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ACCEPT
BLIND RAGE
85
ブラインド・レイジ (2014)

再々結成後、好調を維持しているACCEPTのマイク・トーニロ(Vo)加入後3作目、通算では14作目となるフル・アルバム。前2作が成功を収めたことを受け、今回もプロデューサーとしてアンディ・スニープが全面的に関わり、前2作と同じ体制・環境で制作されている。そのため、基本的な音楽性・サウンドは前2作を継承したものとなっており、相変わらずのソリッドでパワフルな正統派ヘヴィ・メタルが展開されている。相変わらずリフ/リードの両面でギター・パートが充実しており、大衆的という意味ではなく、ライブで歌いやすそうという意味でキャッチーさを持つ力強いコーラスが備わっているこのサウンドは、前2作に満足したファンであれば今回も満足がいくことだろう。#11でグリーグの「ペール・ギュント」というクラシックの有名フレーズをギター・ソロに取り入れてくるあたりもオールド・ファン泣かせの小技である。今回も「Fast As A Shark」や「Balls To The Wall」、「Metal Heart」ほどのアンセムは生まれていないが、この出来で不満を言ったらバチが当たるというものだろう。本作はバンド史上初となる本国ドイツのナショナル・チャートでNo.1に輝いており、バンドが第2の全盛期にあることを証明するアルバムである。

ACCEPT
STALINGRAD
86
スターリングラード (2012)

前作の充実した出来栄え、そしてLOUD PARK 10における高揚感に溢れたライヴ・パフォーマンスによって「ウド抜きのACCEPTなんて…」というネガティヴな意見を払拭した「新生ACCEPT」の第2弾アルバム。アルバム・タイトルは第二次世界大戦におけるドイツ軍とソ連軍最大の激戦地となった街(現在のボルゴグラード)の名前が冠されている。だからというわけでもないだろうが、彼らのアグレッシヴな側面がフォーカスされた作風だった前作に比べると、ドイツのバンドらしい勇壮なドラマティシズムが強く押し出された作品という印象を受ける。煽情的な泣きのギター・フレーズも随所に登場し、劇的な印象を強化している。マイク・トーニロ(Vo)が歌うヴォーカル・ラインもよりメロディックになっており、前作ではやはり「ウドっぽさ」を多少意識していたのかな、と思ってしまう。ただ、誤解を避けるために言うと、前作にあったバラードなどは今回収録されておらず、必ずしも前作よりメロディ志向の作品というわけではない。ARCH ENEMYやMEGADETH、NEVERMORE等を手掛けた名手、アンディ・スニープによるエッジの効いたサウンド・プロダクションの効果もあり、正統的ではあるが決して懐古的ではない、全盛期に勝るとも劣らない迫力のあるへヴィ・メタル・アルバムに仕上がっている。

ACCEPT
BLOOD OF THE NATIONS
86
ブラッド・オブ・ザ・ネイションズ (2010)

2005年にウド・ダークシュナイダー(Vo)、ウルフ・ホフマン(G)、ピーター・バルテス(B)、ハーマン・フランク(G)、ステファン・シュヴァルツマン(Dr)というメンバーで再々結成ツアーを行ない、永眠についたかと思われたACCEPTが、上記のメンバーのうち、ウドのみ不参加で、代わりに80年代ニュージャージーを拠点に活動し、マニアックなメタル・ファンに支持されていた(あのザック・ワイルドもファンだったという)T.T. QUICKのマーク・トーニロをVoに迎えて発表した復活アルバム。正直前回の再結成によって生まれたアルバムはどれも褒められた仕上がりではなかったし、看板シンガーのウドも不在ということでリリース前はかなり疑問符がついていた作品だが、いざリリースされてみると意外なほどの好評をもって迎えられた。吹っ切れたのか、正統的なHMに対する再評価の波が来ていると感じているのか、ここで聴かれるサウンドは一点の曇りもない剛直なピュア・メタルである。マーク・トーニロのVoは時折ウドっぽさも発散しつつ、よりレンジの広い歌唱によってパワフルに楽曲を歌いこなしているし、ウルフのギターもかつてのような子供だまし寸前のクラシカル・フレーズこそあまり聴かれないものの、ちゃんとHR/HMギターに求められる「色気」を放っている。「Fast As A Shark」や「Metal Heart」クラスの「超名曲」はないが、往年のサウンドに思い入れのない若いメタル・ヘッズにとっては本作がカタログ中で一番完成度高く磨かれたヘヴィ・メタルに聴こえてもおかしくない。日本盤ボーナスの#14の素晴らしさでプラス1点。

ACCEPT
PREDETOR
71
プレデター (1996)

再結成第3弾アルバム。前作で露わにしていたモダンなヘヴィネスに対する傾倒はやや影を潜めている。ただ、彼らなりに「90年代においてもダサくないスタイル」を模索した観はあり、その結果として本作で聴かれるような、比較的シンプルなヘヴィ・ロック路線が採られたのではないかと思う。この路線は彼らの原点であるAC/DC型のヘヴィ・ロックにも通じるものがあり、そういう意味では前作よりはオールド・ファンにも受け入れやすい作風と言えるかもしれない。ただ、多くの曲にはオルタナに通じる気だるい響きがあり、全体的に覇気に欠ける。現在のACCEPTの音楽的イニシアティヴを握っているウルフ・ホフマン(G)をはじめ、メンバーの大半がアメリカ在住であることが、ACCEPTという名前に期待したくなるようなオールド・ファッションなメタルをやる気を無くさせてしまったのだろうか。なお、本作のレコーディングに当たっては、元DAMN YANKEESのマイケル・カーテローンがDrを叩いており、そのスタイルはACCEPTというバンド名に対してスマート過ぎる印象だが、もちろんプレイ自体は絶品で、フックに乏しい楽曲をシャープに聴かせる原動力になっている。またプロデュースが名手マイケル・ワグナーだけあって、ギターの音も良く録れているのはマル。

ACCEPT
DEATH ROW
68
デス・ロウ (1994)

ACCEPTがモダンなヘヴィネスに毒されてしまった作品として、発表当時ファンの失望を招いたアルバム。個人的にはPANTERAは高く評価しているし、MOTLEY CRUEやFIGHTの作品も楽しめたクチなので、それほどモダン・ヘヴィネスに対する抵抗というものはなく、むしろACCEPTのようなアグレッシヴなイメージのバンドには合っているんじゃないか、という期待さえ抱いて聴いてみたのだが、やはり退屈だった(苦笑)。やはり世代的にこの手のモダンなリフを書くセンスがなかったと言ってしまえばそれまでかもしれないし、モダン・ヘヴィなバンドの特徴である「グルーヴ感」が皆無なのも、この手のサウンドに対する適性のなさを感じさせられてしまう(まあ、グルーヴに走っていないことが逆にせめてもの救いだったりもするのだが)。「時代遅れになりたくない」という意識がこういうアルバムを作らせたのかもしれないが、DIOと共にこういう「転向」の失敗例の典型として語られるアルバムだろう。楽曲にバラエティが乏しいのにむやみに曲数が多いのもマイナスポイント。

ACCEPT
OBJECTION OVERRULED
77
オブジェクション・オーヴァールールド (1993)

前作発表後解散状態に陥っていたACCEPTが、「現役引退」を表明していたオリジナル・ヴォーカリストのウド・ダークシュナイダーを復帰させて発表した再結成アルバム。当時目に見えて正統的なHMが凋落していた時期であったため、彼らの再結成、本作の発表は往年のメタル・ヘッズたちに諸手を挙げて歓迎され、発表当時BURRN!誌のクロス・レビューでは当時の編集長が96点をつける大絶賛だった。しかし冷静に音を聴いてみると96点という点数は「ご祝儀」あるいは「期待料」としか思えない。とはいえ、とりあえずACCEPTらしいサウンドには仕上がっているし、楽曲の平均点はまずまずである。しかし、かつて当代きっての硬派なパワー・メタル軍団と称された80年代前半の頃にあったような威風堂々たる覇気が感じられない。アンセム的(バンドの話ではない)なサビを持つキャッチーな#5や、バラードの#7、泣きのインスト#10などはまずまずだが、むしろ#1、#8、#11のような勢いのある楽曲において全盛期と比しての「軽さ」が顕著であるのが深刻。メタル賛歌的な#4「Slaves To Metal」も残念ながら心意気が楽曲の質に反映されているとは言い難い。次作以降の完全に時流に呑まれた作風に比べれば「らしさ」があるだけマシかもしれないが、「ACCEPT」というブランド名を背負って出す音はもっと重厚であるべきだ。

ACCEPT
EAT THE HEAT
81
イート・ザ・ヒート (1989)

「看板シンガー」だったウド・ダークシュナイダーと別れ、米国人ヴォーカリスト、デヴィッド・リースを迎えてリリースされた問題作。個人的には前作「RUSSIAN ROULETTE」を聴いて、これくらいキャッチーな曲を書けるのであれば、ノーマルな声のシンガーを入れると結構カッコいいんじゃないの? と思っていたが、結果的には本作はACCEPTを解散に追い込んだ「失敗作」との評価が一般的で、あまり期待せずに聴いてみた。従来のACCEPTらしいミッド・テンポのヘヴィ・メタル・ナンバー#1「X.T.C.」で幕を開け、「Midnight Mover」や、「Screaming For A Love Bite」、「Monsterman」といったこれまで彼らが発表してきたキャッチー路線の曲をメインに、ラストは疾走パワー・メタル・ナンバーでキッチリ締めてくる。うん、悪くない。新加入のデヴィッド・リースもロブ・ハルフォード風のメタリックな歌唱から、いかにも当時のアメリカの売れ線HR/HMバンドに合いそうなブルージーな歌唱まで器用に歌いこなしている。しかしまあ、キラー・チューンと言えるほどの曲はないし、キャッチーな曲もアメリカのバンドに比べるとちょっと野暮ったいのも事実で、「垢抜けきれない田舎者」っぽいのは否めない。決して悪い作品ではないが、ACCEPTというブランドに期待される音でもなければ、アメリカで売れるほどの洗練度にも達していない中途半端な作品と言われても仕方あるまい。個人的には#6、#7、#11とか、結構好きだけどね。


ACCEPT
RUSSIAN ROULETTE
85
ロシアン・ルーレット (1986)

前作に続きディーター・ダークスをプロデューサーに迎え、「成功」への強い執着が感じられるアルバム。とにかくサウンドがここに来てグッと垢抜けており、前作までわずかに漂っていた「いなたさ」はもはやほとんど感じられない。冒頭を飾る強力な疾走パワー・メタル・チューン「T.V. War」も、「Fast As A Shark」が持っていたような邪悪な攻撃性はなく、まるで後の「ジャーマン・メタル」のような明朗さを感じさせる。#2の「Monsterman」もキャッチーなサビが耳から離れない秀曲だし、#3のタイトル曲もスケールの大きなコーラスが印象的。#4なんてまるで哀愁メロディアス・ハード・ポップ。#5の「Aiming High」もカッコいいスピード・チューンだし、その他の曲も、耳に残るフックを備えた佳曲揃い。力強い「Stand Tight」で幕を閉じる構成もいい。ただ、問題なのはそのキャッチーな耳に残るメロディ・ラインを担っているのがVoのウドではなく、コーラス隊であるということ。本作発表後、ACCEPTは看板シンガーであったウド・ダークシュナイダーと決別し、デヴィッド・リースなるアメリカ人シンガーを迎え入れることになる。たしかにここまで洗練されてくると、ましてやこれだけいいメロディを書けるのであれば、Voをチェンジしてさらなる成功を求めたくなるのも無理はない。入門者には最適の聴きやすいアルバム。

ACCEPT
METAL HEART
87
メタル・ハート (1985)

イントロに「スラヴ行進曲」、ギター・ソロには「エリーゼのために」をフィーチュアしたインパクト大のタイトル曲#1を擁し、ここ日本では最も高い人気を誇る名盤。プロデュースはSCORPIONSを手掛けたディーター・ダークス。タイトルのイメージからするとピュア・メタル万歳、という印象を受けるが、全体的には前作の世界的な成功を受け、かなりアメリカ市場を意識したキャッチーな作品となっている。ビデオ・クリップが制作された#2を筆頭に、前作までのようなリフのゴリ押しばかりではなく、(当時なりに)洗練されたアレンジを伴ったキャッチーな曲が多く、前述の名曲#1から、「ジャーマン・メタル」的なギターのフレーズと、タフなギター・リフ、そして男声コーラスが三位一体となって高揚感を生むラスト#10まで充実した楽曲が揃っている。むろんそれでもHM然とした攻撃性は失っておらず、キャッチーさと攻撃性のバランスは絶妙である。若干線が細くなったようにも感じるが、まあその辺は好みの問題だろう。80年代メタルを代表する名盤の一枚。と、持ち上げておいてなんだが、個人的にはやはりウド・ダークシュナイダーのVoはあまりにアクが強く、このVoがダメな人にとっては結局ACCEPTはどれを聴いてもNGだろうと思うのが正直な所。しかしこのジャケットはMETAL HEARTというよりはMACHINE HEARTだな(苦笑)。

ACCEPT
BALLS TO THE WALL
87
ボールズ・トゥ・ザ・ウォール (1984)

ハーマン・フランク(G:元SINNER)を加えて制作された、彼らを世界レベルに押し上げた記念碑的名盤。メンバー自身はこの頃をキャリアのピークと見なしているようだ。前作におけるキラー・チューンであった「Fast As A Shark」のような強烈なインパクトを放つ疾走曲は入っていないため、一聴すると地味かもしれないが、「硬質で、勇壮で、男臭い」という彼らの持ち味が一番発揮されているのはこのアルバムかもしれない。いわゆる疾走曲は少なめとはいえ、ミドル〜アップ・テンポ中心の楽曲はどれもヘヴィかつソリッドなギター・リフを中心に気持ちよくドライヴしていく楽曲ばかりで、まったく退屈させられることはない。随所にゾクゾクするようなリード・ギターのメロディが配され、勇壮かつ哀愁もほのかに滲むメロディが優れたフックとなって、楽曲を印象的なものにしている。彼らの基本的なスタイルを確立し、商業的にも成功した一枚。「(ベルリンの)壁に鉄球を(叩きつけてブッ壊せ)」というタイトル曲は当時の東側諸国でも大きな評判を呼び、彼らのフォーメーションを駆使したライヴ・パフォーマンスをフィーチュアした印象的なビデオ・クリップは当時MTVでヘヴィ・ローテーションされた。本作完成後、ハーマン・フランクは脱退し、ヨルグ・フィッシャーが復帰し、大規模なワールド・ツアーに出る。奇しくも翌年全米デビューを果たすLOUDNESSの「THUNDER IN THE EAST」と同じ全米74位を記録。

ACCEPT
RESTLESS AND WILD
86
レストレス・アンド・ワイルド (1983)

本作のレコーディング前にヨルグ・フィッシャー(G)が脱退、後任に迎えられたヤン・コウメットもすぐに脱退し、ギター・パートはすべてウルフ・ホフマンが録音した4作目のアルバム。そして欧州、そして日本におけるメタル・ファンの支持を確立した出世作である。とにかく冒頭を飾る超攻撃的なスピード・チューン、「Fast As A Shark」のインパクトは絶大で、この一曲をもって彼らの評価は定まったと言っていい。その後はドラマティックに盛り上がる物悲しい#5「Neon Nights」や、R&R色の強い#6「Get Ready」を挟みつつも、基本的にはライヴの定番でもあるタイトル曲#2をはじめ、リフで押していく力強いHMチューンを中心に構成されたアルバム構成となっている。ラストを飾る#10「Princess Of The Dawn」も、基本的にはシンプルなギター・リフをメインとした曲なのだが、アレンジの端々に香るクラシカルなエッセンスによって、日本人好みの名曲に仕上がっている。個人的には1曲目とラストが飛びぬけた名曲で、それ以外の曲は(彼らの曲としては)中庸、というイメージがあるが、本作が元祖パワー・メタルと呼ぶべき彼らのアイデンティティを築いた重要な作品であることは間違いない。

ACCEPT
BREAKER
86
戦慄の掟 (1981)

それまでうだつの上がらない「ドイツのAC/DCもどき」だったACCEPTが、メタル・マニアの注目を集めるきっかけになったサード・アルバム。実は僕が初めて聴いた彼らの楽曲は本作の冒頭を飾る「Starlight」だった。といっても、むろんリアルタイムの話ではない。たまたま高校生当時テープに録音して聴いていたラジオの「Power Rock Today」でこの曲が流れたのだ。正直、最初は「うげっ、なんだこの金切り声は」と、ウドのアクの強いVoに拒否反応を示したものの、テープを何度か繰り返して聴くうちに、その切れ味鋭いリフ・ワークと、中間部の美しくもスリリングなツイン・リードにすっかり魅せられてしまっていた。そんな思い出の曲を筆頭に、とても81年の楽曲とは思えない強力なパワー・メタル・チューンである#2のタイトル曲や、軽快に疾駆するR&Rチューン#6「Burning」、キャッチーな#8「Midnight Highway」、など、楽曲の充実ぶりが、当時バンドが昇り調子にあったことを雄弁に物語っている。アコースティック・タッチのバラード#9はベースのピーター・バルテスがVoをとっているが、どうせなら#4(バラード)もピーターが歌えばよかったのに…。しかし何度聴いても#1〜#3の流れはカッコいいなあ…。

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