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CHILDREN OF BODOM
HALO OF BLOOD
82
ヘイロー・オヴ・ブラッド (2013)

デビュー以来所属していた「Spinefarm」から「Nuclear Blast」への移籍第一弾となるアルバム。前作ではアメリカ人プロデューサーを迎えていたが、アメリカでのチャート・アクションが前々作より振るわなかったためか、それともやはり同じ北欧人の方が作業しやすかったのか、本作はHYPOCRICYのピーター・テクレンのプロデュースによって制作されている。当初よりインタビューでは初期を思わせる要素が多いという話が出ており、ジャケットのアートワークも北欧っぽい(?)雪景色が採用され、原点回帰を想起させるものになっている。実際、作風としてはここ数作で最も初期に近く、メロディ感を意識したリフ・ワーク、Keyの存在感の強さなど、衝撃のデビュー作から名盤の誉れ高き4th「HATE CREW DEATHROLL」に通じるムードが支配的である。そういう意味では初期の彼らを愛する私のようなファンには喜ばしい方向性であるはずなのだが、必ずしも快哉を叫ぶような仕上がりではなかったというのが本音。初期の彼らはメロディにせよアグレッションにせよ、本人たちの意思とは無関係に溢れ出る、いや「ほとばしる」という表現が相応しいような得体のしれないテンションがあったのだが、本作は(というかここ数作はどれも)「こういうアルバムを作ろう」という思惑、意地悪な言い方をすれば「計算」が感じられ、暴力的に心の琴線を掻き毟られるかのようなパワーに欠ける。とはいえ出来は決して悪くないし、そういう若さゆえのパッションみたいなものを15年選手になろうかという現在の彼らに求めるのは酷というものかもしれないが…。

CHILDREN OF BODOM
RELENTLESS RECKLESS FOREVER
83
リレントレス・レックレス・フォーエヴァー (2011)

前作が全米初登場22位を記録する成功を収め、LOUD PARK 09への出演を含む2回の来日公演、これまで様々な折に披露してきたカヴァー・ソングをまとめた「SKELETONS IN THE CLOSET」のリリースを挟んでリリースされた7作目のアルバム。これまでと異なり、北欧人ではなく、SLAYERなどを手掛けたアメリカ人、マット・ハイドをプロデューサーに迎えて制作されている。購入当初、パッと一聴した際には「今回も初期のような私好みのメロディは戻っていないなあ」と思ったが、少し聴き込んでみると今回はリフがかなりダイナミックに練り込まれているし、前2作に比べてソロも充実。Keyも初期ほど派手ではないものの印象的なフレーズが随所で効果的に使用されており、ときに3rdを思い出させるような「HR/HMとしてのメリハリ」がある。一撃必殺のキメ曲こそないものの、アグレッシヴな曲から少しR&Rフィーリングのある曲、ややキャッチーな曲など、楽曲はバラエティに富んでいるし、曲数を絞っていることもあって捨て曲はない。初期のクサメロの復活は望むべくもなく、4thは二度と訪れない「瞬間の奇跡」のような作品だとすれば、本作の路線は現在の彼らに現実的に望みうる最良のものなのではないか。彼らがまだまだ「終わコン」ではないことを示す、カッコいいメタル・アルバムだと思います。


CHILDREN OF BODOM
BLOODDRUNK
80
ブラッドドランク (2008)

前作発表後、TRIVIUMやGOD FORBIDなど現地の人気バンドを前座に従えた全米ツアーやSLAYERをヘッドライナーとする「UNHOLY ALLIENCE TOUR」などを通じてさらに全世界規模での人気を拡大した彼ら。ライヴDVDのリリースを経てリリースされた本作だが、個人的には「どうせさらにヘヴィに、アメリカンになってるんだろ?」と斜に構えた冷めた気持ちで期待せずに聴いた。すると、冒頭に初期の彼らのトレード・マークというべきオケヒットが炸裂していることが象徴するように、ヤンネ・ウィルマンらしい存在感のあるKeyが復活していて、ちょっと好印象。個人的にこのKeyこそがCOBを他のバンドから差別化していると思っているが、彼らもそのことに気付いたのだろうか。あるいはヤンネ自身が「前作みたいな路線で行くなら俺いらねえじゃん!」とキレてみたのか(笑)。とはいえもちろん初期のようなネオ・クラシカルなメロディが復活しているわけではなく、全体的にはかなり攻撃的で(特に前半)、強いて言えば前々作に近い作風だが、残念ながらあそこまで研ぎ澄まされた仕上がりではない。また、これまで良し悪しはともかく毎回作風に新機軸があったのに対し、本作は過去の作品で提示された要素のコラージュっぽい印象があり、やや新鮮味が薄いのは問題。まだ守りに入るには早いでしょ。僕のように期待しないで聴けば悪い作品ではないが、彼らに対する期待値が高い人ほど酷評したくなる作品かも。ちなみに個人的にSHM-CD初体験アルバムでした。


CHILDREN OF BODOM
ARE YOU DEAD YET?
79

アー・ユー・デッド・イェット? (2005)


前作で脱退したアレクザンダー・クォファラ(G)に替わって、アレキシの別プロジェクトSINERGYに参加していたローペ・ラトヴァラ(G:元STONE)が当初ヘルプとして、後に正式に加入。近年はIN FLAMESやSOILWORKらの成功もあってアメリカにおいても北欧のメロディック・デス・メタルに対する注目が高まっており、当然彼らに対する注目も全世界的に向上。EP「TRUSHED, LOST & STRUNGOUT」(表題曲は本作にも収録)発表後には前座とはいえFEAR FACTORYやLAMB OF GODといった現地のビッグ・ネームとのアメリカ・ツアーも実現、全米での支持基盤を確実に築きつつあった。そういった状況を意識してか本作で聴ける音楽性は、前作の延長線上にありながらよりネオ・クラシカルな要素を後退させ、ヘヴィな攻撃性を押し出した作風となっている。もちろんあちこちに従来の彼らを彷彿させるフレーズなども登場するが、個人的には彼らの魅力の半分(あるいはそれ以上)を担っていたヤンネ・ウィルマンのKeyの存在感が大幅に薄くなってしまったのが痛い。ボーナス・トラックである#10はブリトニー・スピアーズの、#10はPOISONのカヴァーで、これは彼らなりのユーモアというかジョークであろうと思うが、ちょっとスベっているような感も無きにしも非ず。これまでの彼らのボーナス・トラックって何気にアルバムの内容を象徴しているような気がしてきたな(苦笑)。


CHILDREN OF BODOM
HATE CREW DEATHROLL
88
ヘイト・クルー・デスロール (2003)

個人的に「メジャー級の傑作」だと感じた前作に対しても、当時私の周りでは「Keyの音色が安っぽい」だの「フレーズがクサ過ぎて恥ずかしい」だのなどというネガティヴな声があった(そういう人たちはHR/HMではなくアメリカやイギリスのロック・バンドを好む人たちだったが)。しかし、所属レーベルである「Spinefarm」が世界最大のレコード会社である「UNIVERSAL」に買収された結果、日本でもユニバーサルからのリリースとなった本作はそんな手合いも(恐らく)黙らせる超メジャー級の風格を感じさせるアルバムに仕上がった。過剰にクサいメロディを抑えつつ、Keyのキラキラ感も控えめにした結果、よりタイトに洗練された「ブルータル・ヘヴィ・メタル」がここに体現された。冒頭を飾る「Needled 24/7」はその進化を端的に示す名曲と言えよう。前作にもチラッと感じられたロックン・ロール感覚に加え、時にハードコア的なテイストも感じさせるところがよりクール。前作のボーナス・トラックがコテコテの80年代メタルだったのに対し、本作のボーナス・トラックがSLAYERにRAMONESという、より「ストリート寄り」な選曲であることもある意味本作の方向性を象徴している。タイトル曲#9はこの路線を象徴する緊張感に満ちた名曲だ。本作発表時点でのCOBは紛れもなく「世界一カッコいいメタル・バンド」だった。個人的には前作までのクサクサコテコテ路線も捨てがたいんだけどね。

CHILDREN OF BODOM
FOLLOW THE REAPER
91
フォロー・ザ・リーパー (2000)

前作発表後、精力的にツアーを行ない、来日公演を収めたライヴ・アルバム「THE TOKYO WARHEART〜東京戦心」をリリース。さらに中心人物であるアレキシ・ライホ(Vo, G)は恋人(?)であるキンバリー・ゴス(Vo)をフィーチュアしたSINERGYのアルバムを発表したり、母国の先輩ブラック・メタル・バンドINPALED NAZARENEに加入したりと、は精力的に「課外活動」もこなしていたが、1年半という順当なペースで新作が届けられた。そしてこの内容がまた強力なのだからそのクリエイティヴィティには恐れ入る。前作よりややキャッチーでストレートになり、聴きやすさを一段と増したサウンドは、サウンド・プロダクションが向上し、よりダイナミックなサウンドを獲得したこともあって、もはやデス/ブラック・メタルにありがちなアンダーグラウンド臭はほとんど感じられない。PVも制作された#4などは、このバンドにおいてはある種バラード的な役割を果たす曲だろう。前作に引き続き全曲名曲級の楽曲が揃っており、アレキシのG、ヤンネ・ウィルマンのKeyともにカッコいいフレーズの宝庫というべきメロディの充実ぶり。本作の日本盤ボーナス・トラックはOZZY OSBOURNEの「Shot In The Dark」、そしてW.A.S.P.の「Hellion」なのですが、デス・メタルに抵抗がある方でこの80'Sメタル全開な選曲に興味を持った方はぜひ本作を聴いてみてください。きっとイメージ変わりますよ。

CHILDREN OF BODOM
HATEBREEDER
90
ヘイトブリーダー (1999)

フィンランドのメロディック・デス/ブラック・メタル・バンドのセカンド・アルバム。前作はここ日本でもBURRN!誌の「ブライテスト・ホープ」部門でも3位に食い込むなどメロデス・ファンを中心に大きな話題となっており、注目されていたアルバムだったが、本作はまさにその期待に120%応える会心のアルバム。前作で垣間見せていたネオ・クラシカルな様式センスが本作では封印を解き放たれたかのように全開となり、もはやデス/ブラック・メタルにカテゴライズするのが躊躇されるほどアルバム全体にクサいメロディとドラマティックな展開が乱舞している。前作の時点でもこの手のジャンルの音楽としてはありえないほどにフィーチュアされていたKeyが、本作では時に主役(?)であるアレキシのギターを食うほどにフィーチュアされ、大きな聴き所になっている。前作に比べ楽曲の展開がよりダイナミックに整理されて明らかなレベルアップを感じさせ、どの曲も名曲級の輝きを放っている。ここまでメロディアスになれば未だに「デスはちょっと…」という人でもイケるのではないか。初心者にもオススメできるキャッチーなまでにメロディアスな名盤。本作よりアレ・クォファラの表記がアレクザンダー・クォファラに、ヘンカ・セフェラ(B)の表記がヘンカ・ブラックスミスに変わっている…ってのは割とどうでもいいですね。ボーナス・トラックはフィンランドのメタル・シーンの草分け的な存在であるスラッシュ・メタル・バンドSTONEのカヴァー。

CHILDREN OF BODOM
SOMETHING WILD
84
サムシング・ワイルド (1998)

メロディック・デス・メタル・ブームも飽和点を迎えたかと思われた98年、まさに彗星の如く現れたフィンランドからの超新星。本作発表当時なんと18歳だったというアレキシ・ライホ(Vo, G)を中心とするKey奏者を含む5人組。バンド名は彼らの出身地であるフィンランドの都市エスポー近郊にあるボドム湖で60年代に起こった猟奇的な殺人事件にちなんだものだそう。CDプレイヤーの再生ボタンを押してほどなくブチかまされるオーケストラ・ヒットに「デス・メタルにオケヒット!?」と度肝を抜かれたが、そんなのは序の口。メロディック・デスならではの、楽曲をリードするメロディアスなギターのフレーズに覆い被さるように鳴り響くド派手な音色のKeyの目立ち方は、デス・メタルがメロディアスであることに違和感を覚えなくなった耳にも新鮮なインパクトがある。もちろん様式センス満載のギターも素晴らしく、時にネオ・クラシカルなタッチさえ感じさせる。一方Voについてはやや弱めで、「ギャウギャウ」というブラック・メタルめいた唱法がB級感を醸し出しているが、「ヤバいから」という理由で#7以外の歌詞が掲載されていないことなども踏まえて考えると、思想的というか意識の面では彼らはブラック・メタル・バンドなのかも。まだちょっと楽曲に未整理な箇所も見受けられるし、サウンドも良好とは言い難いが、これまで登場してきたこの手のバンドの中で1、2を争うポテンシャルを感じさせる逸材。#5「Lake Bodom」のように一聴してハッとさせられる名曲を生み出しているのも頼もしい。

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