デス・メタル (Death Metal) 【HR/HM】 スラッシュ・メタルが意外なほど早くメジャー・シーンに浮上していったのに合わせて80年代中ごろに誕生した、スラッシュ・メタルよりさらに激しく、凶凶しい音楽、それがデス・メタルである。初期スレイヤーのような悪魔的なイメージも強調しつつ、ブラスト・ビートと呼ばれる2バスの連打とスネア、ハイハットをシンクロさせて叩き出す超高速のビートと、既に音程感を失うまでにヘヴィになったリフ、そして何より、人間が出しているとは思えない「デス・ヴォイス」と呼ばれるグロウル(猛獣が吠え唸る様子を表現する言葉)・スタイルのヴォーカル。こうした非人間的な轟音をプレイするバンド群、デス、モービッド・エンジェル、オビチュアリー、ディーサイド、カンニバル・コープスといったデス・メタル・バンドが80年代末期、次々とデビューしていった。 こうしたバンドがいずれもフロリダ州タンパのモリサウンド・スタジオを拠点にしていたことから、フロリダはたちまちデス・メタルの聖地と呼ばれるようになった。アンダーグラウンドではスラッシュ・メタルに飽き足らないキッズたちを中心に支持を拡大し、イギリスからはカーカス、ブラジルからはセパルトゥラなどが登場。グラインド・コアのシーンとも結びついて、90年代にはアンダーグラウンドで確固たる勢力を占めるようになった。さすがに人間の感性の許容量の限界を超えていたためか、こうしたバンドがそのままメジャーに浮上してくることはなかったが、デス・ヴォイスやブラスト・ビートといった手法は、後のHR/HMシーンに強い影響とインパクトを残している。 |
■このジャンルの代表作 |
モービッド・エンジェル / 病魔を崇めよ |
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カンニバル・コープス / ブッチャード・アット・バース |
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オビチュアリー / コーズ・オブ・デス |
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ディーサイド / ワンス・アポン・ア・クロス |
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