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BLOODBOUND
STORMBORN
84
ストームボーン (2014)

結成から10周年を迎えたBLOODBOUNDの通算6作目となるアルバム。もともとキャリアのあるメンバーの集合体だったためにプロジェクトっぽい印象を抱いていたが、ここしばらくはラインナップも安定しているし、完全に「バンド」として定着した感がある。基本的には正統的なヘヴィ・メタルの範疇内で微妙にサウンド・スタイルを変更させてきた彼らだが、本作はこれまでで最もメロディック・パワー・メタル色の強い作風である。荘厳なイントロ#1に始まり、バンド史上最もアグレッシヴなパワー・メタル・チューン#2へという流れ、そして立て続けに繰り出されるスピード・チューンの#3という序盤の攻勢が本作のパワー・メタリックな印象を決定付けている。これまで以上に重厚なクワイアがフィーチュアされ、時にフォーキッシュな旋律が使用されるなど、アレンジ面においてもマニア好みの「クサさ」が過去最高レベルに達しており、力が入っていることが伝わってくる力作である。全体的に「〜風」という往年のメタル・クラシックへのオマージュが満ちているのはこれまで通りだが、今回特にVoの声質のせいもあって往年のEDGUYやAVANTASIAを彷彿させる瞬間が多い。サウンドや演奏にも粗はないが、「これぞ」という決め手に欠けるのはB級の宿命か。#9のイントロでLAST TRIBEの名曲「Black Widow」を思い出しました(どうでもいい)。

BLOODBOUND
IN THE NAME OF METAL
80
イン・ザ・ネーム・オヴ・メタル (2012)

大手メタル・インディー、『AFM』に移籍してリリースした前作「UNHOLY CROSS」が母国スウェーデンのチャートで50位(HR/HMチャートでは3位)に入るなど、着々と中堅としての地位を確立しつつある彼らの5作目のアルバム。「メタルの名において」というアルバム・タイトルや、「Metalheads Unite」(メタルヘッズよ、団結せよ)といった楽曲がまるでMANOWARのような、妙にメタメタしい気迫に満ちた雰囲気を醸し出している。そして実際サウンドの面でも、これまでどちらかというとIRON MAIDENやHELLOWEENのようなバンドからの影響が強く窺われるサウンドを展開してきた彼らだが、今回はかなりあからさまにMANOWARからの影響を強く表出させている。もちろん従来のテイストも充分に残っているし、北欧ならではのメロディ・センスは随所に生きているが、本作の軸足はこれまでよりも「力強さ」に置かれているといえるだろう。もちろんIRON MAIDENもMANOWARも正統的なメタルの枠内で語られるバンドであるので大きな違和感を生むものではないが、かつてほど美味しいツイン・リードのフレーズが聴かれず、リフ志向が強まったことは個人的にはちょっと残念。ボーナス・トラックとして、彼らのレパートリーの中で最もMANOWAR的だった「Book Of The Dead」をリメイクしているあたりも本作のスタンスを表しているのかもしれない。なお、相変わらずセンスを疑うアートワークについては、周囲に同調せず我が道を行くへヴィ・メタルの"パンクな"姿勢を表しているのだとか。

BLOODBOUND
UNHOLY CROSS
82
アンホーリー・クロス (2011)

前作発表後、アーバン・ブリード(Vo)が再脱退。元DAWN OF SILENCEのパトリック・ヨハンソン(ASTRAL DOORSやSPACE ODYSSEY、WUTHERING HIGHTSのVoとは別人)が加入して発表された4枚目のアルバム。発表前のインタビューで、前作のヘヴィな音楽性はアーバン・ブリードのせい、ということを言っていたが、実際本作では1st、2ndの頃に近いトラディショナルなメロディック・メタル路線に回帰している。アルバム後半では#7、#9、#10など疾走感のある曲が目立つのに対し、序盤は重厚なコーラスを備えた#1から、ミドルテンポの楽曲が多めなので一聴時のインパクトは弱いかもしれないが、どの曲もキャッチーなリフと覚えやすいコーラスを備えた、良質な曲だ。そして何より前作で失われていた魅惑のツイン・リードが復活したのが嬉しい。#3におけるEUROPEの「Final Countdown」そっくりのギター・ソロ・パートをはじめ、随所にどこかで聴いたようなフレーズが登場するのは、もはやこのバンドにおいては「お約束」のようなものだし、曲としての仕上がりは悪くないので大目に見てしまいたくなる。新Voもブルース・ディッキンソンとトビアス・サメットをミックスしたような歌唱で、この音楽性にはハマっている。なお、欧州ではいつもの「ノスフェラトゥ君」ジャケットだったが、日本盤は無難なものに差し替えられている(苦笑)。

BLOODBOUND
TABULA RASA
77
タブラ・ラサ (2009)

色々なプロジェクトで多忙なマイケル・ボーマン(Vo)は案の定サクッと脱退、オリジナル・シンガーだったアーバン・ブリードが復帰している。個人的に彼のマイク・ディメオ(元RIOT、MASTERPLAN、現THE LIZARD)をストレートにしたような歌声はかなり好みなので、この復帰は嬉しい。だが、アルバムの内容的にはかなり不満の残る仕上がりとなった。全体的にリフがへヴィになり、楽曲のキャッチーさが大幅に減退している。元々疾走曲が魅力、というタイプのバンドではなかったので、疾走感が減退していることには目をつぶるとしても、前作、前々作で私のツボを突きまくった魅惑のツイン・リードがほとんど姿を消しているのが致命傷。かろうじて歌メロには「らしさ」が残っているので、大枠で「正統派」と呼べる音楽性のフィールドにとどまってはいるが、メロディック・パワー・メタル的な要素に惹かれていた私のようなファンにはかなり厳しい路線変更だ。サウンドは力強さを増しているし、これまであった元ネタバレバレなパクリも姿を消しているので、むしろB級感は薄れているのだが、個人的な失望感を踏まえて採点するとこんな点数になってしまいます。あと、ジャケットについてですが、この怪物にこだわるのはやめたほうがいいのでは…。いや、まあ、うまくいけばIRON MAIDENのエディみたいな存在になれるのかもしれないが、たぶん無理だと思う。

BLOODBOUND
BOOK OF THE DEAD
85
ブック・オブ・ザ・デッド (2007)

STREET TALKのメンバーによる、白塗りメイクの正統派パワー・メタルという意外性のある取り合わせで話題になったBLOODBOUNDのセカンド・アルバム。DrがMORGANA LEFAYのペレ・オルカリンドに、そしてVoにJADED HEARTやBONFIREなどの活動で知られ、最近ではZENOのアルバムに参加することで飛躍的に日本での知名度を上げた実力派ドイツ人シンガー、マイケル・ボーマンを迎えている。メイクは前作のブラック・メタル風白塗りから、ゴシック・メタル風の目張り程度のソフトなものになっているが、なぜこのメンバーがメイクをしなくてはならないのかは謎。みんな結構いい歳なのに…。音楽性は前作の方向性を引き継いだ、正統派のパワー・メタルで、時にIRON MAIDENばりのツイン・リードや、HELLOWEENばりのクサメロ疾走も聴かせる、日本人好みの路線。サビがMANOWARの「Kings Of Metal」を思わせるタイトル曲を筆頭に、どこかで聴いたような…というパートも多いが、それは美しきクラシック・メタルのフォームを継承しようとした結果だろう。前作に比べると若干クサさが抑えめで、マイケル・ボーマンのハスキーな歌声もあって、全体的にメジャー感を増した仕上がりとなっている。客観的には前作より完成度の高いアルバムだが、個人的には前作で歌っていたアーバン・ブリードの歌声が好みだったので、評価はプラマイゼロ。いずれにせよ個人的には是非とも応援したい音だ。

BLOODBOUND
NOSFERATU
85
ノスフェラトゥ (2005)

北欧メロディアス・ハードの中堅として知られるSTREET TALKのフレドリック・バーグ(Key, B)とトーマス・オルソン(G)を中心に結成されたバンド(プロジェクト?)のデビュー・アルバム。Voには元TAD MOROSEのアーバン・ブリードを迎えている。なぜかメンバー全員ブラック・メタル・バンドばりの白塗りメイクを施しているが、音の方はいたってオーセンティックなヘヴィ・メタル。本作は死と病をもたらす伝説の吸血鬼(本作では悪魔と解釈されている)ノスフェラトゥとの戦いを描いたコンセプト・アルバムとなっており、恐らくジャケットがそのノスフェラトゥなのだと思うが…いや、何も言うまい。ジャケットはアレだが、音はなかなかの逸品なのだから…。1曲目からIRON MAIDENばりのツイン・リードとギャロップ・ビート、そしてドラマティックな展開がメタラーの胸を熱く焦がす。また、#5、#7、#10といった疾走曲にはHELLOWEEN以降のメロディック・スピード・メタルからの影響も強く感じられる(特に#7のAメロはどう聴いても「Eagle Fly Free」…)。しかし、全体的な印象としてはメロスピというよりはやはり正統派ヘヴィ・メタルで、「Fear Of The Dark」ばりの展開を見せる劇的なタイトル曲#3を筆頭に、「IRON MAIDENに北欧的な叙情性を加えたような」という表現がしっくり来る。決してA級ではないが、ツイン・リードやコーラスの使い方といい、ドラマティックな展開といい、非常に巧みにメタル・マニアのツボを突いてくる音だ。ギリギリ日本人でも真似できそうな熱唱を聴かせるシンガーが好みなこともあって、かなり気に入ってしまいました。


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