ならではのメロディ・センスと、そのメロディの魅力を最大限に引き出しているマイケル・エリクセンのヴォーカルは絶品で、プログレ・メタルであるにもかかわらず「キャッチー」に聴かせることに関しては、当代随一かも。「プログレ」にこだわらず、メロディを聴かせるところはメロディを活かし、楽曲を無駄に引き伸ばさないことは非常に好感が持てる。一方本作のハイライトであるタイトル曲は19分に及ぶ大作で、「これ何てRPGのサントラ?」と訊きたくなるようなファンタジックかつダイナミックな展開が素晴らしい。コアなプログレ・ファンにはちょっとヌルいかもしれないが、僕のような歌モノ重視のリスナーにとっては非常にとっつき易いバンドだ。

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