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AYREON
FLIGHT OF THE MIGRATOR
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エイリオン 宇宙の漂流者パート2〜漂流者の旅〜(2000)

(前作レビューから続く)主人公は最初の人類を超え、魂の根源までたどり着くためにさらなる旅に出る。ビッグバンと共にひとつの巨大な魂、「ユニバーサル・マイグレイター」が何百万もの魂(マイグレイターズ)に分解し、それぞれが惑星を探し当てて生命を吹き込んでいった。主人公は滅びた地球を蘇らせるため、地球に生命を吹き込むマイグレイターを探す旅に出る…というのが前作から続く「UNIVERSAL MIGRATOR」の「Part2」である本作のストーリー。本作に登場するゲスト・シンガーは、ブルース・ディッキンソン(IRON MAIDEN)、アンディ・デリス(HELLOWEEN)、ラッセル・アレン(SYMPHONY X)、ティモ・コティペルト(STRATOVARIUS)、ファビオ・リオネ(RHAPSODY)、ラルフ・シーパース(PRIMAL FEAR)、イアン・パリー(ELEGY)等、メタル・ファンにとってはまさに「夢の共演」とも呼ぶべき豪華メンバー。メンツから想像される通り、Part1に比べてメタリックな感触の強い作品となっている。とはいえ、基本的な方向性としてはプログレ寄りのプロジェクトなので、本作もIRON MAIDENやHELLOWEENのファンが聴いて楽しめる音楽かどうかは微妙。とはいえ、これらのシンガーたちによる、本来の所属バンドとは異なる曲調の楽曲での歌声を聴くことができるのは興味深い。もちろん音楽的なクオリティは高いが、本来スケール感というか「雰囲気」を楽しむのがAYREONの正しい楽しみ方(?)だと思っているので、そういう意味ではPart1の方が「らしい」作品で趣があったかな。ちなみに日本のプログレ・バンドARS NOVAの熊谷桂子(Key)も参加。

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THE DREAM SEQUENCER
82
エイリオン 宇宙の漂流者パート1〜ドリーム・シークェンサー〜(2000)

2枚組の大作「INTO THE ELECTRIC CASTLE」に続く新作は、再びCD2枚に渡る大作となった。ただし、今回は2枚のアルバムに分けてリリースされている。それは、2枚組は単価が上がってとっつきにくい、という商業的な問題も多少あるのかもしれないが、基本的には2枚でだいぶ作風が異なることが理由だろう。「UNIVERSAL MIGRATOR」と題された一大叙事詩の「Part1」となる本作は、「Part2」と比べ静的な作品で、神秘的なフィーリングに満ちた作品となっている。アルイエン・アンソニー・ルカッセン(G, B)、ロブ・スナイダー(Dr)、エリク・ノーランダー(Key:LANA LANE)を基本メンバーに、今回も豪華ゲストを多数迎えている。前作では1曲を5人のシンガーが歌い分ける、というようなこともやっていたが、今回の2部作では基本的には1曲を1人のシンガーが歌い、他のVoが参加している場合も、明らかにサブ的な扱いになっている。主だった所ではヨハン・エドルンド(TIAMAT)、フロール・ヤンセン(AFTER FOREVER)といったゴシック系と、ゲイリー・ベルカンプ(SHADOW GALLARY)、ニール・モーズ(SPOCK'S BEARD)、ラナ・レーン(LANA LANE)といったプログレ系のシンガーが多く参加している。メタル的な勢いのある曲は皆無だが、非常に幻想的かつスペイシーな、雰囲気のある作品で、聴き込むほどに味わいが増す。今回のストーリーは、未来、火星に取り残されて一人死にゆく男が、「ドリーム・シーケンサー」に乗って時空を超え、前世をさかのぼる旅に出る、というもの。男は自分がかつてエイリオンだったことを知り、ついに最初の人類の記憶にまで到達し、目覚める…という所までが本作のストーリー。

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INTO THE ELECTRIC CASTLE
84
エイリオン〜光の宮殿〜 (1998)

アルイエン・アンソニー・ルカッセンによるプロジェクト第3弾。ややコンパクトな作風だった前作から、本作では再び壮大なロック・オペラ路線に回帰、2枚組105分におよぶ超大作となっている。母国オランダのHR/HM〜プログレ系ミュージシャンからイギリスのポンプ/ネオ・プログレ系を中心としたゲストの充実ぶりは豪華絢爛で、日本のHR/HMファンに知名度の高い所をいくつか挙げると、元MARILLIONのフィッシュ(Vo)、THE GATHERINGのアネク・ヴァン・ガースバーゲン(Vo)、WITHIN TEMPTATIONのシャロン・デン・アデル(Vo)、そして12年ぶりに弾くというシンセのソロで参加するロビー・ヴァレンタイン(Key:VALENTINE)といったところか。本作のコンセプトは、時間も空間も存在しない想念の世界に放り出されたローマ人やインド人、エジプト人、騎士やヒッピーなど、それぞれ異なる哲学を持ったキャラクターたちが、それぞれの価値観をぶつけ合いながら自己探求の最終地点である「エレクトリック・キャッスル」を目指す内的宇宙の旅。基本的にはドリーミーなポンプ・ロックに近い作風で、所々にちりばめられたHR/HM的なアレンジが、「雰囲気モノ」になってしまいがちなこの手の音楽にメリハリとダイナミズムを与えている。ただ、日本のHR/HMファンに好まれるプログレがYESやEL&Pのような演奏技術を前面に押し出したスタイル(その典型がDREAM THEATERだ)であるのに対し、本作で展開されるサウンドはどちらかというとPINK FLOYDやCAMELの流れにあるムード重視のもので、クラシカルな要素よりはサイケデリックなフィーリングが強いこともあって、なかなか日本人の琴線には触れにくい音楽かもしれない。とはいえ、この世界に没入できる向きにとっては至福の境地となりうる、個々の楽曲からアルバム全体の構成まで、非常に完成度の高い作品である。ジャケットも幻想的で素晴らしい。

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ACTUAL FANTASY
78
エイリオン〜幻の詩〜 (1996)

前作の好評を受け、再びAYREON名義の作品が発表された。前作の主人公であったエイリオンは前作のエンディングで死んでしまっているので、当然本作の主人公はエイリオンではなく、そういう意味ではやや邪道なプロジェクト名だが、商業的にやむを得ないのだろう。本作は前作のような一大ロック・オペラではなく、自作の物語や、ウンベルト・エーコのベストセラー、『薔薇の名前』、映画『2001年宇宙の旅』や『ネバー・エンディング・ストーリー』などに基づくストーリー性の強い楽曲を集めた、さながら短編集のような作品。今回ヴォーカルは、前作にも参加していたエドワード・リーカース(KAYAK)と、ロバート・ズーターブック、そして初参加となるオッキー・ハイスデンスという日本ではほぼ無名ながら、実力のある3名が務めている。音楽的には、前作にもあったMAGNUMやASIAといった、欧州的なメロディアス・ハード・ロック・サウンドの要素がより強く押し出されており、ストーリー性の強い楽曲ゆえそれなりにドラマティックではあるが、前作に比べるとだいぶストレートでコンパクトな印象。MAGNUMやASIAほどにポップ&キャッチーではないので、やや地味ではあるが、ヨーロピアン・テイストのハード・ロックを愛する人であれば安心して楽しめる作品といえよう。

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THE FINAL EXPERIMENT
85
エイリオン 時空の探求者 (1995)

VANDENBERGと並ぶ、80年代オランダを代表するHR/HMバンドだったVENGENCEのG、アルイエン・アンソニー・ルカッセンによるソロ・プロジェクト。93年にリリースされたANTHONY名義のソロ・アルバムがPINK FLOYD風の幻想的なサイケ風味漂うアコースティックな作品という意外な作品だったが、本作はなんと多数のゲストを起用してドラマティックに描かれる一大コンセプト・アルバムで、これまた意外。エイリオンという盲目の吟遊詩人が人類滅亡の危機に瀕した未来から送られてきたメッセージを受け、歴史を好転させるため中世へとタイムトラベルし、アーサー王伝説の登場人物たちと絡む、というSFファンタジー的なストーリーがアルバム・コンセプトとなっている。イアン・パリー(Vo)やレオン・グーヴィ(Vo)といった元VENGENCEの同僚や、母国オランダのベテラン・バンドKAYAKのエドワード・リーカース(Vo)、GOLDEN EARRINGのバリー・ハイ(Vo)など、歌い手は個性豊か。オランダのデス・メタル・バンドであるGOREFESTのVoによるデス声まで導入して多彩な音楽世界を描き出している。中でも、LED ZEPPELINの「Kashmir」を思わせる#3は出色で、曲の雰囲気に合わせて起用したレニー・ウルフ(KINGDOM COME)のロバート・プラントばりの歌唱が見事にハマっている。インタビューでは、これらのゲストたちは、皆アルイエンが送ったデモを聴いて「ぜひ参加したい」と、ほぼノーギャラに近い形で参加してくれた、という美しいエピソードが語られていたが、実際、アーティストであればぜひ関わりたくなるであろう気宇壮大な芸術作品。基本的にはメタルというよりハード・ロックで、大仰ではあるがクサくはない(オランダ人のセンスは、ドイツ人や北欧人に比べて良くも悪しくも垢抜けていると思う)ので、日本では高く評価されつつも、あまりハマった人は少なかったような観もあるが、ロック・オペラ的な「大作」が好まれる欧州ではプレスの大絶賛を受け、かなりのセールスを記録した

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