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ANDRE MATOS
THE TURN OF THE LIGHTS
83
ザ・ターン・オヴ・ザ・ライツ (2012)

ティモ・トルキとのSYMFONIAや、古巣VIPERへの復帰などを経て発表された3作目となるソロ名義のアルバム。前作からリズム隊とKeyが脱退し、新たにブルーノ・ラディスロウ(B)とロドリーゴ・シルヴェイラ(Dr)なる人物が加入しているが、ソロ名義のバンドについていちいちメンバー交代について書くのは野暮というものか。本作ではアンドレの音楽キャリア史上、初めてサシャ・ピートを交えずに制作されたアルバムで、プロデュースは本作を録音したサンパウロのNORCAL STUDIOのオーナーであるブレンダン・ダフィなる人物。その変化は音に明確に表れていて、本作ではこれまでにないモダンなフィーリングがアルバム全編を覆っている。従来の路線を受け継ぐメロディック・スピード・メタル的な楽曲も収められているが、そこに息づくフィーリングもこれまでの同系曲とはやや異なり、落ち着いたムードが漂う#1をオープニングに持ってきたあたりに今回の制作意図を推し量るべきだろう。プログレッシヴなアレンジも随所に登場する本作に漂う内省的なムードは往年のQUEENSRYCHEを思わせるものがあり、なかなか悪くないが、なんとなくアンドレの精神状態としてはあまり前向きであるようには感じられないのは気がかり。メロディック・パワー・メタル的な要素は後退しているので、その点を不満に思う向きもあるかもしれないが、個人的には前2作に感じた「無理して求められているサウンドを提供してます」という「やらされ感」が薄れたことを好意的に受け止めたい。

ANDRE MATOS
MENTALIZE
83
メンタライズ (2009)

アンドレ・マトスのソロ2作目。レコーディング・メンバーが前作とDrのみ変わっており、LOUD PARK 07で可愛らしくも強力なドラムを披露した弱冠18歳のエロイ・カサグランデが正式なドラマーとしてプレイしている。精神のコントロールがアルバム・コンセプトらしいが、音楽的には前作の流れを汲むメロディック・パワー・メタル色の強い作品で、アンドレにそういった音楽を求めているファンであれば納得の行く作風だろう。ただ、母国ブラジルではチャートのNo.1に輝き、アルバム・オブ・ザ・イヤーにも選ばれたという前作には「失地回復」と言わんばかりの気迫が漲っていたが、本作はそれに比べると若干落ち着いた感もあり、飛び抜けた名曲が存在しないこともあって全体の印象は前作ほど鮮烈ではない。また、前作でもちょっと感じたが、全体的に「メタリックであること」に拘泥しすぎているような感もあり、個人的にアンドレに期待しているクラシック由来のセンスが十全に発揮されていると思えないのがやや残念。まあ、過去に聴いたことがあるようなアレンジ/フレーズがしばしば出現するものの、個々の楽曲の出来は悪くないし、疾走曲がどれもなかなか気持ちいいのはポイント高い。なお、くり抜き加工が施されたジャケットは凝っているが、デザイン自体が地味な上、日本盤にはライナーノーツが挟まれるのでちょっとカッコ悪いことになっている。

ANDRE MATOS
TIME TO BE FREE
86
タイム・トゥ・ビー・フリー (2007)

VIPER〜ANGRA〜SHAMANの中心人物だったアンドレ・マトス(Vo)初のソロ名義アルバム。とはいえ、バックを務めるメンバーのうち、ルイス(B)とヒューゴ(G)のマリウッティ兄弟はSHAMAN時代と変わらず、この2名に、極初期のANGRAのデモ制作にも協力していたというアンドレ"ザザ"エルナンデス(G)、ANGRAのライヴでもKeyをプレイしていたファビオ・リベイロ(Key)、そしてラファエル・ローザ(Dr)の3名を加えたメンバーは固定的で、アンドレ自身としては「バンド」という意識のようだ(しかしブックレットに写真が載っているのはアンドレ・マトスだけ…)。ラテン色が強化されたり、ゴシック風になったりと、「ファンがアンドレに求める音楽」との間にイメージのズレがあったSHAMANと異なり、本作で聴ける音楽はファンが期待する通りのシンフォニックなパワー・メタル。クラシカルなイントロ#1「Menuett」から華麗に疾走する#2「Letting Go」の流れは、歌詞に何度も「Carry On」というフレーズが登場することも含め、かなり露骨な「全盛期への回帰」アピールといえよう。#3「Rio」などというそれっぽい曲名を持つ曲でさえラテン色は抑えられ、モロにJUDAS PRIESTを想起させる#5などを筆頭に、かつてないほどメタリックな感触が強調されているのは、プロデュースにこれまでのサシャ・ピートに加え、「メタル再生人」ロイ・Zを起用した効果だろうか。VIPER時代の名曲「Moonlight」の再録#10は、凝りすぎた結果かえって微妙な仕上がりになってしまった感があるが、アルバム全体としてはファンの期待を良くも悪くも裏切らない出来といえるだろう。

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